
9月2日(水)。朝方は強い雨でしたが、午後からはウソのように晴れ上がり、久々のいいお天気。出かけたついでに日比谷線の「広尾」駅で下車。久々の坂巡り。このエリアは、各国の大使館が集まっているところ。ドイツ、フィンランド、フランス、イラン、韓国、・・・。「仙台坂」付近は、「韓国大使館」があるため、「アメリカ」「中国」大使館並みの厳重警戒区域。「アメリカ大使館」のときのように、周囲は現代の「見附」になっていて、機動隊員が厳重警戒中。
けっこう毛色、肌色、言語、さまざまな外国人にすれ違うところ。小学生も日本語から英語などさまざまな声が聞こえててきます。午後の日差しの下で、そんな街を散策。約1時間半。
参考にさせて戴いたのは、山野勝さんの『古地図で歩く 江戸と東京の坂』(日本文芸社)。今回はその「南麻布の坂」。

山野さん、ついこの間、朝日の夕刊に登場していました。
刻々と変化する都心部。それでも坂や道路は江戸時代とほとんど変わらない、歩くと、そんな発見もあって楽しい探索ができます。
さらに、

は、東京23区に700以上存在する「名前の付いた坂道」を実際に歩いて集めたサイト。
現地を踏査して写真もたくさん掲載されています。坂の上下方向などが地図入りで克明に記され、特に、区などが設置した「解説板」を網羅し、紹介しています。このサイトもけっこう参考にさせていただきます。
「広尾」駅を出て、「外苑西通り」から「三菱UFJ銀行」を左に曲がります。しばらく進んで、右に。「廣尾稲荷」の横を進みます。

新富士見坂
江戸時代からあった富士見坂(青木坂)とは別に明治末、大正ころに開かれた坂で富士がよく見えるための名であった。
富士見坂(青木坂)の北側にある坂道。クランク状に直角に2回(北へ、東へ、というぐあい)曲がります。

坂の途中から西を見ても富士は見えません。


突き当たりを右に折れると「青木坂」になります。けっこう急な坂。


青木坂
江戸時代の中期以後、北側に旗本青木氏の屋敷があったために呼ばれた。青木邸は現在、フランス大使館敷地内になっているようです。
急坂を下って天現寺方向へまっすぐ下って行きます。はるか向こうに富士山が、と一瞬思いましたが、もはや望むことはできません。

坂下から坂上を望む。

天現寺橋の交差点を歩道橋で渡って、反対側に行き、「明治通り」を左に向かいます。





狸橋の由来
むかし橋の西南にそば屋があって子供を背負い手拭をかぶったおかみさんにそばを売ると、そのお金が、翌朝木の葉になったといいます。
麻布七不思議の一つで、狸そばと呼んだのが、地名から橋の名になりました。
ほかに、江戸城中で討たれた狸の塚があったからともいっています。
昭和53年 港区


「明治通り」を進むと左手に「光林禅寺」。ここには、アメリカ公使館通訳・ヒュースケンとイギリス公使館通訳・伝吉のお墓があります。
1855年から下田に到着するまでの日本に向う南方航路の印象、外交折衝や日本での見聞をつづった『ヒュースケン日本日記』((Japan Journal, 1855-1861)青木枝朗訳、校倉書房のち岩波文庫)は幕末外交史の貴重な資料となっています。

新しい坂の意味であるが、開かれたのは、明治20年代と推定される。
もともとは江戸時代に開設されたものだが、その年代は定かでない。しかし、この坂は、明治初年に坂の中腹部分がいったん失われて、その後(大正13年以前)に再整備されている。そのときに新坂という苗尾得たという説もある。(上掲書P21)


「光林寺」の東側にある「新坂」は、この当時はまだない(失われている)ことがわかる。
ゆるやかですが、けっこう長い坂道。自転車に乗った低学年の小学生が勢いよく上って来ましたが、途中で自転車を押して上がっていきます。


坂の途中から。 上がりきったところから。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます