おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

幽霊坂。三分坂。円通寺坂。「野田岩」。・・・(じじばばがゆく。冷たい雨の降りしきる乃木坂編。)

2015-04-09 20:17:18 | じじばばがゆく

 生憎の雨、それも粉雪混じり。まるで冬に戻ったような寒さね。でも、ここまで出てきてくれた、感謝します。



 ここは、母親が生まれ育ったところなの。「溜池」なんかその通り、雨が降ると大変だったって聞いたことがある。

 それから、自分も結婚して近くの社宅に住んだことがある。不思議な縁よね。子供も小学校は母親と同じだった。
 夫の転勤でそんなに長くいなかったけれど。懐かしいわ。

    

 「乃木坂」。旧乃木邸と乃木神社があるので、そうなったらしいわ。昔は、「幽霊坂」って言ってたそうよ。どうしてそう言ってたのかしらね。そんな雰囲気、幽霊が出るような感じなんかまるでしないし。高台にはさまれた暗い所だったのかしらね。お寺も多いし、・・・。



 まさかこんな日に歩くとは思わなかった、でも、懐かしい。サクラはすっかり散ってしまったけれど。

     

 ここが、乃木さんのおうちだったところ。中に入ったのは初めて。乃木神社は知っていたけど。

     

 軍人のおうちで、木造だけどがっしりした造りよね、へえ、フランス陸軍の聯隊本部を参考に造ったのか。上野にある岩崎ちさんみたいにお金にあかして造った豪邸よりもいいわ。

    

 煉瓦造りの馬屋が残っている。

 乃木希典って明治天皇のご大喪の日に、奥さんと自決した方よね。
 「こころ」の先生もその報を聞いて自殺を決意した、とか。明治の精神に殉ずる、ってどういうことがよくわからないけど。

    

 何、血の付いたものを埋めたところですって、ここが。

・・・



 寒くない? けっこう冷えてきた。

 もう少し歩いてみようか? ・・・こんなところをあなたと歩くなんて思っていなかったわ、不思議な関係よね。

 坂道がけっこう多いよね、この辺り。

 赤坂の方に行ってみましょうか? たぶんこっちの方角だと思う。

      

 あれ! ちょっと道を間違えたみたい。 こんな急な坂があるなんて、思ってもみなかったわ。「三分坂」ですって。
 「TBS」じゃない、あれ。・・・ということはこっちに向かって行けばたぶん着けるはずよ。

    

 この辺りもお寺が多いわね。「円通寺坂」って書いてあるし、・・・。

 何だかずいぶんと歩いてしまった!「 赤坂見附」駅の方に向かっているのね、「薬研坂」を行けば、・・・。まだ時間があるから、寒いし、どこかでお茶でもしよう。

              

・・・

「不思議よね、人生って」

「相変わらず東海道を歩いているんでしょ」「へ~、もう浜松まで」

「日本橋から250㎞か」「次は、いよいよ愛知県ですか」

「静岡はたしかに横に広いわよね」「三島から、じゃない箱根峠から」「浜松、その先の浜名湖、もっとその先までですものね」

「あとどのくらいかかるかしらね」「一人で歩いてつまらなくない? 」「ホント! 夫婦で歩いている人もいるんだ」

「日本は広いし、まだ行っていない県もある」「今度、高知に行く予定なの」

「三条大橋が終点か」「ただ歩くだけじゃないわけね」

「西行、阿仏尼、業平、更級日記、ふ~ん、さすが東海道ね、昔から由緒・因縁があるんだ」

「因縁か、私達も不思議な因縁だと思わない? 」

「読書する時間もない、孫や娘や猫たちの世話で毎日忙しい、でも愚痴だけは言いたくないから。夫は、今日は同期会だって出かけた」

「明日からも朝早くからせわし、せわし、・・・」「こんなのんびり、散歩するなんてめったにない」

「せめて羽を伸ばすといってもこの程度だけど」「あんまり苦にしないのよ、苦にしたからってはじまらないじゃない」

「そうね、久しぶりでいろいろお話しできたし」「外は、雨はもう上がったかしら」

「背中が痒いって、奥さんにクリーム塗ってもらえばいいじゃない。あるいは何とか嬢とかにさ」

「年寄りは肌がガサガサになる」「おかげさまでこんな黒髪でいられる、白髪にはなりにくい体質かも」「けっこうふさふさしている」「長生きするって、何ともいえないけど」・・・

「もうこんな時間か。食事に行きましょう。ウナギ。大丈夫でしょ。浜松ではウナギを食べたの? 」

「昔、近所だったので、寄ったことがあるのよ。そんなに高くないし、昔からのお店みたいよ」

「だいじょぶ、だいじょぶ、こんな天気だし」「東麻布」」「電車に乗ればすぐよ」

「古稀か、古来稀なり」「でも、かわいいおばあさんでいたい。」

「こんな氷雨に負けず、身も心も温まるお話を聞いたし、聞いてもらった。ありがとう。」
 
「もうこんな時間か」「美味しかった」
                    「天然鰻のお吸物のきも、又はきも焼に釣針が入っていることがありますのでお気をつけ下さいませ。」

・・・

 《昨日は生憎のお天気でした。いろいろなお話しに眠っていた私の脳が久しぶりに回転してきました。お体に留意してご活躍下さい。また、ご連絡します。 F・A》



 1880年頃のようす(「歴史的農業環境閲覧システム」より)。
 ↑が「幽霊坂」(現「乃木坂」)、中央が「東京鎮台歩兵営」(現「東京ミッドタウン」)。は「檜町公園」、「赤坂中学校」付近に当たる)。



 同。
Aが「三分坂」、Bが「円通寺坂」、Cが「薬研坂」。「薬研坂」の北側の道が現在の「青山通り」。現在、「三分坂」を上がった右手の高台にあるのが「TBS」。 

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