ブログ仙岩

各紙のコラムや報道番組、読書の感想、カメラ自然探索など。

1981年ヒルティの宗教的幸福論

2013-08-28 08:52:58 | 日記
三大幸福論の著者の中で一番聖書を愛したヒルティ(1833~1909)はスイスの法学者、哲学者で政治家でもある。ヒルティは享楽生活を捨て、民衆にも求め、特に禁酒運動で国会で可決させている。そして、民主国スイスは独裁君主国の真ん中にあり、平和を維持するには神がなければ不可能という。人々が宗教を失うとき、生活の後ろ盾も、相互理解の手段も、人々を支える根ももはや残らないと。

また、合田もいうように、幸福と不幸の神曲即ちヒルティはダンテの愛読者であった。が、しかし、女性との交際となると、ラッセルのようなセックスを語るでもなく、アランのように恋愛や失恋をしたりするでもない。

ニーチェの哲学を批判しながらも善悪の彼岸で捉え、徳は幸福でなく、怠惰から脱出して勤労生存競争が幸福の第一歩であり、仕事から愛へと展開する。ヒルティの格言や名言を少し並べてみると、

幸福という言葉には何か憂うつな調子がある、それをゼロにするときすでにそれは逃げ去っている。
悪に出合ったら、それを赦すより忘れる方が勝っている。挫折したことない人は訳に立たない。
人の真の誠実は礼儀正しく振る舞うように小さなことをするその人の態度に現れる。
心配に対する最上の対策は 忍耐と勇気である。etc.