前回は編集長から超名曲で攻めてこられましたが、
今回は「ら」!
普段はあれこれ頭に浮かんでは悩みまくる私ですが、
今回はスパッと回答が頭に浮かびました!
では、参りましょう!
ランプ/ザ・プレジデンツ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ
(以下プレジデンツと略)
ところで、プレジデンツをご存知か?
アメリカはシアトルが生んだ三人組の
ゴキゲンなロックンロール大統領をご存知か?
グランジブーム勃興後のアメリカンロックシーンの中、
キャッチーなメロディとローファイかつ
エネルギッシュなサウンドを引っ提げて登場したプレジデンツ。
アメリカ大統領を名のるだけあり、
そのローファイかつキャッチーなロックの裏側には
しっかりとしたアメリカンルーツが根付いたサウンドが魅力の、
クリス・バリュー(vo,b?)
デイヴ・デドラー(vo,g?)
ジェイソン・フィン(vo,ds)
という三人組であります。
「おや?それぞれのパート表記に何故クエスチョンマークが?」
と気づいた方、お目が高い!
クリスとデイヴが弾くのはベースでもギターでもございません!
彼らが弾くのは謎のオリジナル楽器、ベーシターとギタベース!
……はい、半分は冗談です。
ベーシターはギターに太い低域弦を2本、
ギタベースはギターに弦を3本張ったものを
彼らがそう呼んでおるだけです(笑)。
が、このベーシターとギタベースこそが正に彼らのサウンドの肝!
1度と5度のシンプル極まりないオープンチューニングに調弦された
この2本のトンチキな楽器が鳴らすサウンドの素晴らしいこと!
キース・リチャーズの5弦オープンGチューニングが
数々な名リフを生み出したように、
弦の数を限定することによって逆に豊かにすら聴こえる
そんなサウンドが生まれたことは周知の事実。
2人合わせてたった5本の弦からアウトプットされる彼らのサウンドもまた、
不足どころか「ギターもベースも弦なんて2、3本で十分よ!」
と言わんばかりのグレイトでダイナミックなロックサウンド!
(そもそも、三味線だって3弦のオープンチューニング楽器だし、ディドリー・ボウやスキッフルで使われる盥ベースのように1弦の楽器だって世の中には存在する。弦が少ないからといって表現力が狭まるなんてことはないのだ。なお、クリスは以前紹介したモーフィンの2弦スライドベーシスト、マーク・サンドマンとつるんでいたことがあり、互いに影響し合っていたのやも?)
今回紹介のこの「ランプ」は
そんな彼らの1stアルバム(1995年作)からのチョイス。
PVも作られている彼らの代表曲であります。
(ちなみに1stの日本盤ライナーノーツにはchar氏のコメントが掲載されており、文末の「そうなのだ。ギターなんか3本ぐらい弦が張ってあればなんとかなるものなのだ」という言葉がプレジデンツの本質をよく表している。ベテランはやはりいいとこ突きますな)。
個人的によく聴いたのは1stよりも2ndなのだけど、
ベーシターとギタベースのローファイなグッドサウンドが
より味わえるのはやはり1st!
是非このシンプルな5本弦が生み出す
そんなゴキゲンなロックミュージックに触れていただきたい。
というわけで次回は「プ」!
「プププププ・・・・(笑)」
何が出るかはお楽しみ!
乞うご期待!
《 ハウリンメガネ筆 》