U田君からお誘いのメールが入りました。僕としては最優先で彼の誘いに答えたいのです。
と言うのも、O橋君は山口県に行ってしまいましたし、僕にとって高いレベルでともに山行できるU田君のような存在はとても貴重で、大切なのです。
それに、僕自身の登山の総合力がどのレベルなのか、若くて今のりにのっているU田君のような山屋と一緒に行けば、それとなく客観的に判断できるのです。
当然のことですが、U田君自身が僕の実力を判断して、誘える山を考えてくれているはず。僕としては、彼の判断・期待に応えることが出来れば合格という訳。
もちろん、山行を楽しむことが何よりも大切なこと。楽しむためには余裕が必要です。
この星穴新道についてネットでいくつか記録を読んでみました。手ごたえありそうなルートだということは十分に分かるのですが、困難なのか、さほどでもないのか、分かりませんでした。
行ってみるしかないですね。
2014/11/8 前夜、U田君が僕の家まで迎えに来てくれ、車で妙義の道の駅まで急ぎます。
道の駅に到着し、テントを張ってすぐに就寝。夜中を回っていました。
早朝、僕はお湯を沸かしてカップちゃんぽんを食べ、U田君は菓子パン。
▲国民宿舎裏妙義まで行き、駐車場に車を停めさせてもらいました。国民宿舎にはちゃんと断りも入れておきます。6:55ころ。
妙義の山にはあまり来たことがありませんから、写真の岩峰も名前はよく分かりません。おそらく、鶴峯山でしょう。
▲林道を星穴沢橋まで進みます。7:17ころ。
▲橋の架かる星穴沢左岸の女坂登山道を進みます。右上には目指す星穴新道の尾根が見えていますし、どこからでも尾根上へ出られそうです。ちょうど写真の標識が出て来ましたから、ここから右上へと登ることにしました。7:27ころ。
▲上がったばかりの星穴新道はこんな様子です。奥多摩の尾根を歩いているような感じです。7:39ころ。
▲星穴岳方面が木の間から時折のぞきます。どれが山頂だか、P1だかP2だかP3だか僕には判別つきません。あの中に這入って行くと想像すると、緊張感が高まりますね。7:53ころ。
▲尾根地形が分かり辛くなっても、落ち葉に埋もれた踏み跡がかすかに分かります。8:20ころ。
▲小さな、なだらかなピーク(名前などあるはずもなし)を越えると、いよいよ星穴新道核心部が近づいている予感が強まります。8:28ころ。
▲ネットで調べると必ず載っている、黄色いペンキで書かれた道しるべ。「星穴」と矢印で示されています。8:32ころ。
▲ついに出現! 最初の核心部です。U田君が「ザイル出さなくてもいいですよね?」と聞きます。
見た目、大丈夫そうだったので、「いいんじゃない」と答えました。でも、なかなかシビア。
写真でもU田君の右後ろに鎖が見えますが、数十年前の信用できない代物なのです。8:34ころ。
▲続いて、ほぼ垂直の壁が出現します。U田君は信用ならない鎖は使わずに、岩と木だけを使って登ったみたいですが、僕はどうしても鎖にすがらざるを得ませんでした。もちろん、なるべく体重は預けないようにします。易しい岩場だとは言え、スタンスも遠くて、嫌らしいものです。8:39ころ。
▲いまU田君の立っている場所から左上へ、第一の核心部最後の岩場の登りです。8:41ころ。
RCCⅡで言えば、3級の範囲の岩場ですから難しくはないのですが、信頼できない鎖、脆いことで有名な妙義の岩、掴む木がときおり枯れ木である点などを考慮すると、落ちると大怪我や死に直結する数十メートルをノーザイルで進むのは、やはりとても緊張しますね。
いくらネットで他の記録を読んでも、しっくりとは理解できないのですが、これでどうやらP1は通過したようなのです。P1がどれなのやら? P1の天辺に立っていないことだけは確かなように感じますが・・・・
▲続いて、大きな岩場にぶつかりました。巻くしかないようです。右へと、岩の基部に踏み跡があったので、U田君が先に行ってみます。でも、その先、左を覗き込むと、行けそうにないようです。8:58ころ。
▲後方の山並みもひらけて来ました。中央にうっすらと見えている山は浅間山かと思うのですが・・・・ 8:59ころ。
▲少し戻ってルートを探しました。目の前の大きな岩場を少し上までは登れそうに感じますが、その先をどう行くのかは、そこまで登ってみなければ分かりそうにありません。それに、岩場を登るルートがいにしえの星穴新道であるならば、鎖などの残骸くらいはあるはずです。
それで、直登ルートは遠慮して、ここへ来たルートを振り返ってみました。すると、ありました!
それがこの写真の古い標識。何が書いてあるのかはまったく分かりませんが、指し示している方角だけは確かです。その方角を見てみると、細い踏み跡がありました。9:06ころ。
▲なだらかな林の斜面を少し横切ると、岩場の基部を巻くように踏み跡が続いています。9:10ころ。
いよいよこの先から星穴新道の本当の核心部が始まるようです。