2016/12/2 今週末の土日は先週に引き続き仕事で僕は山へ行けません。と言うわけで、天気の良さそうな金曜日にS子と二人で奥多摩を歩いて来ることにしました。コースタイム4~5時間と言っても、久し振りに一般登山道ではない、しかも僕もまだ登ったことのないルートへ行ってみることにしました。
それが刈寄山西尾根です。刈寄山西尾根と言っても明瞭な尾根が西へ延びているわけではありません。標高670m付近で北と西へ分岐しています。その北へ分岐している尾根は2000年4月にS子と登っています。石仁田沢出合の先、盆堀川を少し上流へ進んだあたり、盆堀川林道が右岸へ渡ったところから登っています。
今日はその先で再び林道が右岸へ渡って来る付近から登ろうと考えています。地図から読み取る限り最初の標高差70mほどがかなりの急登になりそうです。
▲H樹さんやYYDのメンバーにも声はかけてみたのですが、予想通りS子と二人だけの山行になりました。3人ならば採石場までタクシーで入ろうと考えていたのですが、今日はバス。沢戸橋バス停から歩き始めます。8:29ころ。
▲盆堀集落に朝陽が当たって暖かそうです。8:52ころ。
▲今日は平日ですから、棡葉窪出合前にある採石場を出入りするダンプカーが行き交っています。9:04ころ。
▲採石場からも砂利か砂を積んだダンプが降りて来ます。9:06ころ。
▲昔からこの街道は物資が行き交っていたのでしょうか? 馬頭観世音の石碑です。最上部にはわりとリアルな馬の頭部のレリーフが。9:07ころ。
▲すぐ隣りにもいろいろな石碑が集めて祀られていました。9:08ころ。
▲前日の朝に降った雨の水分でしょうか? 無風快晴の暖かな陽気であちらこちらから湯気が沸き上がっていました。9:13ころ。
▲陽の当たっている側の屋根からも湯気が。9:15ころ。
▲採石場も湯気に覆われています。9:24ころ。
伝名沢出合の広場で朝食タイム。
▲ガードレールからも湯気が上がっていました。10:23ころ。
▲まっすぐ延びている林道は石仁田線。盆堀川林道は石仁田橋を渡って右へ進みます。10:28ころ。
▲葉の落ちた木の枝には大きな露が並んでいました。10:32ころ。
▲奥多摩でこれほどのサルオガセは珍しいですね。沢沿いの木なので湿度が高く冷涼だからでしょうか? 10:33ころ。
▲石仁田橋からは林道が二度目に右岸へ移った地点から滑入沢対岸尾根(仮称)に取り付きました。10:45ころ。
【1ピッチ目】
▲傾斜は急ですし、落ち葉のたくさん積もった地面は濡れています。泥なのか岩盤なのか浮石なのか木の根なのか、枯葉で隠されています。僕が先行しますが、S子には少々危険だと感じましたから、ロープを出すことにしました。上の木に固定し、7mm×20mロープを持って、待たせておいたS子のもとへ降ります。S子にはスワミベルトを装着してもらい、僕はもう一度上へ登ります。そこで僕はS子の確保をします。「登っていいぞ~っ!」とコールすると、返事が来て、S子が登り始めました。11:03ころ。
▲左のカラビナではロープ末端を固定しています。右のカラビナで半マストノットを使ってS子の確保をしています。11:04ころ。
▲この辺りにかなり手こずっていました。11:07ころ。
【2ピッチ目】
2ピッチ目を登り始めるときに、僕もロープを自分の腰に巻きました。S子にはロープがスムースに出るよう、見ていてもらいます。
▲2ピッチ目の終了点。安定した場所でしたからセルフビレイは取っていません。11:17ころ。
▲すぐ足元の下方に木が生えているので、この場所は安定しているのですね。S子が藪の中に小さく見えています。11:20ころ。
【3ピッチ目】
▲3ピッチ目の終了点は不安定な場所でした。僕の足を置いている場所が滑りそうなのです。右のロープはセルフビレイ用です。カラビナに付けると、確保の際邪魔になるので、シュリンゲに付けていますね。11:36ころ。
▲目を少し水平に向けると、こんな風景が広がっているのです。11:37ころ。
▲S子が登って来ました。ついついロープを引っ張ってしまうようです。よくない登り方です。11:42ころ。
▲僕が立っている場所は不安定な斜面ですから、S子にはもう少し上部へ登ってもらいました。この写真の位置は安定していますから、そこで待ってもらい、僕がそこまで登ります。11:48ころ。
【4ピッチ目】
▲4ピッチ目の終了点です。安定している場所なので、セルフビレイは取っていません。11:55ころ。
▲ちなみに、僕はブーリン結びで腰に装着しました。昔はいちばん使われた結びのようですが、その危険性が指摘されて以降は使われなくなりました。でも、簡単に結べますし、何故か一度覚えておくと忘れていないので、こんな際には使ってしまいます。もちろん、留め結びもしていますから、この程度の現場ではほどけることはないと思いますが・・・・ 12:02ころ。
▲S子が上がってきます。簡単かと思っていましたが、4ピッチ目もまだまだ嫌らしかったですね。12:03ころ。
この斜面もロープ使用は4ピッチで終了しました。
ただ、念のためにまだアンザイレン(二人がロープを結びあっていること)はそのままです。
▲アンザイレンしたまま、すなわちコンティニュアス(通常コンテと言っています)で登りました。僕がS子の後ろからロープを持って付いて歩いています。12:11ころ。
▲まだ、コンテです。後、数メートル。12:15ころ。
▲どんな簡単なハイキングの時にも、僕はこの写真の装備を持って行きます。スワミベルト、シュリンゲ4本、カラビナ3枚、7mm×20mロープです。ロープを使う可能性が最初から予想される場合はもちろん最初からハーネス等持って行きます。
でも、今回はまさかロープを出すことになるとは思いませんでした。ですから、この装備を登るために使うことは数年に1回程度ですね。普段はタープを張ったり、テントの張り綱に使ったりすることはしょっちゅうですが。12:22ころ。
▲これまでに比べると、ここからは格段に傾斜が緩やかです。ここで装備を外し、普通の尾根歩きが始まります。12:27ころ。
S子にとっても久し振りのロープを使った本番の登山でした。全身、とりわけ足腰を酷使しますから、少し腰が痛くなったようですね。でも、登山に影響が出るほどではなかったようですね。ひと安心。
僕にしても、途中で1回右足のふくらはぎが攣りました。いきなりの急登でしたから、ふくらはぎが悲鳴を上げたようです。
この急登は、僕自身S子に確保してもらっているわけでもありませんし、ロープなしでも僕には登れる程度の斜面です。ただ、一度足を滑らせると、大きな事故にもつながりかねませんから、念には念を入れてS子を確保したということです。
普通の尾根歩きのつもりで来ていますから、こんなロープを使うような斜面があって、二人とも楽しい気持ちが湧き出しているようです。