メーデービラ「8時間労働もやれない国が、聞いて呆れる一等国」
「8時間労働もやれない国が、聞いて呆れる一等国」
資料 1923年労働者の状態 (読書メモ-「労働年鑑」第5集1924年版大原社研編)
(概説)
うち続く不況による失業は労働者階級にかつてない悲惨な状態を生んだ。職場に残って失業から免れた労働者も実に大量な企業が大幅賃金下げを強行し、賃金は今までとは雲泥の差があるほどに下がった。その上、9月の大震災が関東の労働者をいかに惨めに苦しめたかはいうまでもない。
(失業)
この間の不況による1923年全国の失業者は総計25万人と推定される。その上9月の関東大震災で9万6人が一挙に職を失った。
(解雇)
1923年中の工場・鉱山等で解雇された数は、震災に起因するものを除外して件数224件、20,004人。この中、工場労働者は件数195件、16,634人であり、これに震災に起因するものを加算すれば総数59,063人を数える。
(労働者の年齢)
1920年大正9年末時点
民間工場
12歳未満 0.1%(うち女性87%)
12歳~15歳 9%(うち女性86%)
15歳~20歳 34%(うち女性71%)
20歳以上 57%(うち女性42%)
(労働者の労働時間)
1922年大正11年時点
男性
8時間以内 18.5%
9時間以内 22.6%
10時間以内 32.5%
12時間以内 22.9%
女性
10時間以内 28.8%
12時間以内 53.4%
女性労働者の労働時間は、綿糸・染物・紡績工場の中には13時間労働の工場もあり、「女性労働者が男性よりも長時間の労働時間であることは特に注意すべき点ではあるまいか」と労働年鑑第5集は嘆く。
(労働者の公休日)
]1921年大正10年時点
民間
月2日が一番多く、次いで3日、4日の順である。
官営工場
月2日が一番多く、次いで4日である。
(労働災害)
1920年大正9年時点
工場
死亡 292人(うち女性19人)
重症 3,473人(うち女性267人)
軽傷 34,291人(うち女性3,414人)
計 38,056人(うち女性3,710人)
鉱山
死亡 694人(うち女性107人)
重症 5,816人(うち女性1,132人)
軽傷 169,641人(うち女性29,217人)
計 176,151人(うち女性30,456人)