時雨模様の公園を、フユシャクなどの姿を求めて歩きましたが、目当ての生きものは見当たりません。
数本植えられているカリンの幹を見ていると、白い網でおおわれたジョロウグモの卵のうがありました。近くに♀クモは見当たりません。
《カリンの幹のジョロウグモの卵のう 2024/12/01》
《カリンの幹のジョロウグモの卵のう 2024/12/01》
その後、別の場所のカツラの幹で、ジョロウグモの♀を見つけました。死んでいるのかと触りましたが、わずかに動いたように感じました。そばに卵のうもあります。たいして疑問にも思わず、いいつものように写真だけ撮りました。
帰宅後、写真を整理していると、カツラの幹に産みつけられた卵のうを覆う糸に、ジョウロウグモの脚らしきものが1本写っています。卵のうを産んだ♀はそこで死に、上にいる♀は別の♀なのか?
念のため、上にいる♀の脚を確かめると、6本しかありません。クモの脚は8本です。卵のうに残っていた脚は上の♀の脚なのか?
私に考えられることは、次の三つです。
① 卵のうを産んだ個体が、隣に新たに卵のうを産もうとしている。
(ジョロウグモは卵のうを幾つも産めるのか?)
② 下の卵のうを産んだ個体が、上の♀で、もうじき寿命が尽きて死ぬ。
③ 下の卵のうを産んだのと別の♀が、新たな卵のうを産もうとしている。
偕成社の自然観察事典のシリーズの『網をはるクモ』には、次のように書かれているそうです。
「ジョロウグモのメスは、卵嚢をつくりおえても、そこから、はなれることはありません。糸に、脚をしっかりとからませ、卵を守り続けます。卵を産み終えたメスは、腹がしわになってしぼみ、老婆のような姿です。やがて、つめたい木枯らしの季節がきます。老いたメスは、枯れたように死んでいきます。」
また、「ジョロウグモの産卵行動に及ぼす気温の影響」という報告には、次のように書かれているようです。
「卵のうを離れてからのクモは卵のうの近傍で死亡した例が66 頭、網を張った例が315 頭(産卵前の網90 頭、新しい網122 頭、空の網63 頭、他のクモの網を乗っ取る40 頭)、徘徊が22 頭、行方不明が251 頭、実験に使用が6 頭だった。12 月の産卵では死亡、行方不明個体が多かった。」
調べれば面白そうですが…。
《カツラの幹のジョロウグモの卵のうとジョロウグモ♀ 2024/12/01》
《カツラの幹のジョロウグモ♀(脚が6本しかない) 2024/12/01》
《カツラの幹のジョロウグモの卵のう(1本の脚が見える) 2024/12/01》
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