樹木園の池の上部に小さな谷間を利用した「ミズバショウの苑」があります。樹木園を訪れたときは、必ず池とこのミズバショウの苑には立ち寄ります。
段差に応じて幾段かに分けられており、植えてあるメインの植物も違います。ミツガシワのところを横断する小道を歩くと、カエルらしきものが人影に敏感に何匹も水に飛び込みますが、なかなか姿をとらえることができません。1匹だけいた近づいても逃げない鈍感なカエルを確認すると、その正体はトノサマガエルでした。
小巻翔平さんのウェブサイト(https://sites.google.com/site/skomaki1987/siha-shui/pondfrognagano)によると、形態のみに基づいたトノサマガエル種群の同定は難しいようです。ただでさえ難しいのに、さらに交雑・戻し交雑を行うため、分布が重複している地域では同定が極めて難しいのです。トウキョウダルマガエルとナゴヤダルマガエルは分布域が異なるので、両者は混同しにくいのですが、問題はトノサマガエル。トノサマガエルと一口で言いますが、背中の黒色斑紋がつながっていない個体も多いなど形態は変異に富んでおり、判断が難しいのです。したがって、トノサマガエルとダルマガエルの識別にあたって、後肢が長いとか、体がスリムだとか、お腹が白いとかいう見分け方は、アテになるとは思えないと小巻さんは言っています。
小巻さんによると、トノサマガエルとダルマガエルとを見分けるには、黒色斑紋の大きさや並び、シャープさ、体色の組み合わせ、横顔、目つきなど、様々な特徴を眺めて心で多変量解析をする必要があり、文章では説明できないけれども、たくさんの個体を見ているとオーラを感じるようになってくるとのことです。
いずれにしても、私のレベルでは、富山県で見られるものはトウキョウダルマガエルでもナゴヤダルマガエルでもなく、トノサマガエルで十分なのです。
《どうにか写させてくれた鈍感なトノサマガエル 2020/05/23》
《どうにか写させてくれた鈍感なトノサマガエル 2020/05/23》
《どうにか写させてくれた鈍感なトノサマガエル 2020/05/23》
※ 明るいうちに風呂に入り、夕食後のひととき、まだ明るいテラスで、愛犬を膝に(迷惑顔なのがちょっと気になりますが…)、図書館から借りてきた本を読むのが至福のひと時です。
《テラスで(迷惑がる)愛犬を膝に読書します》
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