吾が家から直線距離で約400mのビル1階に
「えひめ311」という手書きの看板を掲げている
小さな事務所がある。(ガラスで中が丸見え)
とても目立たない事務所で、大方の人は気にも
止めないだろう。
この事務所は「東日本大震災」から愛媛県まで
避難してきた福島県民たちの集う場所である。
つまり、あれから13年が経ったのに、福島には
還らず、元故郷だったり、縁が深いから、という
理由で愛媛県で暮らしている人たちのもの、と
思っていただきたい。
私の同郷の人たちだから、一度挨拶に行った。
でも、それ以来は訪ねていない。
彼らと私は全く違う理由で愛媛で暮らしている
から、被害者の気持ちを私は理解できていない
からである。
と同時に、彼らの未練の深さに(そうか、そういう
ものなのか)と驚き、近寄りがたくもある。
能登半島では地震から3か月も経っているのに
未だに体育館で暮らしている人たちが居る。
彼らが、「自分では何もできない老人たち」なら
理解できるが、テレビで見ているとそうでもなく、
下手をすると「自立心の乏しい人たち・手持ちが
乏しいから全て自治体に縋ろうとする人たち」に
見えてしまうのは私の偏見であろうか。
ともかく、体育館で3か月はどう見ても変だろう。
吾が国が如何に貧しい国かが露呈している、と
私には見えてならない。
そこに天皇夫妻がお見舞いにやってくる。
見舞われる方は事前に訪問時間を告げられて、
皆が静かに到着を待ち、90過ぎの老人でもない
のに「ありがたい」と口を揃え、「夫妻の優しさ」を
感想として報道関係者に述べ、涙まで流す。
・・・報道は莫迦の一つ覚えで美談に仕立てる・・・
(また、いつもと同じだ)と私は、災害時の対応の
悪さを「天皇家を利用してお茶を濁す作戦か」と
思ってしまうのだ。
もしも被災から1か月以内で誰しもが安心できる
環境に移れたら、天皇夫妻も行かずに済むのだ。
惨めな思いを三か月もしてるから慰安するのだ。
つまり、これは全て、政治の問題なのである。
吾々は間違った政治家の選び方をしているのだ。
・・・天皇が来たから喜んで体育館で我慢する・・・
そんな阿呆な選択を自ら選ぶな、と私は言いたい。