ホイッスルバード あいざわぶん

原付バイクで行く・しまなみ海道『尾道ラーメン編』

尾道ラーメンを食べに行くにあたって、食べログや
個人のブログを幾つか読んでみた。
背脂入りが特徴の尾道ラーメンだが、二軒・三軒と
同じ背脂入りを味わっては感覚も麻痺すると考えて、
次の条件を満たす店を前もって頭に入れたのだ。

一、 渡し舟乗り場から近いこと。
二、 食べログで減点要因が少ないこと。
三、 並ばなくとも済みそうなこと。

その結果、次の三店舗が候補に挙がった。
「伝でん」。「みやち」。「たに」。
この三店舗はバイクで5分以内の所にあり、立て続け
に三杯食べれば私の場合、普通盛りなら楽勝である。

午前10時半に尾道に上陸し、頭の中にある地図を
思い浮かべて、先ずは駅前の「たに」を下見する。
簡単に発見。午前11時から開店だ。

続いて「みやち」を探すが、なかなか見つからない。
尾道郵便本局前で婦警さんを発見。
訊ねると婦警さんが指差す50m先にあるらしい。
ああ、さっき通った。小さくて見逃したのね。

最後の「伝でん」は簡単に発見。
ところが、本日定休日と書いてある。
月曜が定休日だなんて、変わった店主なのか知ら。
そう言えば、店のホムペを見たときに、閲覧者が
たったの6人だった。お昼過ぎに見たのに6人は
少な過ぎるよね。店構えは普通なんだが・・・。

ということで、先ずは駅前の「たに」を攻め、次は
「みやち」を攻略することに決定。
三軒目は後から決めればいい。

駅前に戻り、日陰にある椅子に座って尾道市民を
観察する。
暑いから、やはり女性は日焼け予防に熱心である。
愛媛君と同じで、どこもかしこも隠してある。

「たに」さん、やっと開店したが4分遅れ(写真1)。
入店すると、アルバイトで今日から勤務する高校生
らしき男の子二人に仕事の説明中。
二人とも蚊の鳴くような声で話している。
他に専属らしきスタッフが4人も居る。
尾道ラーメン・550円を注文。
私にラーメンが来るまで、他に5人来客。

注文から約3分でラーメン到着(写真2)。
スープの色合いは一瞬、東北のラーメンを思わせる。
こういう色合いは私の個人的な好みである。
しかし背脂入りだからアクもたくさん浮いている。
お世辞にも見栄えがいいとは言えないな。
スープは上々で、最後まで飽きることはなさそうだ。
麺は関西以西の細麺のストレート。
噛み心地はやはり東北人には違和感がある。
ドンブリがやけに小さく、これが山形での商売なら
そっぽを向かれるだろう。ケチなのか知ら。
アッという間に完食して、次の店「みやち」に行く。

「みやち」に到着したのは11時25分(写真3)。
玄関の前には乳母車が停められている。
細い路地に丁寧に停められて、なんとも微笑ましい。
店に入ると、なんと空いている椅子は二つだけ。
小さな店なので、壁に取り付けられた幅50cm程度
の板がテーブルになっている。
全部で10人が入れるかどうかの小さな店舗だ。

「みやち」の売りは「天婦羅ラーメン」だが、私は
基本の「ラーメン」を注文。450円とお安い価格。
接待しているおばちゃんの愛嬌は100点満点。
ラーメンが来る前に、私の隣の椅子に巨漢君が座る。
わたくし、とても窮屈な体勢になるが、巨漢君は
漫画をテーブルに上げて読み始める。
あぷっ!今ラーメンが来るんだぞ!巨漢君よ!

ここのスープは奇麗に澄んでいる。
「たに」とは対照的なので選んだのだ。
背脂が入っていないシンプルな中華蕎麦である。
ひと口含むと鼻腔に抜ける瀬戸内の潮と煮干の香り。
旨いが、ちと塩分が強いかも・・・。
だからか!「味を調整します」と壁に書いてある。
でもラーメン好きなら例え私のような高血圧症でも
「さもあらばあれ」と飲んでしまうのである。
麺は「たに」と同じように見えるが、茹で方が上手
なのか歯応えがいい。変な芯の感覚がないのだ。
念のため言っておくが、茹で過ぎでは決してない。

巨漢君は慣れた感じで「天婦羅ラーメン」を注文。
私は横目で盗み見したが、天婦羅の中身が何んなのか
分らない。しかし形状からすると烏賊の天婦羅か。
きっと背脂の代わりの脂っこさが天婦羅なんだな、と
勝手に判断した。だから巨漢君になったのだな。

満員の店に何時までも座っているのは野暮の骨頂。
立ち上がって店を出ると、やはり外には待ち人が
二人居た。

二店舗を急いで周ったので、何しろ汗の出方が半端
ではない。
バイクで風を受けるのが一番と、次の店選びも兼ねて
尾道の街に飛び出した。
すると、至るところにラーメン店はあり、どこも人が
並んでいる状態だ。
二杯を平らげた直後に、この炎天下に並ぶのは勘弁して
ほしい。

私は三杯目の尾道ラーメンを諦め、風と日陰を求めて
駅前へとUターンしたのだった。

(補足)
尾道では他に「珠華園」という店が人気らしい。
しかし食べログを読んだら「回転率を考えているのか、
熱くもないラーメンが出てきた」と書いてあったので
私は選ばなかった。
ラーメン好きの客は正直である。
20分待たされた挙句のことだから同情を禁じえない。

【結論】
日本全国を旅し、ラーメンと蕎麦を食べてきた自負が
ある私の結論です。

和歌山は別として、関西以西のラーメンは大したことが
ない。ここで言うラーメンとは、基本である醤油ベース
のラーメンのことで、トンコツ・塩・味噌は別に語るべし。

ラーメンは東北に敵う土地はない。
東北の次は関東圏で、他の土地は少々劣るのが結論だ。
やはり県民一人の消費金額が日本一の山形県だけに、
蕎麦とラーメンでは一歩リードしている感が強い。

ああ、山形市・長源寺通りにある「やま七」のラーメン
が食いたいなあ。
あそこの蕎麦は、蕎麦とは言えぬ最低の代物だが、何故か
ラーメンは最高に美味いのだよ。
松山に移住して、山形の麺文化の高さを再認識させられた
私である。









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