ホイッスルバード あいざわぶん

急ぐな、二十歳

今年2022年は私にとって色々と区切りの年である。

〇老人の仲間入り(65歳)をした年。
〇歌歴30年経過の年。
〇松山移住10年目の年。
〇持ち家歴10年目の年。

だからこそなのか、45年前の成人の日を思い出す。
思い出して、恥ずかしくなり、深い溜息が出る。

精神年齢が異様に幼くて、二十歳の私は同い年の
友人、恋人を観ていると自分の不甲斐無さばかりを
感じていたのだった。
幾ら学生とは言え、将来の展望がゼロで、どうしたら
22歳から暮らせばいいのか、考えるだけで怖ろしく
なり、なるべく考えないようにした頃である。

そして365日、麻雀・競馬・SEXに溺れ、アウトロウを
気取っていたのだった。
そういう人はそもそも、成人式なんかに行く気はなく、
当日の恋人は美容師だったから仕事で忙しく、私は
麻雀荘で丸一日中ゲームに没頭していた筈である。

「競馬新聞を作る会社で働かないか」と声が掛からな
かったら、私は自暴自棄になって死んでいたかも・・・。
どう考えても、そうとしか思えないので怖ろしくなる。

今日二十歳を迎えた諸君の半分は100歳まで生きる
のだそうで、思えばそれも怖ろしい話である。
だからこそ私が言えるせめての餞(はなむけ)は「焦り
なさんな」ということ。
イヤでも人生は長いのだから、焦るのが一番良くない、
競争心が強過ぎると疲れるぜ、と言いたいのである。

急いだり、競争が過ぎたりして、心まで病むことが無い
ように。それが何より大切である。
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