ホイッスルバード あいざわぶん

沖縄返還50周年

中学三年時の社会科(政治)の教師は50代半ばであろう
清野太観先生だった。
或る日のこと、教科書とは関係のない話を先生は始めた。

 来年、沖縄が日本に返還される。現在の沖縄は太平洋
 戦争の終わった時から日本であって日本じゃなかった。
 お金はドルだし、車は右を走っている。本土に来るには
 パスポートが必要なんだ。
 それが、やっと、やっと戻って来るんだよ。

それを聞いて教室はざわ付いた。14歳か15歳の私らは
知っているようで知らない沖縄だったから。

翌年、私らが高校一年生の5月15日に太観先生が言った
通りに、沖縄県はアメリカから返還され日本になった。
小笠原諸島が返還された時より私らも大人になってたから、
返還の意味が強く感ぜられたのだった。

その4年後、19歳の私は初めて沖縄を旅した。
あの授業のことを思い出しながら旅をしたのだ。
今年の5月15日で沖縄返還から50年の節目を迎える。
そのめでたい年の初めに沖縄に行きたかったのである。

だからせめて、爆発的感染の嵐が早く収まってくれまいか
と祈るだけである。
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