昨年一年間の優秀14句の作者がスタジオに招かれ、新作で
勝負し、年間チャンピオンを決めるのだ。
その14句には「独立の夜やゴッホの星月夜」も選ばれている。
私が、「誰かに作ってもらったに違いない。もし本人が詠んだ
のなら凄い才能の持ち主」と揶揄したアイドル歌手の句だが、
本当に素晴らしい句だから14句には選ばれているのだ。
でも、裏読みすれば、「この人の次の句も見てみたい。それで
判断したい」という選者・夏井いつき君の下心があったのかも
しれない、と私は想像している。
で、新作の11位から14位になった人の句は発表されないの
だが、アイドル歌手の新作は予想通り14位だった(笑)。
テレビでは発表しないが「TVer」では発表するという。だけど、
そもそも私は「TVer」が解らないので調べるつもりもない。
さて、ここから話の主旨を変えよう。
選者・夏井いつき君と出演者(生徒・弟子)の関係性に就いて
思っていることがある。
出演者(生徒・弟子)の皆さんは勉強不足である。
娯楽番組とはいえども夏井君から学ぶのだから、師がどういう
人なのかをちゃんと知る(学ぶ)べきである。
学べば、どういう作品が優れているのか、どういう作品を目標と
すべきか、が解ろうというもの。
不肖の弟子どもはやりたい放題で、まるでお猿の学校だ。
夏井いつき(64歳)の師は黒田杏子(ももこ)で、現役ばりばり。
黒田杏子の師は山口青邨(せいそん)。
山口青邨の師は高浜虚子(きょし)。
高浜虚子は現・松山生まれで、その師は正岡子規である。
子規に学んで、俳誌「ホトトギス」を継承した人であり、現在も
ホトトギスは日本で一番会員が多い俳句結社である。
そして、何より大切なのは、正岡子規が唱えたのは「写生」。
「写生」は「リアリズム・現実主義」と解して良く、その流れを組む
夏井いつきの作品もリアリズムである。
物事を客観的に写生して、作者の感情を知らしめる・・・のだ。
番組の中で、「リアリズム・写実」等の言葉を殆ど使わない夏井
いつき君。きっと考えがあってのことだと想像する。
俳句の裾野を拡げることを第一とし、「リアリズム・写実」のことは
他の言い方(見たことをそのまま書けばいい・・・等)にしている
点に出演者は気付かなければいけない。
まっ、それぐらい、正岡子規は素晴らしい文学者なのである。
ちなみに吾が短歌の師も「写実・リアリズム」の人である。
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