需要が乏しくなれば、赤字になれば、民間の乗り物は
撤退する方向に進むのである。
その一例が松山市駅から道後温泉駅まで走っている
「坊ちゃん列車」。
民間企業である伊予鉄道は、松山市にお金の無心を
している。赤字の穴埋めを税金でしてくれないか、と。
坊ちゃん列車は市民の足ではなく、道後温泉地区の
観光業者の為の観光列車に過ぎない、と言っていい。
だが観光業者らは息を潜め、自分たちから運転資金を
出す姿勢を少しも見せてやしない。
あっ、そんなことを言うのが本日の話題ではなかった。
吾が国の人口減少は絶対に止められないのだ。
だから、列車・バスなどの公共交通と雖(いえど)も、
赤字路線は次々に消えて行く運命にある。
国有鉄道(国鉄)から民営JRにしたのは、赤字路線を
廃線にしやすいから、というのも理由の一つである。
いざ廃線になれば田舎の人たちは不便だから都市部に
流れてゆく。そして益々田舎は過疎化するのだ。
もう既に、そうなっているでしょ。
では、それらを踏まえ、更に具体的に言う。
人口問題を研究している人たちは数十年先を読む。
これが、残念ながら、的中する確率が高いのだ。
彼らは問題提起をしているのだから、それを踏まえた
施策を行わない政治家は、莫迦の集団に過ぎない。
だから吾々は莫迦に頼らず、事実を知って賢く生きる
べきなのだ。
例えば、日本で一番人口減が激しい県は秋田県。
今年6月1日の総人口は900.298人。
だが2050年(26年後)まで42%減り、56万人になる。
これは、秋田市にある秋田空港と秋田新幹線が停まる
街場以外の町・村の住民が激減する結果である。
そして、残った住民の多くは死の近くの老人ということ。
秋田新幹線が通らない横手市や湯沢市の将来人口は
計算以上に激減するのでは、と想像される。
人口が減れば新幹線の売り上げも減るだろう。
雪国の新幹線は維持費用も大変である。
本数は減るだろうし、不便になるのだろうね。
青森県も秋田県に続き、人口減少問題を抱える県だ。
最高150万人だった人口が2050年には半分以下に
なる計算だ。
ということは、新幹線が停まる八戸市と青森市。そして、
飛行場に近い弘前市以外の市町村人口は激減すると思って
間違いないだろう。
これが吾が国の避けられない近未来なのだ。
だから、雪国で、現在でも何かと不便で、裕福でもない
若い人は、早くから老後の暮らしを考えた方がいい。
地域(故郷)を大切に思い、人口減の諸問題に抵抗を
する行動を非難したりはしないが、それはやりたい人に
任せればいいこと。
未来(老後)を考慮して移住する行動は、決して悪い
ことでも非難される行動でもないのだから。
【補足】念のため書くが、私は青森県も秋田県も大好き。
特に、青森のねぶた祭りと、秋田の西馬音内盆踊り。
冥途の土産のつもりで数年内に再び訪問したい気持ち
でいるのだ。