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全国一般東京東部労働組合の記録

労働相談ボランティアに参加を!

2010年08月09日 10時42分00秒 | 労働相談

 ―ボランティア通訳が大活躍―
中国人調理師 15万円あまりの賃金返還勝ち取る!

 NPO法人労働相談センターには、外国人からの労働相談も数多く寄せられ、関連団体の全国一般東京東部労組に加入を経て団体交渉により解決に至った案件が多々ありますが、今回もその一つをご紹介いたします。

 来日して2年あまりの39歳の中国人調理師が、賃金未払いの件で当センターへ相談に訪れました。体調不良で解雇されたが、解雇予告手当も支払われないし、直近の給料明細(7月分)から「155,500円」という訳の分からない金額が一方的に天引きされ、25,000円しか手許に残っていない。住み込みの寮も追い出されてしまったので、住むところにも難儀している。差っ引かれた金額だけでも何とか取り戻したい、というものでした。日本語がまったく分からないので、ボランティア通訳の女性に同席してもらい相談を進めていったところ、どうやら、この金額の「正体」は、日本への入国時に必要な在留資格を取得するための書類作成費用であることが判明。早速、確認を取るために、その場で千葉県内の勤務先である中華料理店に電話を入れると、これまた日本語で意思疎通できない中国人経営者が応対してきたものですから、まさにお手上げ状態。とりあえず通訳ボランティアの方にその日のうちに訪問するという、アポをいれてもらい、すぐさま本人、通訳ボランティアそして相談担当者、3人で現地へ向かいました。ご本人である中国人調理師には東部労組へ加入してもらい、団体交渉で解決を図ることに―。

 現地の中華料理店で交渉をはじめてみると、経営者ほか家族含めて5人の面々が顔をそろえ、おもむろに店の「確定申告書」を取り出し、こちら側3人に示しました。在留資格のビザを取るために必要であったとのこと。主張としては、雇い入れるため店としてここまでしてやった、雇い入れられる労働者に全額負担してもらうのは当然のことだろう、1年間働いてくれればチャラにしてやるつもりだったと…。組合側は、働いてもらわなければ困るのは店側なんだから、雇用主がビザの費用をかぶるのが筋、そもそも1年間働かせなかったのは、店が解雇したからではないか、と応酬しました。それぞれの、主張をぶつけ合う間も、通訳ボランティアの方が双方の主張を冷静に判断し、分かりやすくかみくだきつつ、それぞれの側にコトバとして表現してくれたことが、実に心強く励みになりました。

 結局、7月分の給料から差し引かれた「155,500円」は、中国人調理師に全額返還。交渉前までは、不安で意気消沈していた当人は、とても喜び、もとの勤務先を後にしました。

 ボランティア通訳を担っていただいた方には、労働相談段階から団体交渉まで、さまざまな局面で助けていただきました。改めて、心より感謝の意を表します。何とも、日本語以外の言語によるコミュニケーションの限界と、一方でこれを克服したときの大いなる可能性を痛感させられた一日でした。

 NPO法人労働相談センターでは、「労働相談ボランティア」を募集中。現在、登録していただいているかたは210名(2010年8月9日現在)ですが、外国人の相談に対応できる語学に堪能なかた、またIT関連の専門知識を活かしたいかたのご応募もお待ちしております。ぜひ、お気軽にご参加ください。

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