厚労省へ申し入れるHTS支部
ある添乗員の方のブログから、ご本人の承諾のもとで紹介させて頂きます。ぜひお読みください。
転載
今や昔の添乗員へ!
出発前の打合せで添乗員は、ツアーで必要なモノをすべて受取る。
添乗員は、ツアー中、そのモノをうまく操りながら、お客様に旅行会社が提供可能な必要最大限のサービスを引き出そうとする。
そして、必要最大限に引き出した結果、多くのお客様が満足していただければ、添乗員冥利につきる。
必要最大限に引き出したと添乗員が思っても、たまに一人のお客様のアンケートに「添乗員が悪かった」と書かれる場合もある。
そういう場合でも、自分自身がこのツアーの必要最大限を引き出したと思っていたら、いたって元気である。
その反対に、必要最大限に遠く達しないほど添乗員が自己嫌悪に陥るときでも、多くのお客様から「満足」の声が聞かれることもある。
こういうときは、なかなか「まあ、いいっか!」という気になれない。
本来、添乗員というのは、こんなものだった。
自分がお客様と対面したときから最後、別れるときまで、最大限の努力をする。
大げさに言えば、命を預かっている気概があった。
だから、打合せのときの書類のチェックはあまりしなかった。
そのような書類は、旅行会社の事務担当者が気概を込めてチェックすべきものだ。
あなたたちの責任範疇だ!
わたしたちも自分たちの責任範疇は、気概をこめている。
自分たちの責任は真っ当してほしい。
昔の旅行会社の事務担当者は、十分な努力をもって我々に引き継いでくれた。
よってもちろん、あとで、書類の不備などがあれば、「ゴメンね」とか「申し訳ございません」と、その責任を痛感していた。
しかし、今はどうだ!!
もし書類の不備などあったら、打合せの際、しっかりとチェックしていなかった添乗員だけのせいにされるだろう!
それも、すごい剣幕で事務担当者から、
「あなた!ちゃんと、確認したんですか!!!!ほんとに、困るのよね!!!!!!どうしましょう・・・・・・・課長~!課長~~~!この添乗員が・・・・」
ふざけんなよ!
確認する責任者はお前だよ!
大手の旅行会社はもうこんなヤツしか残っていない。
まだ、中小の旅行会社は、責任感を持っている者が多い。
しかも、いくつかの書類は添乗員自身であっちこっちの旅行会社の引き出しをひっぱって用意していかなければならない。
これも、忘れたりしたら、すべて添乗員の責任だ!
いつからこんなになっちゃったんだ?
初めて阪急トラピックスへ行ったときは、ビックリした!地下牢のような窓のないタコ部屋に押し込められ、多くの添乗員たちがまるで蛆虫のように蠢きながら、ただひたすら、旅行会社のマニュアルに書かれた部品を寄り集めている。
粗悪な労働環境化におかれた製造工場のごとく、無機質な機械音のなか、液体が注入されたりフタがはめ込まれたりラッピングされたりと製造行程を経て商品が組み立てられていくようだった。
ここは、なんだ!
こんなことをする添乗員がいるんだ?
こんなことをさせる旅行会社があるんだ!!
とくに、わたしは、阪急交通社のグリーニングツアーを知っていただけに余計にそう思った。
出発後も昔とは違う。
打合せの際、旅行会社から預かったモノを操りながら最大限お客様のために良いツアーにしよう!!と思っても、添乗員にはどうしようもならなくなった。
どうすることもできないくらい!スケジュールがタイトになった。
タイトなりに観光名所の強弱をつけてどうにかお客様のイメージへ残るよう頑張ろうとしても、今度は、ショッピングが邪魔をする。
旅行会社とお土産屋との金銭契約が存在する以上、避けて通ることが許されないのがショッピングである。
ショッピングこそ、格安の生命線なのである。
ツアーがこんなになってしまっては・・・・・
添乗員が一生懸命、努力して、スケジュールどおりのツアーをお客様へ提供したとしても、お客様が100%満足することはむずかしい。
これでは、添乗員が努力できるところは限られてくる。
お客様の身体の疲労、疲労からくる愚痴、迷った末に参加したツアーへ対する自己嫌悪、もしかしたら、トラブルが発生しているかもしれない。
添乗員は、このようなお客様のさまざまな感情を、ときに用水路を掘ったり、ダムをつくったり、鉄橋をかけたりしながら、うまく調節しているのだ。
自分がツアーを任されているという使命感のもとに!
お客様には、格安なりに最大限、楽しんで帰ってもらいたい!
いい想い出としてもらいたい!
ここ10年くらいの間に、ほとんどの旅行会社が、
そういう添乗員のもがきを、台無しにしてしまった。
「お客様のために」という使命感・責任感まで消し去ってしまった。
旅行会社が、ツアー価格同様、当然のごとく、低下していった『質』の穴埋めに考えたのが、お客の前で身体を張って汗だくとなりながら使役される添乗員の姿を見せつけることだった。
お客様のために、命をかけて奉仕する姿を見せつける!!
そのために、いろんなグッズが用意されている。
「旅日記」「日毎スケジュール」「団体写真」「ウエットティッシュ」「うめぼし?」「英会話教室」「星座教室」「そうめん」「おにぎり」・・・・・・
これらは、ただの道具である。
ツアーの不満をそらすための道具である。
添乗員が悲痛な叫び!を押し殺しながら、お客様にこういう道具を使いながら、奉仕する姿こそ大事なのである。
だから、添乗員は必ず、お客様にそういう印象を与えるように、この道具を見せつけなければならないのである。
添乗員は、自分がリーダーという自覚のもと、ある意味、親のようにお客様と接してきた。
添乗員にとって、お客様は年上の子供かもしれない。
しかし、自分の子供のつもりで、最後まで命をあずかり、有意義な時間を共有したいと願っていた。
今は、もう親ではない。
奴隷か・・召使か・・家政婦か・・・・・
主人が見ているときだけ、窓拭きをする・・・・
旅行会社がそうしてしまった。
添乗員から責任感と使命感は消えていった、
今では、ほとんどの添乗員が「自分のため」に添乗をしている。
旅行会社からよい評価をしてもらおうと添乗をしている。
こうなると、添乗員にとって、お客様も道具のひとつでしかなくなった。
以前は、あまりにヒドイ手配であれば、帰国後、旅行会社へくってかかった。
手配する者たちの苦労を知ったうえで、お客様のためにあえて文句を言った。
手配担当者も、素直に謝り、こちらの気持ちを理解してくれていた。
今は、そんなことを言ったら大変だろう!
〈あなたの身分で、そんなこと、言えるの!!!〉
みたいな表情をされるのがオチだろう。
ましてや、もうそんなことを言う添乗員すら残っていないだろう。
だって、使命感がないのだから・・・・言う必要はない。
使命感がなければ、遣り甲斐もなくなる。
遣り甲斐はなく、労働条件が不安定で最悪となれば、何をたよりに添乗員をすればいいのだろうか?
昔の添乗員の仲間で、今別人となって生きている者がいる。
連絡を取ろうとすると、「過去は棄てたんだ!悪いけど、もう、連絡しないでくれ!」
といわれる。
すごくできるいい添乗員だった。
・・・・・・・・・・・すごい仕事になってしまった
(転載)
憂う!旅・添乗・人
http://intouch.blog56.fc2.com/blog-entry-433.html
マイナスツアーとは薄利多売ツアーと違う激安ツアーの事で、旅行代金に会社の利益も人件費も含まれず、現地でのショッピング OPツアー販売等で会社の利益とかろうじて添乗員の人件費が捻出されるツアーの事です。
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先日は、お忙しい中、お会いいただき どうもありがとうございました。あの時に触れました阪急旅行社の添乗員さん達が所属する阪急トラベルサポートに対する「不払い残業代支払い請求裁判」の経過を記した
東部労組のブログページです。・・・・・
判決は8月25日から今月29日に延期されています。
・私達がフランス現地で把握している背景
ブログに記されている「みなし労働時間」問題とは事業場外労働者の労働時間を会社が管理しない労働慣行です。
15年前までは、どこの日本の旅行会社の添乗員さん達もグループのお客様達に対し「私共の労働時間は、基本的には 朝8時から夜20時まで」と挨拶していました。
会社によって違いますが、参加人員が20名あるいは30名を超えると、グループは2つに分けられました。
各グループツアーには必ず私達現地係員が付いていましたから、添乗員さんの1日の労働時間は、拘束時間は12時間でも現地係員と業務を分担していたので、実質労働時間8時間の調整はできていたと思います。
ところが価格競争が激化したN.Y.同時テロ以降
・それまで隠然と行われていた阪急の「添乗員単独引率ツアー」現地係員業務を添乗員が代行するツアーが他社でも激増し添乗員の一日の労働時間15~16時間が拘束時間でなく実質労働時間に変化し、それが 公然化 一般化して行きました。
長時間労働に疑問を持った阪急の添乗員さん達が2007年4月の朝日新聞記事で、添乗員さん達の劣悪な労働の実態を浮き彫りにしました。
この記事によって、フランス在住の私達の現地係員が下請け化され、フランス支店や現地手配会社で直接働く係員の解雇、日本語ガイド/アシスタント派遣会社の乱立、それによる労働条件の劣悪化等、これらを招いた原因が解かりました。
N.Y.テロ直前まで、価格30万前後の添乗員無し現地係員対応のツアー が著しく伸び続けていました。
ツアー料金は添乗員付きツアーの半額位、
滞在中の日程が自由に組み立てられる事が消費者の魅力でした。
現在でも販売されている現地係員付きフランス周遊ツアーをインタ-ネットで調べると、この秋10月のフランスのツアー予定は5143件、価格は59.800円~150万円まで
・5143件中 価格70万以上8件
・8件中 現地係員スルーガイド付きが明記されているのは、JTB とJALPAKのツアー3件のみ、これはN.Y同時テロ以前からの本来のノーマルな添乗員付きツアー料金です。
・同じく価格70万前後以上でも、JTB JALPAKより内容が豪華 盛り沢山な阪急 日本旅行のツアーには、現地係員スルーガイドの記載がありません。
・15年前のスタンダード価格60万位を基準にして、当時のデラックスツアー価格7~80万以上が 現在、超デラックスツアーとしてたったの8件!
15年前以前の件数はわかりませんが
当時の私達6~7百人の現地係員の毎月の生活が成り立ち、阪急以外の添乗員さんやお客様からツアーの苦情を耳にする事なく業界が成り立っていた事は事実です。
現在、消費者が広告を見る時、同じ様な料金で阪急 日本旅行の商品の方が消費者に取って、はるかに豪華旅行に受け止められるでしょう。しかし現在このたった8件さえも必ずしも催行される訳ではないので私達の仕事の激減そして添乗員さん達の過重労働が如何なるものかご想像いただけると思います。
ツアーの安全性確保は現地係員の確保です。
国交省のツアーの安全性確保のチェックの中で一番重要な『要員確保』が漏れていると思います。
・50万以下のツアーになると、添乗員付きツアーは『外国人就労ヴィザ無しでは有り得ない添乗員単独引率』により現地係員を極力削減。
・20万台~50万代の「添乗員付きツアー」はフランスだけでなくヨーロッパの他国をめぐるツアーが多く、「添乗員無しツアー」は空路をビジネスクラス利用あるいはデラックスホテル宿泊。
・20~30万のツアーの大半は添乗員無し『パリ』・フリーステイ型で現地オプショナルツアー利用で観光します。この価格はN.Y.テロ以前と変わりません。
● 5143件のうち1627件が20万を切ります。
● しかも、価格20万以下になると再び「添乗員付きフランス周遊ツアー」が目立ってきます。(素人にはこれ以上 絞り込めません。)もちろん20万円を切ったこの種のツアーが現在の「売れ筋」です。
●10万以下は添乗員無しパリフリー滞在型、現地係員別料金手配。
日本国内外の法規が守られていれば、価格が20万を切り、「添乗員付き」、しかも朝食以外に食事が付くましてや全食付きのツアー催行は不可能です。
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異常な旅行商品価格競争にも目を向けよう!
担当は経済産業省「競争環境整備室」です。
…なんて言っているスタッフだって、非正規雇用の派遣社員だったりするんですよね、実際のところ。この前まで一緒に添乗していた見覚えある人だったりしちゃって。
同じ非正規雇用の身分&同じ派遣会社に所属していたりするのに、どうすれば、そんなに会社寄りになれちゃうんでしょう…?そうしないと、契約の更新とかしてもらえないんですかね?
旅行会社って、どこも、会社としての個性がないですね。ツアーの中身も添乗員への待遇も。
そんなやり方しか出来ないんですかね?
良心的な運営をしている旅行会社って、どこにも、ないんですかね…
単なる旅行会社の使いっ走り。
(uTu)
読んでいて泣けてきました。
20年少々添乗道を歩んできました。
仕事を始めた頃、日当は驚くほど安かったのですがとにかく楽しかった。勿論辛い事は山ほどあったけれど、やり甲斐があった。私がやらなければ誰がやる、と。
少しは添乗に慣れた5年目位から誇りを持って仕事が出来るようになった。エイジェントさんと対等に意見交換をして「よりよいツアー」を模索して朝まで語ったりしていた。
日当は組合のお陰であがってきたけれども(戦ってくれている仲間には心から感謝しています)、派遣会社もエイジェントさんも、そしてお客さんも変わってしまった。もう創造力もスキルも要求されていない。ただアンケートでいつも「5」を取れる添乗員がいいだけ。
そんな旅行業界が悲しくて、仲間に気持ちを訴えたり会社と戦ったりしたけれども、何も変わらなかった。
どんどん縛りがきつくなるだけ。
いつのまにか、自分が「オール5マシーン」になっていて、今は「やり甲斐」も「気持ち」もないまま添乗に行ってしまっている。
気持ちがないのに「5」が取れる、だって機械だから。
これに気付いた時は悲しかった。
でも、もっと悲しかったのは、
こんな心のない添乗をしている私にお客さんからの声
「心づくしの添乗員さん」・・・
それでも前のような添乗は、もう出来ない。
企画担当者の意図がわからない。
自信を持って勧められるツアーなのか聞きたい。
何度も同じ事を意見しても聞き入れて貰えない。
お客様のアンケートも読むだけ。
結局は添乗員評価。
お客様の意見聞くつもりないならアンケートなんてやらないほうがまし。
現場を知らないものばかり集まって企画会議なんてしても無駄。
少しは現場の添乗員や乗務員の意見も聞いて欲しい。
乗務員の昼食代を削っているが添乗員と乗務員は現場で力を合わすいわゆる仲間なのになんでこんなことするのか?
もっと他で削れるはず。
なぜバスガイドなしのツアーばかりつくるのか?
添乗員はなんでも屋じゃないしガイドさんの案内を聞きたいお客様も沢山いるのに。
読売の社員さん、もっとお客様のこと考えてください。