百人一首の和歌の原文・現代訳・英訳を紹介します。「47」
※英訳については、1909年にWilliam N. Porterが書いた百人一首の本
『A HUNDRED VERSES FROM OLD JAPAN』を参照しています。
和歌番号047
作者:恵慶法師
author of waka:THE PRIEST YE-KEI(YE-KEI HŌSHI)
原文
八重むぐら しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり
(やへむぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり)
現代訳
このような、幾重にも雑草の生い茂った宿は荒れて寂しく、人は誰も訪ねてはこないが、ここにも秋だけは訪れるようだ。
英訳
MY little temple stands alone,
No other hut is near;
No one will pass to stop and praise
Its vine-grown roof, I fear,
Now that the autumn's here.
The Priest Ye-kei lived about the end of the tenth century, but nothing is known about him. In the picture he is shown outside his humble little temple with its patched roof and the vine growing up the wall.
解説
恵慶法師(えぎょうほうし・生没年不明)は平安中期の人で、優れた歌人として知られていました。
花山天皇の寛和年間(985~989年の頃、播磨国(兵庫県)の国分寺の住職だったと伝えられていて、平兼盛、源重之、安法法師らの歌人と親しく交遊していたようです。
この和歌は、あるとき恵慶法師が河原左大臣 源融の別荘を訪れたとき、その屋敷の寂れた様子を見て詠んだ和歌だと言われています。
その別荘は「河原院」と呼ばれていましたが、恵慶法師の時代では、すでに100年近く経っていて、源融の曾孫・安法法師が住んでいたと言われています。
和歌自体は、打ち寂れた屋敷の情景を詠んでいますが、やって来ない「人」と、「やって来る「秋」とを対比させていて、暗い陰鬱な感じなどを感じさせません。
★おススメ本★
本書は「平成和歌所」のウェブコンテンツ「一人十首の歌人列伝」を再編集したものです。
http://wakadokoro.com/
厳選した百人一首歌人の「おもしろエピソード」と「十首の秀歌」を分かりやすく解説した読み物は、幅広い層の和歌ファンに人気を博しました。
これを読めば「はるか昔にいた正体不明のオジサン」だった歌人たちが、グッと身近に感じられることでしょう。
そして本書を読み終わった後、あらためて百人一首を一番から眺めてみてください。
王朝の歴史絵巻が紐解かれ、つまらなかったあの百首歌たちが息吹を宿し、断然おもしろく感じられるはずです。
※読みやすい文字サイズ文章で、約200ページがあっという間に読み終わります!
※英訳については、1909年にWilliam N. Porterが書いた百人一首の本
『A HUNDRED VERSES FROM OLD JAPAN』を参照しています。
和歌番号047
作者:恵慶法師
author of waka:THE PRIEST YE-KEI(YE-KEI HŌSHI)
原文
八重むぐら しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり
(やへむぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり)
現代訳
このような、幾重にも雑草の生い茂った宿は荒れて寂しく、人は誰も訪ねてはこないが、ここにも秋だけは訪れるようだ。
英訳
MY little temple stands alone,
No other hut is near;
No one will pass to stop and praise
Its vine-grown roof, I fear,
Now that the autumn's here.
The Priest Ye-kei lived about the end of the tenth century, but nothing is known about him. In the picture he is shown outside his humble little temple with its patched roof and the vine growing up the wall.
解説
恵慶法師(えぎょうほうし・生没年不明)は平安中期の人で、優れた歌人として知られていました。
花山天皇の寛和年間(985~989年の頃、播磨国(兵庫県)の国分寺の住職だったと伝えられていて、平兼盛、源重之、安法法師らの歌人と親しく交遊していたようです。
この和歌は、あるとき恵慶法師が河原左大臣 源融の別荘を訪れたとき、その屋敷の寂れた様子を見て詠んだ和歌だと言われています。
その別荘は「河原院」と呼ばれていましたが、恵慶法師の時代では、すでに100年近く経っていて、源融の曾孫・安法法師が住んでいたと言われています。
和歌自体は、打ち寂れた屋敷の情景を詠んでいますが、やって来ない「人」と、「やって来る「秋」とを対比させていて、暗い陰鬱な感じなどを感じさせません。
★おススメ本★
A Hundred Verses from Old Japan: Being a Translation of the Hyaku-Nin-Isshiu | |
Tuttle Pub |
図説 百人一首 (ふくろうの本/日本の文化) | |
河出書房新社 |
百人一首の歌人列伝(業平、定家に西行…人気二十歌人の面白エピソードと代表歌を知ろう! ) | |
歌林苑 |
本書は「平成和歌所」のウェブコンテンツ「一人十首の歌人列伝」を再編集したものです。
http://wakadokoro.com/
厳選した百人一首歌人の「おもしろエピソード」と「十首の秀歌」を分かりやすく解説した読み物は、幅広い層の和歌ファンに人気を博しました。
これを読めば「はるか昔にいた正体不明のオジサン」だった歌人たちが、グッと身近に感じられることでしょう。
そして本書を読み終わった後、あらためて百人一首を一番から眺めてみてください。
王朝の歴史絵巻が紐解かれ、つまらなかったあの百首歌たちが息吹を宿し、断然おもしろく感じられるはずです。
※読みやすい文字サイズ文章で、約200ページがあっという間に読み終わります!
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