須森は信長に従属すると言う宣言をする。
その場にいる石井以下自衛官組や警察組はもちろん、その場にいた民間人は驚く。
いや・・・・・・・むしろ正解か・・・・・・
このまま従属しないで放浪するよりかは・・・・・・・・
須森の言葉に対し信長は・・・・
「よい許す・・・・・・存分にワシのために働かせるがいい。」
とあっさり了承してしまう。
一部拒否をして放置されるかもしれないと心配したが、了承した事により安堵する。
すると・・・・・・・
「よろしいのですか御屋形様?得体の知れぬ輩をそうやすやす信じて?何処ぞの国の大名の間者か服部党の手の者かもしれませぬぞ。」
「可成.....そう見えるか?こやつらは種子島を持っている・・・・・・何処の大名が見たことのない物をな・・・・服部党にこのような服装を持つ者はおらぬ・・・間者であればこの集団いや目立つ服装であるはずがない。」
「それは確かに・・・・・・そうですが・・・・」
家臣である森可成は簡単に得体の知れない石井達をそう簡単に信じていいのかと信長に申したが・・・・
信長は可成に石井達が持つ銃について語り、服部党や他国の大名の手の者ではないと語る。
可成を始め毛利良勝や服部一忠ら周りの家臣らは納得はしてないが、そこまで言うのであればとやむなく納得する。
だが
問題はこれだけではない・・・・・・・
100名以上を越すタイムスリップ組を駐屯させるための土地が必要になる。
他の領地に彼らを置けば食料問題が発生したりいろんな軋轢も生じる。
それに見たことのない集団を置けば必ず他国が察知する。
無論、同盟を画策しているこの前独立したばかりの松平三河守家康率いる松平家も・・・・・
「しかし領土はどうしますか?今の領土を与えるのは・・・・・・」
可成は良勝や一忠らと軽い協議をした上に再び申し上げる。
するとニッと笑いながら・・・・・
「それならば簡単じゃ・・・・・蟹江の地を奪えばいい。」
「蟹江?それは服部党の領土です、そこを与えるのは・・・・・・・・・」
「たわけ!!奪えばいい、服部党は桶狭間で義元の討ち死にで敗走し混乱が生じている・・・・美濃の龍興を攻めるまえに西方の安全を確保すればよい。」
信長は土地が無ければ蟹江を奪えばいいといい可成らを騒然とさせる。
蟹江城は服部友貞ら服部党が本拠地長島城の支城として治めており、今後伊勢進出を考えるならば奪取すべき地である。
それに滝川一益らが奪うべきだと言っていたので、この見られぬ者達を用いて攻略しようと考えた。
早急に攻略し武器を持つ者以外の職人を持って蟹江の地を開発。
美濃斎藤氏攻略のための後方拠点にしようと画策していた。
「須森とやら・・・・・」
「あ.はい・・・・」
「お主らを一益らの指揮下に入り攻略に加われ・・・・その後、蟹江の領地を与えようぞ。」
「ははぁぁぁ」
須森は信長の言葉を受けて腰の低い武士のようにかしこまる。
そしてファーストコンタクトから半刻後、タイムスリップ組は蟹江との国境線に駐屯した。
さっそく農家の面々は持ってきたサツマイモの苗やトマトなどを現地農民と協力して植え始める。
28名の農家ズの面々は黙っているだけだと不満と言っての行動らしい・・・・・・・・
タイムスリップ組の一角である警察関係者は周囲の警戒に当たる。
このあたりには夜盗が出るので襲撃される可能性があると言う。
警官だけではなく海上保安庁の隊員達や皇宮護衛官達も動員されている・・・・。
そして・・・自衛隊の武器や弾薬の入ったコンテナは織田家の兵を使って搬送。
大きな蔵があったのでそこに収納し、警備は普通科連隊所属の自衛官が担当する。
間者の侵入があるので警察力に限界があるので訓練された自衛官が警備する事が妥当だと。
陸海空の自衛官らは考えた。
他の面々は仮設の長屋に入居して一休みをしている。
そしてある程度、タイムスリップ組の駐屯地が完成する・・・・・・・
その夜・・・・・・
「でどうします須森さん。」
「民間人は蟹江城攻略戦には参加しませんが、俺達自衛隊は参加する事になりますよ。」
石井ら三尉以上の幹部自衛官組は須森に蟹江城の攻略について聞く。
滝川一益の指揮下に入り攻略戦に加わる。
参加するのはいいのだが、あんまり小銃は使いたくない・・・・
武器はあるが有限であり、補給が効かない・・・・・
それに織田軍に加われば激しい織田包囲網などの戦いに入るし・・・・
伊勢長島攻略戦にも参加する事になる・・・・・・
そうとなれば・・・・・・いずれは死者が出る・・・・・・
「そういきなり言われても・・・・・」
「須森さん・・・・・・何か具体的な案を・・・・・・・」
「・・・・・・・・日本地図を出せ愛知県西部のだ・・・・・・・」
須森は若干優柔不断な部分があり頼りない部分がある。
なんでも緊張しやすい性格であるとの事。
郡山駐屯地で付き合いの多い石井はその事をよく知っている。
これではらちがあかないので須森に指示を仰いだ・・・・・・・
【愛知県地図】
石井は自分のバックを偶然見つけ日本地図などが入っていた。
小屋に置いてあったが、須森の指示によりバックから取り出し持ってくる。
「現在我々が所在するのは大治か甚目寺ら辺です。御屋形様が指示した滝川殿の部隊が・・・・・我々の西方に控えています。」
三浦一等陸尉が石井が持ってきた日本地図を用いて作戦会議を開始する。
蟹江城は自分達がいる位置の南西に展開に所在する。
主力部隊である滝川隊は南下し蟹江城を攻略する・・・・・今回出撃する部隊はこれかではない。
「滝川隊が北東に展開し、鳴海城の佐久間隊が200名の部隊が東から攻めます。」
「佐久間?退きの佐久間の異名を持つ佐久間信盛か?」
「はい・・・・・・」
桶狭間の戦いで鳴海城を与えられた佐久間信盛と水野信元らが兵士を派遣。
総数は200名である。
彼らの任務は陽動部隊との事・・・・・
「しかし部隊の配置だけ見ても肝心の我々が・・・・」
「そうだな・・・・・・・・・」
「須森さん、進言しますが我々自衛隊は最前線だけで戦うのがモットーではありません。滝川隊や佐久間隊の後方支援する事です。後方の安全と補給路の確保が必要だと進言します。」
「後方支援か・・・・・・・・」
大体の織田家の蟹江城の攻略部隊図と配置図は分かったが・・・・
肝心の自衛隊運用が難航する。
それを見計らって石井が武器を使わずに比較的に住む後方支援を須森に進言する。
「後方支援は何を・・・・・・・・・」
後方支援をするのもいいが現代の軍事的常識の効かない戦国時代で何をするのか・・・・
悩むのは須森だけではない、この場にいる幹部自衛官はその事に悩む。
そんな時・・・・・・・・
「須森三佐。」
「どうした大森?」
「滝川様が・・・・・会いたいと・・・・・・・」
陸上自衛隊大森陸士が須森に一益が来る事を伝える。
今回の蟹江城の攻略部隊の最高指揮官・・・・・・織田家の有力家臣である一益が来る。
一体何をしにきたのだろうか?