家の気密性が高くなり
高性能化したことで起こる
気をつけなくてはいけない
屋根裏・天井裏での結露。
※冬型結露
※夏型結露
木造住宅での暮らすための環境を
健康に保つためには、
建物を湿気から守り、
木造躯体や
屋根・壁体内の断熱材を
いつもドライな状態に
保つことが重要となります。
※僕自身の家はもう25年以上前
20代の頃に建てたのですが
工務店の資質が足りずに
図面を読めない工務店だったために
いろいろな図面と
指示に対する
相違が多い家になってしまいました。
その失敗が、
今は工務店選定や仕事そのものに活きています。
話しは逸れましたが
近年では、
長期優良住宅や
低炭素住宅などの
申請時に「結露計算」が
必要となっていますが、
結露は屋根裏や
壁内に水分をもたらし、
木材や断熱材、
金属部分に深刻な
ダメージを与えてしまうため、
予め結露のリスクを評価し、
適切な対策を
講じることが不可欠となります。
そういった意味でも
建物の中でも特に
温度差が大きく
結露が起こりやすい、
屋根内の結露について
少し書いてみたいと思います。
屋根で内部結露が
起こる原因とその影響。
冬場、窓ガラスの表面などに
発生する「表面結露」に対し、
屋根裏や壁体内など
目に見えない
建物の構造内部で発生する
結露を「内部結露」と言います。
結露は屋外と室内の
温度差が大きい時、
湿気を含んだ
温かな空気が冷やされて
水蒸気が飽和しすることで
発生します。
屋根の場合、
夏場は太陽によって
あたためられた
高温多湿な屋根内の空気が、
エアコンや夜間の
温度低下で
冷やされることによって、
含みきれなくなった
水蒸気が水となり、
屋根内に内部結露を
引き起こします。
また、
冬場は暖房によって
温められた空気が
天井を抜けて
屋根裏に上昇し、
外気によって
冷やされた屋根の内部に
結露が発生してしまいます。
夏型結露の場合
冬型結露の場合
屋根の構造材が
濡れて腐食することで、
住宅の耐久性が低下し、
最悪の場合は
屋根材が台風などで
飛散する可能性もあります。
また、
断熱材も濡れてしまうことで
性能が低下し、
比較的快適な
温熱環境を
保てなくなってしまいます。
その様なことが
起こらないように、
屋根の内部結露を
未然に予防することが
とても重要となります。
内部結露を未然に防ぐ
屋根の「結露対策」。
屋根の結露計算。
設計段階で
建物の屋根や
屋根裏で発生する
結露のリスクを
評価するための計算方法で、
計算により結露が
どの部位で、
どの時期に、
どの程度発生するかを
予測することができます。
結露計算では、
建築エリアの
条件設定をした上で、
屋根内の構成部材の素材や厚み、
熱伝導率や
透湿抵抗(湿気の通りにくさを表す指標)に基づき、
屋根内外の温度と
水蒸気圧の差を求め、
水蒸気の移動を
シミュレーションします。
これにより
実際に壁内結露が
起こるかどうかを
判定する事ができます。
※あくまでもシミュレーションですので想定上の話しです。
下記の表のように、
境界面温度が
露点温度に達してしまうと、
壁内のその部分で
結露が発生するという
事になりますので、
結露が起こりにくいように
屋根構成部材の選定と
計画を行う必要があります。
※結露を示すグラフ
実際の環境では、
設定条件よりも
温度差の大きい日もあり、
気候変動だけではなく
気温や湿度が
1日の中でも大きく変動します。
そのため、
実際の環境により近い計画性と
屋根だけではなくて
家全体を構成する部材や
生活の中での温度設定など
ソフト面とハード面のバランスが大切。
屋根内や壁内結露が
出来る限り起こらないように
配慮をしていますが、
日々刻々と変化していく
自然環境や住環境の中で、
内部結露の発生を
完全に予測することは
難しいと言われています。
そのため、
万が一結露が発生した場合でも
建物の構造内部に含まれる
水蒸気を外部に排出できるように、
という配慮も計画に盛り込むことも
大事だと考えています。
屋根の場合ですが
具体的には
野地板と断熱層の間に
通気層を設け、
軒下に設置した
換気部材から取り込んだ空気が、
屋根上部に設けた
棟換気から
排出される仕組みなど。
当たり前の事なのですが
そういった部分というのは
配慮が抜け落ちるような
ケースも多いので
よく考えておくことが重要です。
空気は冷たい方から
温かい方に流れる
性質を持つため、
通り道が正しく確保できていれば、
温度差による
空気の流れが生まれて、
自然と棟換気や
その他の換気口から
湿気が外に
排出されていきます。
建築は一つの部材で
出来ている訳ではなく
様々な部材構成で
カタチや環境が構成されています。
一つの素材の性能や数値が
そのまま反映されるのでなくて
容積や構成される
素材や部材、
そして環境の集合値となります。
そこにソフト面とハード面で
起こる変化も含めて
環境のデザインも重要です。
数字だけを見るのではなくて
人の感覚も視野に
暮らしの環境を考える事を
大切にと思います。
窓の開け閉めから
暑がり寒がりという
温度認識の差も含めて
人が住む環境ですから。
どのような環境下で
暮らしをイメージしますか?
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