「どうにかしてくれる人」を求めている人の視点

その分野のことをあまり知らない人が
何か新しい技術や手法が華々しく
喧伝されてるのを見たり聞いたりすると、

これまでの困りごとがそれによって
一瞬で魔法のように解決されて、
何でもかんでも楽ちんにできてしまう
と思ってしまうことがあるのだろうと
思います。

技術や産業系の動画で、現場で研究
されている方たちの話を聞くと、
確かに素晴らしい画期的な技術も
生まれているけれど、

一方で、実際は世間で言われている
ようなものではなく、今の段階は
このくらいのことができる状態で、
一般に思われているのとはかなり
かけ離れている、ということが
あるようです。

それと同じことがヒーリングの世界でも
あるんじゃないかと私は思っていて、

何かセッションを一回受けたら
魔法のような力で今抱えている
苦しさや問題が一瞬で解決して
バラ色の人生になって、

以後はずっとハッピー一色で生きられる、
みたいに思っている方、いるような
気がします。

（私にコンタクトを取ってこられる方で
そういう方はごく稀ですが。。。）

業界的にも、イケイケな感じで
キラキラハッピーを謳っている方も
多いので、そう思わせるような
誘導をしていることも確かだろうと
思います。

けれど、私が考えている
自分との向き合い方や人生との対話は、
決してそういうものでは
ないんですね。

目先の問題が解決すればいい
ということではなくて、

そもそもその問題がなぜ
自分の人生に起こったのか？
という人生からの問いかけに
自分なりに応えていく中で、
とても深い気付きと変容が
起こっていく。

その結果、ものごとの捉え方、
自身の在り様が根底から変わって、
かつて自分が問題だと思っていたことは
もっと奥深い視野に導くための
メッセージだったと知るのです。

問題の解決のみにフォーカスして
先を急ぐ人は、その本質の問いかけを
見ようとしません。

そういう人は、大抵手法やメソッド、
この状況を「どうにかしてくれる人」
を求めていて、

自分で自身の人生の主体者になる
と言う意識は希薄です。

指摘されたとしても、
ピンとこないでしょう。

けれど、本当の問題は、
自身の人生の主体者になるという
意識が欠如したその在り方そのもの
なのです。

私たちは、無意識にも
本当は引き受けなければならない
自身の責任をしばしば他者に転嫁し、
依存しているし、

不当に誰かのエネルギーを奪い、
自身のエネルギーを差し出したりして
他者と不健全に絡み合っています。

こうしたところをどれだけ
クリアにし、健全に自身の人生に
地に足をつけて生きられるか、

という取り組みをするのが
自分に向き合うことの意義だと
私は思っています。

そして、それらが一朝一夕にできるか
と言われたら、どれだけ魔法のような
素晴らしい手法があったとしても、
それは無理だと思うのです。

私たちはしばしば見たくないものに
向き合う苦痛に圧倒されるし、
恐れを抱き、しり込みします。

そういう自分と一つ一つ対峙し、
責任を引き受ける心の力をつけていく
そのプロセス自体が、気付きと愛と
喜びそのものの歩みなのです。

結果だけ欲しい人は、
その果実を得ることもできないし、
意味も理解できないのです。

自ら歩んだ一歩一歩が
どれほど尊いものなのか、
実際に歩み、その果実を手にした者にしか
わかりません。

本当は、人生はそういう果実を
あなたに手にしてほしくて、
様々に問いかけているんですね。

そういうレベルで人生を見た時に、
世界はあなたにとって、これまでとは
大きく意味の違ったものに
なっているでしょう。

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