僕としては壮大な計画を立てました。
水上、栄、湯沢、津南、十日町、魚沼、南魚沼の広大な豪雪地帯を無雪期に廻る『スノーカントリートレイル』というものがあります。
あるというより、この2019年実に6年ぶりに再整備され、そのトレイルキャンペーンが催されるのです。
このトレイル、生まれ変わって今回は実に307kmに渡るというものです。
また、それは期限付きで11月いっぱいまでとだそうです。
参加にはハイカー証と呼ばれるステッカーを購入します。500円です。
費用はトレイルの経費として使われるということです。
まず、購入するにあたってみなかみ町の観光協会に電話してみました。
送付が可能かどうか尋ねることにしました。
すると、前例がないらしく、しばらく待って『大丈夫です』と言ってくれました。
話によると全線踏破には20日から1ヶ月ほどかかるということです。
しばらく悩んでいましたが、この7月からスタートするということを聞いて、いてもたってもいられなくなりました。
現金書留でたった500円を観光協会に送ります。一応返信用封筒を入れました。
すると、窓口に現金書留を出した日を入れて4日ほどでハイカー証が届きました。
きっと即時に対応したくれたんだと思います。
できればこの火曜水曜の連休に始められればいいなと思っていただけに、この到着は非常に嬉しかったです。
さらに、観光パンフレットまで大量に送っていただき、なかにはとても参考になるものもあって感激しました。
さてこのハイカー証、どのような働きをするのかというと、提示することで協賛施設で飲料水の補給やトイレ、利用料の割引が受けられるというものです。
このハイカー証と道標を重ねて写真を撮ることで踏破認定が受けられるのです。
しかも、これは今のところ今年限りの試験的なものだということです。
もしかしたら幻の踏破認定になるかもしれません。
つまり、今やらないと次は無いかもしれないのです。
あと一座に迫った関東百名山も、あと一県とちょっとになった関東ふれあいの道も投げ出して今年はこれにかけようと思いました。
なんとしても踏破したい⋯。
慌ただしく計画を立てます。
26枚にも渡る地図をダウンロードし、手描きでコースをGPSに落としていく地道な作業をおこない、わかりにくいところはGoogle mapと照らし合わせながら、さらに徒歩での距離とコースタイムも割り出しました。
さすがにすべてのコースタイムは弾き出せませんでしたが、次の休みまでに作戦を練り、コースタイムを捻出していく楽しみ(苦しみ?)もあります。
さあ、出発だ。
いつものようにギリギリになって用意を始める悪い癖が出て、出発は22時過ぎ。
雨の支度もあるし、気温のこともあるしでちょっと悩みましたが、結局関東ふれあいの道を歩いているのと同じような装備になりました。
山岳ステージになれば、きっといつもの登山の準備になるのでしょうね。
ナビにセットした到着時間は午前1時。
まあまあかな。
ところが運転してみると、やっぱり高速道路長いや⋯。
土合駅付近の無料駐車場を検索し、あちこちフラフラしたものの、結局土合駅の利用者用駐車場が利用できると判断してここに落ち着きました。
時刻は1時30分になろうとしています。
ふらふらして戻ってくると、なんとこの時間になってここに停めようとしている方がいました。
『あのーすみません、ここってどう停めたら良いのですか?』
ナンバーを見ると地元の方ではないですね。
『あ、地元の方ではない?』
『はい、でもここは無人駅だしどこに停めても大丈夫だと思いますよ。中でも寝れますし。今連れが中で寝てます』
ほぅベテランさんか。
見ると駅の待合室にテント張ってありました。こんなこと過去のものだと思っていましたが、現代にも受け継がれているんですね。
なんだかワイルドでちょっと微笑ましかったです。
禁じられてないのなら僕もやりたいな。
でもシュラフカバーまでかなー。
6時38分の始発に乗るために、目覚まし時計をいつものように3つかけました。
なぜ3つかって?
鳴らなかったことがあるからです。
時間を間違えていたり、スタートボタン(タイマー式ね)を押していなかったりと、まあいろいろやってます。
起床は何があるかわからないので一応5時30分にしておきました。
寒さで目覚めました。
そういえばパンツ一丁で寝袋に入ったんだっけ。
途中暑くなってチャックを開けたんだな?
下半身が風邪を引きそうでした。
もう一度寝袋に潜って睡眠の続きをします。
ところがさほど時間が経たないうちに目覚めました。
その瞬間目覚まし時計がけたたましく鳴るというタイミングの良さ。
お湯を沸かしてコーヒーでもと思いましたが、なんだか面倒になって昨夜の残りのコンビニコーヒー(ぬるコーヒーです。ぬる→ぬるい)滅多に食べないフィッシュバーガーを食べました。
山の時の朝食はいつも美味しくない。なぜだ。緊張しているのでしょうか⋯。
毎週毎週車で寝てるのにいまだにこうです。
トイレに行ってから駅の構内に入ると、昨日の方(けっこう若め)とテントで寝ていた方がいました。
テントの方は髭っていて見るからにワイルドでした。
軽く挨拶し、昨日のお礼を言います。
構内に入ると『日本一のモグラ駅』という言葉が目に入りました。
そうだった。ここは地獄行きの電車が来るホームに行くための500段に近い階段があるんだった。
降りて行きたかったけど、僕は上り方面の水上行き。モグラは下りなのです。
時間が気になるのでやめました。
ホームに出ると僕1人です。
間もなく電車が入って来ました。
ローカルなのにけっこういい車両だな。
あ、JRだもんな。
いや、ローカルなのはこの辺だけということなのかな?
車掌さんがいるようで、僕に切符を買うように言ってきます。
僕は整理券を取っていたので(バスみたいに)それを渡しました。
『どちらまで?』
『水上です(この電車では)』
『乗り換えはありませんか?』
『あ、ありますあります』
『それはどちらまで?』
『後閑(ごかん)です』
最初から後閑って言えよなぁ(笑)
そういえば、高速から降りる時も何を思ったか一般ゲートから出ようとしていたのです。
係員もいないし、何も不思議に思いませんでした。
『なんでピーって言わないんだ?バーも上がらないし』
するとインターホンから声がしました。
『お客様の入られたのは一般ゲートです。そのまま少しバックして点滅している所にETCカードを挿入して下さい』
そ、そうか、一般に入ったのか。
そこではじめて気が付きました。
初体験でした。
水上まで2駅乗って乗り換えです。
高崎行きに乗り換えるのですが、ホームがわからない。何となくみんな高架を渡って隣のホームに行くので、それについて行きました。
隣に止まっていた電車が乗るべき電車でした。乗った瞬間ドアが閉まり発車しました。
あぶねぇ〜。
降りるべき後閑駅まで2駅。
後閑駅のイメージは閑散としているという⋯。字が、字が悪いのだ。
ところが学生たちがガンガン降りるじゃないですか。面くらいました。
後閑駅からバスに乗り換えます。
こんな旅みたいなこともだいぶ慣れたな。
関東ふれあいの道のおかげでしょうね。
婆ちゃんがバス停に並びました。
ちょっと聞いてみます。
歯の抜けたような声で返事がありました。
すぐにバスが入って来ました。
ぐっと奥まで詰めて『あれ?どうやってバックするのかな?』と思った瞬間ターンテーブルのように地面が回転しました。
ありゃりゃすげー。
相当昔に一度見たことあるけど、こんなところにもあったか。
整理券を取って、座ろうとしましたが運転手さんに一応聞きました。
『逆桜(さかさざくら)には行きますか?』
『いきません』と冷たい返事が⋯。
『猿ヶ京行きに乗って下さい』
『わかりました、ありがとうございます』と言って前のドアを開けてもらい外に出ます。
参ったなぁ。
猿ヶ京行きって言ったって⋯。
時刻表を見ると、なんと2分後に猿ヶ京行きがあるじゃないですか。
そう思った瞬間、バスが入って来ました。
また回転してます。紐のようなものを引っ張っていました。スイッチですね。
もう一度整理券をとって、また運転手さんに聞きます。
『逆桜には行きますか?』
『行きますよ』
どっと安心感が溢れ出しました。
運転手さんは女性でした。かっこいい〜最近多いな⋯。
というわけで、バスの中で安心し切った僕はこのブログを打ち始めました。
途中のバス停は全く聞こえないぐらい没頭していました。なんてったって31駅も乗るんですからね。
ん?『次は逆桜〜』と聞こえたような⋯。
慌ててピンポン押します。
おっとー危っかしい奴だ俺って。
こうしてなんとか今日のスタート地点に辿り着いたという訳です。
その2へ続きます。
水上、栄、湯沢、津南、十日町、魚沼、南魚沼の広大な豪雪地帯を無雪期に廻る『スノーカントリートレイル』というものがあります。
あるというより、この2019年実に6年ぶりに再整備され、そのトレイルキャンペーンが催されるのです。
このトレイル、生まれ変わって今回は実に307kmに渡るというものです。
また、それは期限付きで11月いっぱいまでとだそうです。
参加にはハイカー証と呼ばれるステッカーを購入します。500円です。
費用はトレイルの経費として使われるということです。
まず、購入するにあたってみなかみ町の観光協会に電話してみました。
送付が可能かどうか尋ねることにしました。
すると、前例がないらしく、しばらく待って『大丈夫です』と言ってくれました。
話によると全線踏破には20日から1ヶ月ほどかかるということです。
しばらく悩んでいましたが、この7月からスタートするということを聞いて、いてもたってもいられなくなりました。
現金書留でたった500円を観光協会に送ります。一応返信用封筒を入れました。
すると、窓口に現金書留を出した日を入れて4日ほどでハイカー証が届きました。
きっと即時に対応したくれたんだと思います。
できればこの火曜水曜の連休に始められればいいなと思っていただけに、この到着は非常に嬉しかったです。
さらに、観光パンフレットまで大量に送っていただき、なかにはとても参考になるものもあって感激しました。
さてこのハイカー証、どのような働きをするのかというと、提示することで協賛施設で飲料水の補給やトイレ、利用料の割引が受けられるというものです。
このハイカー証と道標を重ねて写真を撮ることで踏破認定が受けられるのです。
しかも、これは今のところ今年限りの試験的なものだということです。
もしかしたら幻の踏破認定になるかもしれません。
つまり、今やらないと次は無いかもしれないのです。
あと一座に迫った関東百名山も、あと一県とちょっとになった関東ふれあいの道も投げ出して今年はこれにかけようと思いました。
なんとしても踏破したい⋯。
慌ただしく計画を立てます。
26枚にも渡る地図をダウンロードし、手描きでコースをGPSに落としていく地道な作業をおこない、わかりにくいところはGoogle mapと照らし合わせながら、さらに徒歩での距離とコースタイムも割り出しました。
さすがにすべてのコースタイムは弾き出せませんでしたが、次の休みまでに作戦を練り、コースタイムを捻出していく楽しみ(苦しみ?)もあります。
さあ、出発だ。
いつものようにギリギリになって用意を始める悪い癖が出て、出発は22時過ぎ。
雨の支度もあるし、気温のこともあるしでちょっと悩みましたが、結局関東ふれあいの道を歩いているのと同じような装備になりました。
山岳ステージになれば、きっといつもの登山の準備になるのでしょうね。
ナビにセットした到着時間は午前1時。
まあまあかな。
ところが運転してみると、やっぱり高速道路長いや⋯。
土合駅付近の無料駐車場を検索し、あちこちフラフラしたものの、結局土合駅の利用者用駐車場が利用できると判断してここに落ち着きました。
時刻は1時30分になろうとしています。
ふらふらして戻ってくると、なんとこの時間になってここに停めようとしている方がいました。
『あのーすみません、ここってどう停めたら良いのですか?』
ナンバーを見ると地元の方ではないですね。
『あ、地元の方ではない?』
『はい、でもここは無人駅だしどこに停めても大丈夫だと思いますよ。中でも寝れますし。今連れが中で寝てます』
ほぅベテランさんか。
見ると駅の待合室にテント張ってありました。こんなこと過去のものだと思っていましたが、現代にも受け継がれているんですね。
なんだかワイルドでちょっと微笑ましかったです。
禁じられてないのなら僕もやりたいな。
でもシュラフカバーまでかなー。
6時38分の始発に乗るために、目覚まし時計をいつものように3つかけました。
なぜ3つかって?
鳴らなかったことがあるからです。
時間を間違えていたり、スタートボタン(タイマー式ね)を押していなかったりと、まあいろいろやってます。
起床は何があるかわからないので一応5時30分にしておきました。
寒さで目覚めました。
そういえばパンツ一丁で寝袋に入ったんだっけ。
途中暑くなってチャックを開けたんだな?
下半身が風邪を引きそうでした。
もう一度寝袋に潜って睡眠の続きをします。
ところがさほど時間が経たないうちに目覚めました。
その瞬間目覚まし時計がけたたましく鳴るというタイミングの良さ。
お湯を沸かしてコーヒーでもと思いましたが、なんだか面倒になって昨夜の残りのコンビニコーヒー(ぬるコーヒーです。ぬる→ぬるい)滅多に食べないフィッシュバーガーを食べました。
山の時の朝食はいつも美味しくない。なぜだ。緊張しているのでしょうか⋯。
毎週毎週車で寝てるのにいまだにこうです。
トイレに行ってから駅の構内に入ると、昨日の方(けっこう若め)とテントで寝ていた方がいました。
テントの方は髭っていて見るからにワイルドでした。
軽く挨拶し、昨日のお礼を言います。
構内に入ると『日本一のモグラ駅』という言葉が目に入りました。
そうだった。ここは地獄行きの電車が来るホームに行くための500段に近い階段があるんだった。
降りて行きたかったけど、僕は上り方面の水上行き。モグラは下りなのです。
時間が気になるのでやめました。
ホームに出ると僕1人です。
間もなく電車が入って来ました。
ローカルなのにけっこういい車両だな。
あ、JRだもんな。
いや、ローカルなのはこの辺だけということなのかな?
車掌さんがいるようで、僕に切符を買うように言ってきます。
僕は整理券を取っていたので(バスみたいに)それを渡しました。
『どちらまで?』
『水上です(この電車では)』
『乗り換えはありませんか?』
『あ、ありますあります』
『それはどちらまで?』
『後閑(ごかん)です』
最初から後閑って言えよなぁ(笑)
そういえば、高速から降りる時も何を思ったか一般ゲートから出ようとしていたのです。
係員もいないし、何も不思議に思いませんでした。
『なんでピーって言わないんだ?バーも上がらないし』
するとインターホンから声がしました。
『お客様の入られたのは一般ゲートです。そのまま少しバックして点滅している所にETCカードを挿入して下さい』
そ、そうか、一般に入ったのか。
そこではじめて気が付きました。
初体験でした。
水上まで2駅乗って乗り換えです。
高崎行きに乗り換えるのですが、ホームがわからない。何となくみんな高架を渡って隣のホームに行くので、それについて行きました。
隣に止まっていた電車が乗るべき電車でした。乗った瞬間ドアが閉まり発車しました。
あぶねぇ〜。
降りるべき後閑駅まで2駅。
後閑駅のイメージは閑散としているという⋯。字が、字が悪いのだ。
ところが学生たちがガンガン降りるじゃないですか。面くらいました。
後閑駅からバスに乗り換えます。
こんな旅みたいなこともだいぶ慣れたな。
関東ふれあいの道のおかげでしょうね。
婆ちゃんがバス停に並びました。
ちょっと聞いてみます。
歯の抜けたような声で返事がありました。
すぐにバスが入って来ました。
ぐっと奥まで詰めて『あれ?どうやってバックするのかな?』と思った瞬間ターンテーブルのように地面が回転しました。
ありゃりゃすげー。
相当昔に一度見たことあるけど、こんなところにもあったか。
整理券を取って、座ろうとしましたが運転手さんに一応聞きました。
『逆桜(さかさざくら)には行きますか?』
『いきません』と冷たい返事が⋯。
『猿ヶ京行きに乗って下さい』
『わかりました、ありがとうございます』と言って前のドアを開けてもらい外に出ます。
参ったなぁ。
猿ヶ京行きって言ったって⋯。
時刻表を見ると、なんと2分後に猿ヶ京行きがあるじゃないですか。
そう思った瞬間、バスが入って来ました。
また回転してます。紐のようなものを引っ張っていました。スイッチですね。
もう一度整理券をとって、また運転手さんに聞きます。
『逆桜には行きますか?』
『行きますよ』
どっと安心感が溢れ出しました。
運転手さんは女性でした。かっこいい〜最近多いな⋯。
というわけで、バスの中で安心し切った僕はこのブログを打ち始めました。
途中のバス停は全く聞こえないぐらい没頭していました。なんてったって31駅も乗るんですからね。
ん?『次は逆桜〜』と聞こえたような⋯。
慌ててピンポン押します。
おっとー危っかしい奴だ俺って。
こうしてなんとか今日のスタート地点に辿り着いたという訳です。
その2へ続きます。