斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

水曜日の大学院講義

2013年05月02日 00時02分14秒 | 講義記録
昨日の水曜日は、月曜日授業日だったので、大学院の講義を行いました。水曜日の講義というのはピンとこなくて、しかも連休の谷間中の谷間。こういう日に講義を聞きに来た院生の皆さんは、立派です。

本日の小テストの問題です。図示した2次元規則配列において単位格子はどれになるでしょうかという問題でした。


2次元規則配列構造の対称操作には次のものがあります。
並進対称
鏡映対称
映進対称
回転対称

並進対称しかない規則配列構造は、もっとも対称性の低い構造です。鏡映対称と並進対称の組み合わせからなる規則配列は少し対称性が高くなります。ところで本日の課題で次のような図形がありました。


3本の映進線がありました。映進線があるということは、比較的高い対称性を持ちます。この2次元配列構造の中でもっとも高い対称操作はなんでしょうか?通常は3回回転操作以上なら対称性は他の操作に比べて高くなります。

なんども言いましたが、鹿と馬の違いは「見れば」わかります。しかし何が決定的に違うかひとことで言えないということは、区別がついているつもりでいるだけです。区別つかないのと50歩100歩というもの。物事には観点があります。観点は、決定的に異なる、あるいは同一であることを自信をもって他人に伝えるのに重要な考え方です。ぜひこの授業を通じて観点を見出すことのできるプロフェッショナルになってください。

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