無題
例えば、
ここでこのまま私が
信だとしても
驚かないで下さい。
慌てないでください。
あの日(震災)
別々のくらしが始まった時から
わたしには
覚悟ができています。
仮設に移ってきてから
二回目の冬がきて
一人暮らしは、
思っていたより
遙かに辛いものです。
灯りを消して
滑り込んだ布団の中で
訳もなく涙がこぼれたり
大声で叫ぶ苛立ちもある
それでも仮設住宅は
嫌なことばかりではなく
八十過ぎの
汚いばあさんに
優しく声をかけてくれる人がいたり
散歩に誘ってくれたりもする
カラオケが年がいもなく
楽しかったり
嬉しかったり
心が弾んで
臆病者のわたしが
身の上話をしたり
ここでのくらしも
満更でもなく
確かに先の見えない
不安がない訳ではないが
まぁ、こんなものかと・・・・。
例えばここで、
このまま死んだとしても
決して不幸だなどと
嘆かないで下さい。
力一杯に生きて来たのだし
これから先も
わたしの身の丈分の
がんばりで
しなやかに、したたかに
藁って生きて行くのだから
心配はいらない
笑顔は流行病いのようなもので
他人には直ぐ移るものだから
笑ってさえいれば
そのうち又、
わたしは戻ってくるよ。
案外と
八十過ぎの婆さんも
逞しいものさ
心配はいらない
(子供たちへのメッセージ)
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