6月の最終日曜日、梅雨らしい空模様の日に利用しました。11時10分頃にお店に到着すると外待ちの行列は11人。想定外の少なさに、これは予想よりも早くお目当ての品にありつけそうだとほくそ笑みましたが、入店は後続に10人が並ぶ12時10分に、注文の品が配膳されたのはさらにその20分後のことでした。尚、12時50分過ぎに退店する際でも18人に及ぶ行列が形成されていました。
メニューです。天丼の「イ」はキスとイカのかき揚げと海老二本と獅子唐、「ロ」は穴子とイカのかき揚げと海老一本と野菜二種、「ハ」は穴子と小海老のかき揚げと海老一本と旬の魚と野菜三種。好物のイカと名物の穴子、そして普段好んでは食べない海老が、名店ではどう調理されるのかを確認したく「ロ」を選びました。
その他、数量限定で河豚の白子の天麩羅があるとのことでそれもお願いしました。
卓上には七味唐辛子と醤油と割箸と楊枝。店内は座敷も含めて28席用意されているそうですが、実際に稼働しているのは20席程度に感じました。
席に着くとお茶と漬物が配膳されました。
お茶はこちらから頼まなくても店員さんが状況を見て直ぐに注いでくれました。また、お客さんの様子を観察し必要だと判断するとお冷も用意して下さいました。素晴らしい接客です。
浅漬けは胡瓜とキャベツ、薄めの味付けです。
最初に河豚の白子の天麩羅(1,000円)が運ばれてきました。塩で召し上がって下さいとのこと。
4cm程度の大きさのものが2つ。
天丼と一緒に食べ始めたかったのですが、せっかくなので冷めないうちに頂きましょう。
最初は何も付けずに。トロトロで今にも流れ出しそうな白子は、乳製品のようなクリーミーさで、ほんのりとした甘さと濃縮された旨味を覚えます。
塩を添えて。白子自体が純度の高い旨味を持つので塩すら不要かも。
少し遅れて、食欲をそそる胡麻油の香りと共に天丼「ロ」が配膳されました。
穴子と海老とイカのかき揚げと獅子唐と南瓜。衣は具材を平面的に膜のように覆うタイプではなく、立体的で所々が透ける位に薄め。
獅子唐。ピーマンのように肉厚でした。
南瓜。
ホクホクというよりも、しっとりとした種類で甘さもありました。
海老。
この美しい衣の付け方が職人技なのでしょう。
タレが染みても、サクッとしつつフワッともした食感と香ばしさを失いません。
プリッとしながらも、旨味が詰まっているのでしっとりとした肉質の海老。
穴子。
小骨が多く硬さにすら繋がる弾力を持ち淡泊な味、というのが私の穴子に対する印象だったのですが、小骨など見当たらずその身はふんわり。さらに脂ものって舌の上でとろけるよう。衣との食感の違いがより一層その魅力を引き出していました。
イカのかき揚げ。
厚く切られていてもスッと歯が入る軟らかさ、日によっては微塵切りにされたハス等の歯応えのある野菜が混ぜられるようですが、この時はイカ以外に使用されている食材には気が付きませんでした。
ごはんにもタレが良く染みています。プラス100円で大盛りにも出来るようですが、天麩羅を口に運ぶ箸が止まらずごはんが余ってしまいましたので、その必要はないかと。
硬めの炊き上がりで一粒一粒が立っています。七味唐辛子を添えて味に変化を。
タレは甘さも塩味も主張し過ぎず、ごはんや天麩羅が持つ特長を邪魔せず押し上げるような仕上がりになっていました。
15分程で完食。苦手な海老が美味しく感じられたのはさすが老舗の技かと。贅沢な時間を過ごさせて頂きました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます