グラン・トリノ [DVD]ワーナー・ホーム・ビデオこのアイテムの詳細を見る |
長年一筋で勤め上げたフォードの工場を引退し、妻にも先立たれた孤独な老人ウォルト・コワルスキー。いまや、彼の暮らす住宅街に昔馴染みは一人もおらず、朝鮮戦争帰還兵の彼が嫌ってやまないアジア人をはじめ外国人であふれる通りを目にしては苦虫をかみつぶし、亡き妻に頼まれたと、しつこく懺悔を勧めてくる若造神父にも悪態をついては追い返す日々。自宅をきれいに手入れしながら、愛犬デイジーと72年製フォード車グラン・トリノを心の友に、お迎えが来るのをただじっと待つ退屈な余生を送っていた。
DVD ★★★★
フォードに勤めてた主人公、そして1972年型の「グラン・トリノ」ってことは、日本で置き換えたら、トヨタ2000GTとまではいかなくても日産スカイラインGTRって感じなんだろうか?そりゃ当時の箱スカGTRであれだけ綺麗な状態ならたまらないよね(笑)
それにしてもお話はもう使い古されたお話で、なんの真新しさもないんだけど、どうしてこんなに素晴らしいんだろう。ひとえにこれが最後の俳優業としたイーストウッドの魅力と才能に尽きるわけなんですが、ここで私が陳腐な文章を書くよりも、80代になる現在が一番彼の人生で凄いって言うのも、ほとんど奇跡的です。
確かに表向きは「人種差別主義者」には見えるんだけど、これらの言動は彼独特の「テレ」であることは観ているうちに気がつきますし、そういった彼のキャラクターは「イタ公散髪屋」や「童貞神父」にも愛されているわけです。もちろん彼のことを一番理解できていないのは実の子供達であって、これは悲しいけれど私達もそうなんですね。分かっててもそれを本人に認めたくないのが親子関係って感じです。
余命いくばくもない主人公が命をはって自分の仕事をなしえる・・・黒澤監督の「生きる」を思い出しました。そしてイーストウッド自身の「役者」としての仕事もこの映画の主人公のように幕を引くべきだと思います。もちろんもっと彼の訳者としての仕事を観たいんですが、こんな素晴らしい幕引きの映画を見せてくれたわけですから。
俳優としては最後かも?ってことですが、
もったいないという気持ちと、
これが最後ならイーストウッドのキャリアを
締めくくる最高の映画なのかもなと思ったり、
もうすぐまた彼の監督作品が公開になりますし、
そちらも楽しみですね。
役者としての彼は「ミリオンダラーベイビー」も凄くよかったけど、この「グラントリノ」の方が凄かったです。眉間のしわと背中で十分演技してたし、なんといってもこの主人公そのものになりきっていました。
今まで彼は「リタイア老人」って役がほとんどなかったんだけど、俳優業をこの映画で締めてくれたら最高です。もちろんまだまだ観たいけどね。
イーストウッド自体はけっこうお茶目で気取らない巨匠だと思うけれど
この主人公とも重なって
やっぱり長い年月をかけた努力というのは
価値あるものなのだと感じました。
今なお精力的に監督業を続けているのがうれしいですし
できれば俳優業もまたやってほしいです。
とは言いませんが
ものすごく自然体。
演技してないような演技であのオーラなんで
それはもう、役と一体化してるというより
彼自身の内面、人生そのものがスクリーンににじみ出てるのかもしれませんね。
監督としての彼の名前も実力も
洋画をあまり見ない私でさえ認識するところまで来ても
役者としてのイーストウッドまだまだ見たいです。
劇場公開時に見とけばよかったと思った今年の一本でした。
来年50代になる私にとっては、イーストウッドってやはり「マカロニウエスタン」と「ダーティハリー」なのね。確かにかっこよかったけど、40代50代の彼からは今みたいな姿は想像もできなかった。ギリで1960年代の「ローハイド」も知ってるけど(笑)
で、監督業も実は40年近くの歴史があるのね。
しかし、この10年、もしくはこの5年の彼の監督&俳優の仕事はホントすさまじいです。
★Agehaちゃん
幸いなことに彼の出演作、監督作はほとんどがソフト化されているので、1970年代80年代の彼の仕事も楽しむことが出来るよね。
あまりにも莫大な量だけど(笑)
この「グラン・トリノ」では枯れたいい味を出してるけど、10数年前の「マディソン郡」ではもうすでに60代半ばだったけど、メチャ色気があるし(笑)
シウはクリントイーストウッドの写真集を持ってました。
同級生にはおじさんじゃん?って言われ続けたけど
ジェームズディーンに続く
シウのあこがれの人だった!
ダーティハリーの
「行けよ。俺に撃たせてくれ。」っていうシーン、
忘れられません!
一貫して頑固おやじですよね~
監督第一作目の恐怖のメロディもものすごく印象に残ってます。
ずっとずっと生きてて活躍しててほしい!