サクリファイス近藤 史恵新潮社このアイテムの詳細を見る |
【一口紹介】
◆出版社/著者からの内容紹介◆
ただ、あの人を勝たせるために走る。それが、僕のすべてだ。
勝つことを義務づけられた〈エース〉と、それをサポートする〈アシスト〉が、冷酷に分担された世界、自転車ロードレース。
初めて抜擢された海外遠征で、僕は思いも寄らない悲劇に遭遇する。
それは、単なる事故のはずだった――。
二転三転する〈真相〉、リフレインの度に重きを増すテーマ、押し寄せる感動! 青春ミステリの逸品。
◆著者◆
1969年大阪生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒。1993年、『凍える島』で、第四回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。
複雑な女性心理を描く細やかな筆致に定評があり、『ねむりねずみ』『桜姫』『二人道成寺』など、歌舞伎を題材にしたシリーズで知られる。
他著に、『にわか大根』『ふたつめの月』『モップの魔女は呪文を知ってる』などがある。
【読んだ理由】
いわゆるベストセラー
【印象に残った一行】
ひとりで走っているわけではない。彼がそう言いきったところをぼくは見た。
それを聞いて理解した。そんなふうに考えていたからこそ、彼はときに冷酷なほど勝利に固執した。
自らの足下に累々と積み重ねられたアシストたちの犠牲を、わずかでも無駄にしないために、それが、彼の勝利への意志でもあり、彼の強さでもあった。
【コメント】
自転車ロードレースの小説ははじめてだ。
ミステリーの要素が練り込まれており、一気に読ませる。