日本男道記

ある日本男子の生き様

「阿武松(おおのまつ)」

2008年11月23日 | 私の好きな落語
【まくら】
親方の出世名をもらい、文化十二年(1815)十二月、麹町報恩寺の相撲で、序の口、裾から十四枚目に小緑常吉で登場すると、百日経たないのに番付を六十何枚飛び越えるという異例の出世。文政五年(1822)に蔵前八幡の大相撲で入幕し、小緑改め小柳長吉。初日から三連勝し、四日目の相手がかっての師匠武隈で、この立会いが長州公の目に留まり、阿部松緑之助と改名して六代目の横綱を張る、出世力士の一席。

【あらすじ】
能登の国鳳至群七海村から江戸へ相撲取りを目指して出てきた長吉が、観世新道の武隈(たけくま)文右衛門に弟子入りし小車と言うしこ名を貰う。
たが、大飯ぐらいで破門になり、国に帰る道中、戸田の渡しで身を投げようと思った。貰った1分の金を生かすつもりで板橋の平尾宿へ戻り、橘屋善兵衛の旅籠に投宿する。
今生の食い納めと食うわ食うわ、余りにも食いっぷりが良いので善右衛門が覗きに行き、事情を聞き、同情して新しい親方を紹介すると言う。
翌朝出かける。巣鴨の庚申塚を抜け、本郷追分けを通り、根津七軒町の親方、錣(しころ)山喜平次の所に改めて入門し、錣山の出世名・小緑のしこ名を貰う。毎年お米も贈ると言ったが、親方は食べるのも仕事の一つだから、いらないと言う。その代わり、出世したら化粧まわしなどを贈って、贔屓にして、やってください、と暖かい言葉と、稽古が始まった。
驚くほど早い出世で、入幕して小柳長吉と改名。文政五年、蔵前八幡の大相撲で元の師匠武隈とのわりが出て、おまんまの敵と対峙。この取り組みが、長州侯の目にとまり阿武松と改名、六代目の名横綱になった。

出典:落語の舞台を歩く

【オチ・サゲ】
人情噺でオチはない。

【噺の中の川柳・譬(たとえ)】
『わしが国さで見せたいものは、昔谷風いま伊達模様』

【語句豆辞典】
【板橋宿】品川、千住、内藤新宿の江戸四宿のひとつで、中山道の最初の宿場。JR板橋駅を降り、JRと交差する旧中山道を左(西北)の方に行くと、広い国道17号線・今の中山道をまたぎ、王子新道に出る。
【戸田の渡し】身を投げようと思っていた「戸田の渡し」は、戸田川(荒川)を渡るための渡し。板橋区舟渡(ふなと)と対岸の埼玉県戸田市川岸(かわぎし)の間を繋いだ。両岸の町名を見ると、なるほどと思わせる。

【この噺を得意とした落語家】
・六代目 三遊亭圓生

【落語豆知識】
【二軒バネ】一人の真打が二軒の寄席のトリをつとめること。人気のある証明。
 



Daily Vocabulary(2008/11/23)

2008年11月23日 | Daily Vocabulary
6661.people in all walks of life(あらゆる階層の人々、社会の各方面の人々)
Civic planning shuld take account of people in all walks of life.
6662.pun(駄じゃれ、語呂合わせ)
That's an elaborate pun.
6663.urban renewal(都市の再生)
Is there a consensus on urban renewal in small cities?
6664.cherish(~を大事にする、大切にする)
My long-cherished dream finally came true.
6665.preserve(~を保つ、保存する)
They might want to preserve antiquated wood benches under familiar shade trees.
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