原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

還暦を迎えた頃、私はキラキラ輝いていた!

2021年07月22日 | 自己実現
 (冒頭写真は、還暦よりも少し後60代前半期に音楽スタジオにて自撮りした写真。 左プロフィール欄の写真として掲載していたため、ご記憶の読者の方もいらっしゃるだろう。)


 まさに私が還暦を迎えた今から遡ること5年程前に、私は大都会東京のターミナル駅前繁華街にて、“シニア女優”にスカウトされた経験がある。

 その時の様子を綴り公開した 2016.04.27付「大都会繁華街で『女優になりませんか?』とスカウトされたらどうする?」 と題するバックナンバーの一部を以下に引用させて頂こう。

 その日、義母財産管理関連の所用があり外出した。
 大都会ターミナル駅から程近い区役所へ行った帰り道、老若男女で大混雑する駅前のメインストリートを人混みをかき分けつつ足早に歩いていた。
 そんな私に、後ろから声を掛けながら付いて来る男性がいる。
 どうせろくでもないキャッチセールスだろうと思いつつ、無視を決め込もうとしたところ、
 「綺麗な方ですね。 少しお話よろしいでしょうか?」
 (ん?? 綺麗だと? 年寄り捕まえてよくぞそこまで言ったものだ)と呆れつつ、「とんでもございません。」と手短に返しつつ足早に歩き続けていると、
 男性も同じスピードで付いて来て、「綺麗な方なのでどうしてもお話させて頂きたいのですが、女優になる気はありませんか?」
 (こりゃまた、大それたキャッチセールスだな!)とびっくりポンを決め込む私に、自分の名刺とパンフレットを手渡す。
 「女優の適性はございませんので。」ときっぱりとお断りするのだが、相手もひるまない。 
 「我が社では40代50代の女性も活躍しています。 是非、ご家族とも相談されて女優のオーディション面談を受けて頂けませんでしょうか?」
 (要するに、私が40代か50代に見えたのね。 あまり嬉しくもないなあ~~。)  
 (いやはや、若き頃には原宿や新宿辺りで同様のスカウトを何度か経験しているが…  ただ、確かに端役の女優とはこうやって街ででも素人をスカウトした方が、芸能プロダクション側としてはお安く使えるのだろうし…  小遣い稼ぎ程度の軽ノリで、オーディションだけでも受けてみるのも悪くはないかも。)
 などと不謹慎にも考えつつ、「どうしても、苗字と電話番号だけを伺っておきたい」との営業担当男性の要求に沿って、苗字と家の固定電話番号を教えた。 後日私の意向を再確認するため連絡すると言う。

 家に帰りつき、上記のびっくりポン出来事を亭主に話すと。
 「ああ、今時端役のシニア女優がどこも品薄のようだとテレビでもやっていたよ。 面白半分でオーディションへ行ってみたら」とあっけらかんとしている。
 そうは言われても、と思いつつ、一点気になる事がある。
 つい先だっても街を歩いていて、社交ダンスクラブ入門をスカウトされた。 その時貰ったパンフレットを元に後にネットにて検索すると、随分と破格高額の授業料がかかるようだ。 やはり社交ダンスとは、上流社会の貴婦人でないと嗜めないよなあ、と諦めた。
 同様に、もしかしたら端役出演ギャラより、事前のレッスン料が高額かもしれないとも憶測した。
 と言うのも、我が娘を小さい頃に児童劇団に入れていた時期があるのだ。 その時の入所条件を思い出した。 必ず端役子役として何らかの番組に一度は出演させるもらえるが、そのためには劇団のレッスンを受ける事が必要条件だった。 娘の場合は「演技」「歌唱」「ダンス」指導を強制されたが、同時進行で習っていた「クラシックバレエ」に比し、「ダンス」指導が如何にも中途半端だ。 「演技」「歌唱」も同様だったが。 それでも、我が子をテレビ出演させたいとの意向が強靭だった家庭は、その劇団の条件に従ったようだ。
 我が家の場合は、あくまでもサリバンの立場で娘の教育指導対策の一環として劇団を経験させるのが目的だったため、結局1年間で児童劇団は退会させ、「クラシックバレエ」の続行を選択した。

 我が身に照らすと、今回の事例もやはり事務所より何らかの事前レッスンを要求され、そのレッスン料収入を当てにしている事も十分に考えられる。 まあ、下手なりに「ダンス」も「歌」も趣味の私だから、レッスン料が安価ならばそれを経験しても無駄にはならないかもしれないが…
 
 元々“遊び心”旺盛な原左都子としては、とにかく何事も経験だ。
 昨日貰ったパンフレットで早速当該事務所の情報収集作業も実施したところ、都心に実在している事には間違いないし、大物俳優等は所属していないものの、ある程度名の通った俳優や歌手等が活躍している事務所の様子だ。
 ただ、原左都子の感想としては、若き時代にこの種のキャッチセールスを受けるよりも、今の年代になってのサプライズの方がよほどインパクトがある事は歴然だ。

 まあ還暦過ぎた身にして、娘のサリバン業や義母や実母の介護保証人業にばかり明け暮れるより、たまには羽目を外して遊んでみるのもよかろうか??

 (以上、2016春バックナンバーより一部を引用したもの。)


 この話の後日談を、少しだけ語っておこう。

 スカウトのすぐ後にスカウト担当者より電話が入り、「とにかく芸能事務所まで来てください」とのことで、私は指定日に事務所へ出かけた。
 そうしたところ、すぐさま面談と写真撮影があり登録が完了した。 
 確かに仕事は山程あって、その連絡が携帯電話に日々何本も届くのだが… その内容が、サプリだの基礎化粧品だのCM撮影等がほとんど。 我が過去の経験に照らし、そんなことを還暦過ぎてやって何かのプラスになるのかと首を傾げつつも、一度だけそのオーディションに行ってみたら。 面接会場からして何だかヤクザもどきというのか雰囲気が悪く、「これ、私がわざわざやることじゃない」、とすぐさま悟り芸能事務所は退所に至った。 それにより特段の損失は何ら発生していない。

 まあ、世の中とはそんなものだろう。 (いや、そこで頑張っている高齢女性はもちろん存在する。ただ使い捨て状態であろうことは見て取れた。 それぞ、ご本人の自由意思で実行すればよいとの話であろう。)



 最後に我が還暦祝いに自分で作成したフォトブックより、少し写真を披露しておこう。
 これは私本人の意思と立案により、私自身が作成したものだ。 ちょうど還暦直前期に作成したため、まさに我が還暦頃の写真集である。

         

         

         

 私自身が見直してみても、皺の一つもなくミニスカにも耐えられる体型でもあるとの評価が可能だ。


 では何故、私は還暦期にこのような写真の記録が残せる程に充実してキラキラ輝けたのであろうか?

 それを振り返るに、ちょうど我が還暦と娘の大学卒業・社会進出期が重なった故と結論付ける。 
 発達障害を抱えてこの世に誕生せざるを得なかった娘のサリバンとして私は全力投球し、半生を捧げてきたとも表現可能だ。 
 その娘がこの年の春立派に大学を卒業し、正社員としての企業入社を娘自身が自力でゲットし無事に入社を遂げてくれた。

 そんな我が心の余裕が、私にキラキラ輝く還暦を迎えさせてくれたのであることに間違いない。