さて、前回から連載している「新・硬貨インシュレーターの実力」では、
インシュレーターとは?効果・意味とは?という基本的なところから話をしてきました。
今回も、インシュレーターの効能について、書いていこうと思います。
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そもそも、インシュレーターという言葉自体は、
英語の「insulation」、つまり「隔離、絶縁、遮断」という意味から来ていると思われます。
その名の通り、基本的な効果の狙いとしては、
「振動の遮断」にあります。
スピーカーを設置する床などは、スピーカーから出た音波により
絶えず振動をしています。
この外的振動が、スピーカーに流れ込んでしまうと、
繊細な振動(音)を扱うスピーカーの動作、音色を妨げてしまうと考えられます。
そこで、インシュレーターの出番です。
振動を吸収するインシュレーターは、床からの振動をシャットアウトします!!
スピーカーが理想通りの動作ができる、悪影響のない状況を作り出してくれるのです。(イラスト左)
さらに、振動を吸収するインシュレーターは、
スピーカー本体の不要な振動を吸収したり、それが床などに伝達し有害な輻射音とならないよう振動を遮断する効果もあります。(イラスト右)
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というのが、インシュレーターの古典的な考え方です。
確かに、インシュレーター本来の意味からすれば、
「いかに振動を吸収・絶縁するか(=制振)」に焦点が置かれる、というのは間違っていないでしょう。
その結果、「ブチルゴム」「ソルボセイン」といったゴム系材料が重宝され、
レコードのアームに巻き付ける…といった使い方も提案されました。
その一方で、「強すぎる制振は、音楽のニュアンスを失うのではないか?」という考え方が、新しく生まれてきました。
振動を抑える「制振」ではなく、
振動を調和させる「整振」。
この考え方は、「(強すぎる制振は)不要な振動と、音楽に内在する振動を区別なく吸収してしまうのではないか?」といった観点に基づくことが多く、
インシュレーターとして使用する素材には、(ゴム系より制振効果が少ない)木材や金属系材料が使われることが一般的です。
これらはゴム系と比べて、素材固有の音色が強く、制振効果が弱い場合もありますが、
「いかに速く不要振動を逃がし」「外的振動を拾わず」、場合によっては「魅力的な音色を付加できるか」といったことを念頭に、日々素材・構造の両面から検討が行われています。
もちろん、「制振」がダメで「整振」が良いという訳ではありません。
強力に振動を吸収するゴム系素材は、非常に大きな武器になりますし、制振アイテムをどこにどの程度使用するかはユーザーの腕の見せ所だとも言えます。要は適材適所ということですね。
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さて、話を硬貨インシュレーターに戻しましょう。
硬貨は、金属(アルミ、銅、真鍮)でできていますので、
分類としては、「整振」タイプの効能を期待することになります。
しかしながら、硬貨はあくまでも硬貨。
メーカー製のインシュレーターのように、先端素材や音響用の機構を有している訳ではありません。
それゆえに、「硬貨インシュレーターでは効果がなく、メーカー製を選ぶべき」という考え方もあるようです。
しかし、私は硬貨インシュレーターも十分に魅力的である!!と考えています。
次の例はどうでしょうか。
塩と、秘伝のたれ。
秘伝のたれは、焼き肉屋の店主が何代にも渡って改良を重ねてきたもののようです。
これを焼肉にかけたら、さぞかし美味なのは言うまでもないでしょう。
おまけに、この店ならではの歴史や風格を感じられる味わいなので、非の打ち所がありません。
では、塩で食べる焼肉はイマイチなのか?
そんな事はないでしょう。
シンプルな塩だからこその旨味があり、素の肉の風味を何倍にも引き立ててくれます。
さらに言えば、秘伝のたれ のような開発費、ブランドがない分、
ずっと手軽に試すことができるのもポイントだと思います。
硬貨インシュレーターも、私が聴く限りは十分な効果がありました。
紹介したように、メーカー製&硬貨の双方に良い所があるので、
それぞれの拘り、考え方に応じて、インシュレーターを選択し、楽しんでみて欲しいと願っています。
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長大な序章がようやく終わりました。
硬貨インシュレーターの話は、まだまだ続きます(笑)
インシュレーターとは?効果・意味とは?という基本的なところから話をしてきました。
今回も、インシュレーターの効能について、書いていこうと思います。
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そもそも、インシュレーターという言葉自体は、
英語の「insulation」、つまり「隔離、絶縁、遮断」という意味から来ていると思われます。
その名の通り、基本的な効果の狙いとしては、
「振動の遮断」にあります。
スピーカーを設置する床などは、スピーカーから出た音波により
絶えず振動をしています。
この外的振動が、スピーカーに流れ込んでしまうと、
繊細な振動(音)を扱うスピーカーの動作、音色を妨げてしまうと考えられます。
そこで、インシュレーターの出番です。
振動を吸収するインシュレーターは、床からの振動をシャットアウトします!!
スピーカーが理想通りの動作ができる、悪影響のない状況を作り出してくれるのです。(イラスト左)
さらに、振動を吸収するインシュレーターは、
スピーカー本体の不要な振動を吸収したり、それが床などに伝達し有害な輻射音とならないよう振動を遮断する効果もあります。(イラスト右)
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というのが、インシュレーターの古典的な考え方です。
確かに、インシュレーター本来の意味からすれば、
「いかに振動を吸収・絶縁するか(=制振)」に焦点が置かれる、というのは間違っていないでしょう。
その結果、「ブチルゴム」「ソルボセイン」といったゴム系材料が重宝され、
レコードのアームに巻き付ける…といった使い方も提案されました。
その一方で、「強すぎる制振は、音楽のニュアンスを失うのではないか?」という考え方が、新しく生まれてきました。
振動を抑える「制振」ではなく、
振動を調和させる「整振」。
この考え方は、「(強すぎる制振は)不要な振動と、音楽に内在する振動を区別なく吸収してしまうのではないか?」といった観点に基づくことが多く、
インシュレーターとして使用する素材には、(ゴム系より制振効果が少ない)木材や金属系材料が使われることが一般的です。
これらはゴム系と比べて、素材固有の音色が強く、制振効果が弱い場合もありますが、
「いかに速く不要振動を逃がし」「外的振動を拾わず」、場合によっては「魅力的な音色を付加できるか」といったことを念頭に、日々素材・構造の両面から検討が行われています。
もちろん、「制振」がダメで「整振」が良いという訳ではありません。
強力に振動を吸収するゴム系素材は、非常に大きな武器になりますし、制振アイテムをどこにどの程度使用するかはユーザーの腕の見せ所だとも言えます。要は適材適所ということですね。
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さて、話を硬貨インシュレーターに戻しましょう。
硬貨は、金属(アルミ、銅、真鍮)でできていますので、
分類としては、「整振」タイプの効能を期待することになります。
しかしながら、硬貨はあくまでも硬貨。
メーカー製のインシュレーターのように、先端素材や音響用の機構を有している訳ではありません。
それゆえに、「硬貨インシュレーターでは効果がなく、メーカー製を選ぶべき」という考え方もあるようです。
しかし、私は硬貨インシュレーターも十分に魅力的である!!と考えています。
次の例はどうでしょうか。
塩と、秘伝のたれ。
秘伝のたれは、焼き肉屋の店主が何代にも渡って改良を重ねてきたもののようです。
これを焼肉にかけたら、さぞかし美味なのは言うまでもないでしょう。
おまけに、この店ならではの歴史や風格を感じられる味わいなので、非の打ち所がありません。
では、塩で食べる焼肉はイマイチなのか?
そんな事はないでしょう。
シンプルな塩だからこその旨味があり、素の肉の風味を何倍にも引き立ててくれます。
さらに言えば、秘伝のたれ のような開発費、ブランドがない分、
ずっと手軽に試すことができるのもポイントだと思います。
硬貨インシュレーターも、私が聴く限りは十分な効果がありました。
紹介したように、メーカー製&硬貨の双方に良い所があるので、
それぞれの拘り、考え方に応じて、インシュレーターを選択し、楽しんでみて欲しいと願っています。
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長大な序章がようやく終わりました。
硬貨インシュレーターの話は、まだまだ続きます(笑)
コメントありがとうございます。
インシュレーターも狙いによって様々な考え方がありますよね。 たしかに、振動伝搬や共振を考えると、インピーダンスマッチングのような考え方もできそうですね。
これからも入門向けな内容となりますが、ぜひお付き合い頂けると嬉しいです。(^ ^;)
スピーカーを設置するとその接触する箇所で「共振」や「位相の急激な変化」がある周波数で起きてしまいます。それをできるだけ起きないように設置するものと考えるようになりました。 これはアナログでターンテーブルシートやアーム、カートリッジと同じ考え方ですね。 はたまた、アンプの周波数特性(ゲインと位相)の考え方とも言えます。