オーディフィル公式ブログ (趣味の小部屋)

スピーカー工房「オーディフィル(AudiFill)」の公式ブログ。
リアルで心地よい音の【ひのきスピーカー】を製作中。

オーディオルームの散音について。

2008年05月16日 23時51分18秒 | オーディオ
私は基本散音メインでルームアコースティックを調整します。
吸音も綿密な定位感など利点が多いのですが、好みとして「音が溢れ出てくる感じ」が欲しいので、やはり散音メインになってしまいますね。

ただ、散音も闇雲にやればよいという訳ではなさそうで、少なくとも
「フラッターエコーを抑える」
「SPに近い場所に反射物を置かない」
「反射物は(不要な)固有音を発生しない事」
というのを守る必要があるようです。

フラッターエコーは、並行面があると発生しやすいものなのですが、これが発生していると音の透明度の低下を招いてしまいます。
吸音材での対処は散音に逆行するのでやりたくないですし、簾などの乱反射性のものですと目的以外の反射音が生じてしまいます。
結局、斜めにした平面板等が理想ですね。角度は5度位でも十分だそうです。
ただ、現実的には乱反射or吸音素材で解消させる事も多くなると思います。


二つ目の「SPに近い場所に反射物を置かない」というのは、直接音と比較してさほど遅れの無い反射音があると、直接音と混在してしまい悪影響があるからです。これは、定位の不明瞭さ等に現れてしまいます。
具体的にどれだけの距離があれば良いのかというのは難しいのですが、少なくとも[画像]や現実問題から考えると約2ms以下の時間差は危険であり、直接音経路と反射音経路の差が70cm以下という事態は避けたいものです。
このポイントを守って散音することで、むしろ定位・奥行き表現は改善方向になることを確認済みです。
万一、壁にSPが接近している場合は、一次反射ポイントに部分的な吸音処理を行います。


三つ目は、やはり散音材も固有音放射体となりうるということ。散音材としての選択基準は、『指で弾いた時の音』が目立たないものが目安のようです。
ただ、これも微妙で、平面ビニール系(ゴミ袋等)の固有音はダメでも、発泡スチロールは意外と好ましい響きだったり…と、トライアンドエラーで探すしかなさそうです。
固有音が少なく、かつ適度に良質な固有音を持つ散音材として理想的な素材は、無垢木材です。厳密には塗装もNGだとか。



少ないながらも、私が持っている散音ノウハウはこんな感じでしょうか。
もちろん、これから色々トラアンドエラーをしていく予定なので、一年後には全く別の事を言ってるかもしれませんw



[参考]
音楽ノ友社 ステレオ2004年6月号 P210

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