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気ままに生活してるシニアの残日録

明治座 十一月花形歌舞伎(昼の部)を観劇

2024年11月30日 | 歌舞伎

今月は明治座 十一月花形歌舞伎(昼の部)を観劇した、3階の右側の席で3,000円、座席前の手すりが視線に入って見にくかった、明治座は初めてだからよく見える席がわからなかった、11時開演、15時20分終演、ほぼ満席だった

この日は2階席のほぼ全部を貸し切り、東京のある名のとおった女子高の生徒たちが観劇に来ていた、良家の子女という感じの賢そうなお嬢さん方で観劇マナーもよかった、高校生に日本の伝統芸能を鑑賞させるのは良いことでしょう、また、今日の演目も学生の鑑賞に適したものだと思った

『車引』(菅原伝授手習鑑)、30分

松王丸/坂東彦三郎(1976、音羽屋、楽善の息子、亀蔵は実弟)
梅王丸/中村橋之助(1995、成駒屋、芝翫長男)
桜丸/中村鶴松
藤原時平/坂東楽善(1943、音羽屋)

梅王丸、松王丸、桜丸は三兄弟、実在しない人物、松王丸は藤原時平、梅王丸は右大臣菅丞相(菅原道真)の牛飼い舎人、桜丸は斎世親王の家来。時平はある出来事をきっかけに、菅丞相を陥れて流罪にしたため三つ子は、松王丸(時平側)×梅王丸・桜丸(道真・斎世親王側)と図らずも敵対関係になってしまう

京都の吉田神社の近くで梅王丸と桜丸が遭遇し、お互いの立場を嘆きあっているところに時平が牛車で参詣に訪れる、梅王丸と桜丸は参詣を妨害して文句を言うと、松王丸も出てきて兄弟三人で争いになり牛車を引き合う、何か言ったりやるたびに見得を切り、見得の切りあいに、最後に時平が登場して梅王丸と桜丸は逃げ出して終わり

歌舞伎の様式美、衣装の派手さ華やかさ、退場時の飛び六法というところが見どころ

(感想)

梨園の血統のない鶴松が活躍しているのがうれしい、演目はそれなりに楽しめた

『一本刀土俵入』、1時間半

駒形茂兵衛/中村勘九郎
お蔦/中村七之助
堀下根吉/中村橋之助
若船頭/中村鶴松
酌婦お松/中村梅花(1950、京扇屋)
波一里儀十/喜多村緑郎
船印彫師辰三郎/坂東彦三郎
老船頭/市川男女

相撲の親方に見放され一文無しの駒形茂兵衛は取手の宿で親切な酌婦のお蔦から櫛簪や持ち金すべてを恵んでもらい「必ず横綱になる」と誓い、立ち去る、お蔦が口ずさんだ故郷の「おわら節」が茂兵衛の心に残る。十年後、相撲取りにはなれず、渡世人となった茂兵衛だが、お蔦への恩義を持ち続けていいる。今は娘と二人で侘しく暮らしているお蔦の元へ茂兵衛が訪ねてくると、お蔦の夫が帰って来て、いかさま賭博に手を出して悪党たちに追われているという、茂兵衛はこれぞまさしく10年前の恩返し、迫り来る猛者どもを蹴散らかし、その親分をも相撲で鍛えた力で見事にねじ伏せるた、横綱になれなかった彼の精一杯の土俵入りだった

この演目の作者は長谷川伸(1963年、79才没)、イヤホンガイドによれば、この作品は長谷川の体験がもとになっているとのこと、長谷川家は伸が幼少の時没落し、伸は品川の遊郭で出前持ちをするなどして苦しい生活をしていたところ、ある遊女から金銭的に助けてもらい、そのおかげで何とかなり、その恩を一生忘れなかった、というようなことを解説していた、また、作家の池波正太郎は長谷川伸の弟子になる

題名の一本刀とは、武士が大刀・小刀の2本を腰に差したのに対して、侠客 は長脇差1本であるところから 一本差しと呼ばれたことによる

(感想)

七之助のお蔦が良かった、特に最初の方の取手の宿の酌婦を演じていた時の艶めかしさが何とも言えない良さがあった、演技力が上がったのではないか、茂兵衛を演じた勘九郎であるが、演技中にふと見せる横顔が勘三郎にそっくりになってきた、ただ、茂兵衛は勘九郎に似合った役かというとそうでもないなと感じた、勘九郎は何か必死になって演じるような役が一番似合うと思う

『藤娘』20分

藤の精/中村米吉(1993、播磨屋)

藤娘は、大津絵の「かつぎ娘」に題をとった長唄による歌舞伎舞踊の演目、六世尾上菊五郎が昭和12年に藤の精が娘姿で踊る演出に改め好評を博し、以来たびたび上演されてきた女方舞踊の人気作

藤の花が咲き誇る中、塗笠をかぶり藤の枝を担いだ娘が現れる。この可憐な娘は藤の精。恋する切なさを嘆き、恋人を松に見立てて酒を飲み交わすうちにほろ酔いとなり、賑やかな踊りを見せるが、やがて日暮れとともに姿を消す

(感想)

私の贔屓にしている米吉が一人で舞台を務める姿を見れたのがうれしい、現在の若手女形でナンバー1だと思う

今日の幕間の食事は明治座で買った弁当にした、おいしかった



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