東京・春・音楽祭「小林海都と仲間たち」を聴きに行ってきた。東京文化会館小ホール、4,500円、15時開演、17時終演。8割くらいの座席が埋まっていた。この日は土曜日、桜が満開、13時15分頃上野駅の公園口から出ようとするとすごい混雑、公園に向って行く人でごった返していた。
曲目
ハイドン:ピアノ・ソナタ 第38番 ヘ長調 Hob.XVI:23 (1773年作、全3楽章)
シューベルト:楽興の時 D780 (全6曲、作曲年代は1823~28年とされる)
シューベルト:ピアノ五重奏曲 イ長調 D667《ます》(1819年作、全5楽章)
出演
ピアノ:小林海都
ヴァイオリン:玉井菜採
ヴィオラ:佐々木 亮
チェロ:佐藤晴真
コントラバス:池松 宏(当初出演予定の吉田 秀が体調不良のため交替)
小林海都は1995年生まれ、NHK交響楽団をはじめ内外のオーケストラと共演。2022年12月、紀尾井ホール、ウィグモアホールにて本格的なリサイタルデビューを飾る、玉井菜採(なつみ)は、紀尾井ホール室内管弦楽団のコンサートマスター、また、内外でリサイタルを行い室内楽奏者としての信頼も厚い、東京クライスアンサンブルのメンバー、アンサンブルofトウキョウのソロヴァイオリニスト
佐々木亮は言わずと知れたN響のヴィオラ首席奏者、東京クライスアンサンブルのメンバー、佐藤晴真は2019年、ミュンヘン国際音楽コンクール チェロ部門で優勝、国内外のオーケストラと共演を重ねており、室内楽公演などにも出演している、池松宏は1964年ブラジルに生まれ、紀尾井シンフォニエッタ東京、東京アンサンブル、水戸室内管弦楽団、サイトウ・キネン・オーケストラのメンバー
小林海都、佐藤晴真、佐々木亮はテレビに出ているので知っていたが、5人のリサイタルでの演奏を生で聴くのは初めて。好きなシューベルトを聴かせてくれるというので楽しみにしていた。ハイドンとシューベルトの「楽興の時」は小林海都のピアノ独奏、「ます」はピアノ5重奏。今日のメインは「ます」でしょう、著名な演奏家5名のアンサンブル、最高の演奏を聴かせてもらった、大変よかったと感じた。
東京・春・音楽祭のWebサイトにある小林海都へのインタビューを少し見たが、この公演は先ず小林に声がかかり、他のメンバーは小林が悩んで選んだ結果だという、その結果、幅広い年令層にまたがる5人の奏者となったとのこと。たいしたもんだ、先輩を含めて指名するなんて、そんなこと恐れ多くてできないよ、という人もいるだろうが、仕事本位であればそんなことは関係ないだろう。その証拠に5人の息はピッタリと合っていたし、カーテンコールの時は佐々木や玉井などは小林を立てているように見えた。
アンコールはなかったが、それで良いと思う、5重奏でアンコールをやると言うのも難しいと思った。
いい公演会でした。
さて、この日ではないが、東京・春・音楽祭で「中野りな(ヴァイオリン)&ルゥォ・ジャチン(ピアノ)」を奏楽堂に聴きに来たとき、開場時間のだいぶ前に到着したので、すぐ近くの黒田記念館に寄ってみた、ここは定期的に展示作品を入れ替えしているので、前回観たときと違う作品が観れるのではないかと思った。入場料は無料だ。
2階の展示室に入ってみると、入口正面に大きな「花野(はなの)」が展示してあった、1907年から1915年までの間に作成したものだが、未完に終ったと説明がある。そして、この屋外の裸婦人群像は黒田の師のラファエル・コランの作例を受け継ぐものであると解説されていた。
私はこの解説を理解する知識も無いが、自分は、この作品を観てマネの「草上の昼食」(1862年~1863年)を思い出した
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