運命の一戦。
試合前にそう評する人は多かった。
では、どんな運命が待っているのだろう。
運命と言えば、どんな結果になっても、それが運命。
甘んじて受け容れよう。
そう決意して今日の試合の開始を待った。
試合2時間前、先発メンバーの発表があった。
何があっても、このメンバーを信じて見守る。
そう固く決意して、画面を見つめた。
応援するサポが、メンバーを疑ってどうする。
センターバックには早川、サイドバックに堀米。
苦しいときに二人で主将・副主将を務めたこともあった。
ある種、新潟の命運を任せるに最もふさわしい二人の先発ではないか。
向こうの浦和は、興梠のラストゲームということで、最初から起用してきた。
ドキドキしながら、パソコンからつないだディスプレイで、DAZN画面を見つめる。
キックオフの笛が鳴った。
入りは慎重だなあ、と思って見ていた。
前節のガンバ大阪戦では、先制を許して、試合を苦しくした。
その二の舞にはならないようにするぞ、という点で、これでいいぞと思った。
並行して見ていた他会場の試合経過を見ていた娘が、
「鳥栖1-0。」
と声を上げた。
おお、これはうれしい。
磐田にリードしてくれるのは、ありがたい。
新潟の試合ぶりは、無理をして攻めることを選んでないように見えた。
「無失点で終われば、負けることはない。」
いつぞや松橋監督が言っていた言葉がよみがえった。
後ろでつなぐ意識が高かった。
そうこうして前半30分がたったころ、
「鳥栖2点目。マルセロヒアン。」
おお、これまたありがたい。
これで、仮に新潟が1失点して負けたとしても、磐田は4点を挙げなくては新潟を抜けないということだ。
これは大きい。
そのまま前半終了。
そのスタッツを見ると、浦和のボール支配率61%。
日頃ボールを保持する新潟が、39%。
シュート数は、浦和がわずかに4本で枠内シュートは1本のみで、新潟はなんとシュート自体がゼロ!
でも、決定的な場面を与えていないということだ。
後半、少しだけ浦和のペースが上がったようにも見えたが、スコアは動かず。
谷口の惜しいシュートが外れたが、これがシュートらしいシュート。
61分、浦和の興梠が退く。
ここで、浦和の選手だけでなく、新潟の選手たちも、退場の花道を作って拍手で送ってあげていた。
このひりひりする試合であっても、相手に対してリスペクトの精神を発揮する。
これが、アルビレックス新潟の好きなところの一つでもある。
いつもホームで、「スマイルスタジアム」の映像が流れるが、それはアウェイでも同じことだ。
興梠の選手交代が終わって、スマホを見てみると、なんと鳥栖が3点目。
鳥栖3-0磐田。
これは大きい。
新潟の選手たちは途中経過を知らないだろうけれど、応援する私たちは楽になった。
この試合、負けても勝てる。
だけど、最高の結果は負けないこと、いや、勝つこと。
アディショナルタイムが近づくにつれ、新潟の攻撃で惜しいシーンもいくつか生まれた。
長倉のヘディング、宮本のシュート、長倉がギリギリで合わせられなかったボールを小見がシュートしたシーン。
やっと本来の新潟のプレーになってきたが、試合終了。
0-0のドローで、勝ち点1を積み上げ、今日のミッションであった自力での残留を果たした。
J2降格組の鳥栖が、磐田をも引きずり込んだ形になったが、おまけに、同じく降格組の札幌が、柏に1-0で勝ってくれたおかげで、アルビレックス新潟は、16位でのフィニッシュとなった。
こうして、運命の一戦は、最良のとは言わないけど、臨んでいた形で終わった。
堀米、早川、ありがとう。
ベテランの域に達してきた2人の働きは、今日はとても大きかったと思う。
来季もよろしく。
今後は、監督はじめスタッフ、そして選手たちも出入りがあるかもしれない。
どうなるかわからないけれど、このプレースタイル、変えてほしくないな。
今日の解説者は、アルビのサッカーを評価しつつも、「今日は積極性が足りない」ようなことを言っていたけど、今日は、自力残留優先で仕方がない戦い方だった。
まあ、2か月後の新シーズンを見てくれ、と言えるといいな。
解説者も興梠も評価してくれていた新潟のサッカーを、さらに磨いてほしいものだね。
Visca Albirex !!!
私も堀米、早川両選手は良くやってくれた…って言う印象でした。
シーズンを振り返ればいろいろ問題点があり、改善してもらわないとまずいこと多いんでしょうけど、基本スタイルは私も継続して欲しいですね。
本当にホッとしました。これからもよろしくお願いします。
"本当にホッとしました。”…この一言に尽きます。選手の中でも、堀米主将は、一人で十分すぎるほど背負っていたようです。試合後の涙を見て、そう思いました。みんなを勇気付けること、奮起させることはできても、自分だけの力でチームを勝たせられる訳ではないから、どれだけ追い詰められた感覚があったのでしょうね。「本当にお疲れさまでした」と言ってあげたい気分でいっぱいです。あとは、来季ですね。ほぼひと月後には新たな顔ぶれがそろい、さらにそのひと月後には、新しいシーズンの始まりを迎えます。期待しましょう。
ありがとうございました。