「カトケン」というと、加藤茶と志村けんが一緒になってやっていたお笑い番組があったことを連想する人は多いだろう。
だが、新潟人で野球の好きな人なら、元巨人の加藤健捕手を思うだろう。
ある書店には、こんなふうに本が山積みになって紹介されていた。
その本の書名は、
「松坂世代の無名の捕手が、なぜ巨人軍で18年間も生き残れたのか」
という。
ずいぶん長いタイトルの本だ。
著者は、18年間も巨人軍で18年間生き残れた無名の捕手、こと加藤健という元選手。
彼は、新潟県聖籠町の出身。
新発田農高で春夏連続出場し、その秋巨人からドラフト3位で指名を受け、将来を嘱望されていた。
ところが、その1年後、中央大から逆指名で阿部慎之助捕手が入団し、加藤捕手はその陰に隠れ続けることになってしまった。
しかし、時折1軍昇格されることがあり、彼は結果を残して選手生命を生き延びてきた。
本の中では、彼なりの思いがいたるところで表現されていた。
長く選手生活を送って来られたことについて、彼はこう述べている。
この世界で生きていくために、考え方の変化があったからだ。
「使いやすい“商品”になろう」と決めた日が転機だった。
自分が経営者で人を使う立場にいたら、新しく入ってきた人材をまず使ってみようと思うだろう。
でも、その新しい人が“使えない商品”だったとしたら、少し古くても“使える商品”に戻すはずだ。
僕は、「使いやすい選手」「使いやすい捕手」になろうと決めた。
チャンスが来たときに、結果を残す。
だからこそ、一軍に昇格したときの最初の一歩目、初打席、初マスクの試合にはこだわった。
「与えられた場所こそが僕の試される場所。」だから、
自分ではない他の選手が捕手として1軍に昇格したとしても、「今のニーズに合っているのは、俺ではない」と考え、
「“加藤健”という商品の賞味期限を切らさないよう」に努め、そのために
「少し味の変化を加えながら、店頭に並べてもらった『最初』が勝負」
と、彼なりの努力を続けてきた結果の18年間だったということだ。
ポスト阿部慎之助捕手の座を獲得した小林誠司捕手に対しても、先輩捕手として次のような助言を直接行っている。
「お前にはレギュラーという“椅子”が目の前に用意されている。今、そこに座らなかったら、一体いつ座るんだ?」
「“椅子”なんてあっという間になくなっちゃうからな。その“椅子”に座ることができたら、4~5年は安泰。成長しなかったら、野球人生が終わっちゃうよ。」
「俺は17年間“椅子”なんてなくて、常に崖っぷち。ひとつサイン出して打たれたら二軍行き。お前にはそれがないんだから、頑張れ!」
このような表現の中に、加藤元捕手の性格が表れている。
非常に読みやすく、好感が持てる1冊だった。
だが、新潟人で野球の好きな人なら、元巨人の加藤健捕手を思うだろう。
ある書店には、こんなふうに本が山積みになって紹介されていた。
その本の書名は、
「松坂世代の無名の捕手が、なぜ巨人軍で18年間も生き残れたのか」
という。
ずいぶん長いタイトルの本だ。
著者は、18年間も巨人軍で18年間生き残れた無名の捕手、こと加藤健という元選手。
彼は、新潟県聖籠町の出身。
新発田農高で春夏連続出場し、その秋巨人からドラフト3位で指名を受け、将来を嘱望されていた。
ところが、その1年後、中央大から逆指名で阿部慎之助捕手が入団し、加藤捕手はその陰に隠れ続けることになってしまった。
しかし、時折1軍昇格されることがあり、彼は結果を残して選手生命を生き延びてきた。
本の中では、彼なりの思いがいたるところで表現されていた。
長く選手生活を送って来られたことについて、彼はこう述べている。
この世界で生きていくために、考え方の変化があったからだ。
「使いやすい“商品”になろう」と決めた日が転機だった。
自分が経営者で人を使う立場にいたら、新しく入ってきた人材をまず使ってみようと思うだろう。
でも、その新しい人が“使えない商品”だったとしたら、少し古くても“使える商品”に戻すはずだ。
僕は、「使いやすい選手」「使いやすい捕手」になろうと決めた。
チャンスが来たときに、結果を残す。
だからこそ、一軍に昇格したときの最初の一歩目、初打席、初マスクの試合にはこだわった。
「与えられた場所こそが僕の試される場所。」だから、
自分ではない他の選手が捕手として1軍に昇格したとしても、「今のニーズに合っているのは、俺ではない」と考え、
「“加藤健”という商品の賞味期限を切らさないよう」に努め、そのために
「少し味の変化を加えながら、店頭に並べてもらった『最初』が勝負」
と、彼なりの努力を続けてきた結果の18年間だったということだ。
ポスト阿部慎之助捕手の座を獲得した小林誠司捕手に対しても、先輩捕手として次のような助言を直接行っている。
「お前にはレギュラーという“椅子”が目の前に用意されている。今、そこに座らなかったら、一体いつ座るんだ?」
「“椅子”なんてあっという間になくなっちゃうからな。その“椅子”に座ることができたら、4~5年は安泰。成長しなかったら、野球人生が終わっちゃうよ。」
「俺は17年間“椅子”なんてなくて、常に崖っぷち。ひとつサイン出して打たれたら二軍行き。お前にはそれがないんだから、頑張れ!」
このような表現の中に、加藤元捕手の性格が表れている。
非常に読みやすく、好感が持てる1冊だった。