まるごとムサシ

ムサシ(14歳)とあんず(12歳)の日常です

ミラとの出会い その7

2008-06-07 21:45:12 | みー君のこと
1996年7月某日
みー君は猫用キャリーに入れられ「貨物」として旭川空港に到着した。
(動物は、貨物扱いとなるそうだ)

まずはご機嫌伺い、と思い扉を開けてみるが
タオルがくちゃくちゃっと丸まってるだけで姿が見えない。
「ミラ~~~♪」
と何度も声をかけてみるが全く反応なし。
タオルのかたまりはピクリとも動かない。

げっ・・・まさか・・・
と最悪の事態が頭をよぎる。

しばらくして、奥の方からまさしく”蚊の泣くような”
「みゃ~~・・・・・」
というかすかな鳴き声が聞こえてきた。
タオルをかき分けよく見ると
みー君はタオルを引き寄せ
キャリーの奥で小さく丸くなって震えていた。

初めての一人旅(なんて優雅なモンじゃないが)
キャリーに入れられ、飛行機の暗い貨物室で
それはそれは不安で心細い思いだっただろう。
それを思うと不憫で仕方がなかった。

とにかく、無事生存確認が出来たので
そのまま車に乗せて家路を急いだ。





部屋に着いてからも
彼はキャリーからなかなか出ようとしないので
自らの意志で出てくるまで待つことにした。

夜になり、ごぞごぞとようやく顔を出したのはいいが
そのまま洗濯機の陰に直行。
狭い隙間に身を隠したまま、身じろぎもせずにいる。

旭川に着いてから
私はまだまともに彼の顔を見ていないぞ。
やれやれ、いつになったら感動の抱擁をできるのやら・・・



【本日のむぅちゃん】
うーん・・・こんな格好で熟睡できているのだろーか??





飛行機が無事に着いたら、ャ`っとな
にほんブログ村 猫ブログへ にほんブログ村 猫ブログ MIX模様猫へ


ミラとの出会い その6

2008-06-06 18:20:44 | みー君のこと
弟に引き取られていったシロクロ君は「ミラ」と名付けられた。

時折電話で様子を聞くと
去勢手術もして、元気ですくすくと育っているとのこと。
「スナック菓子(特にカール)が大好物さ」と平然と語る弟。
あーーーダメだよ、そんなもん食べさせちゃっ!!!!

でも、元気であれば何より。
弟もお嫁さんもネコ好きなので、安心だ
・・・と思っていたのだが・・・・


その後、予期せぬ事情が発生し
お嫁さんはミラを連れて、実家のある姫路へ帰ることになった。

みー君「2回目の引っ越し」である。


お嫁さんは弟に輪をかけたネコ好きだし
きちんと育ててくれるだろう
・・・と思っていたのだが・・・・




ある日、そのお嫁さんから電話がかかってきた。
いきなり
「ミラが殺される~~~~」
と電話の向こうで涙声になっている。
何だ何だ??どーゆーことだ???

話を聞くと、実家のお父さんが大のネコ嫌いで
とにかくミラを毛嫌いし
「お前が何とかしないなら、俺が捨ててくる!」
と、それはもうえらい剣幕だという。

「お義姉さん、どうしよう・・・・明日、捨てられる・・・」
と、さらに涙声になるお嫁さんに
思わず私はこう答えていた。

「すぐに私の所にミラを寄こしなさい。
 ほとぼりが冷めるまで<預かって>あげるから」

あくまでも<預かる>という前提だった。
私は相変わらずのアパート暮らしで
動物を飼うことはできない。
気むずかしい大家さんに知れたら
こっちが追い出されてしまいかねない。
弟が抱える問題をクリアできるようになったら
また引き取ってもらうつもりだった。


かくして、ミラは姫路から旭川にやってきた。

みー君「3回目の引っ越し」である。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


5泊6日の旅から帰って参りました。
留守中「みー君物語」を読んで下さった皆さん
本当に有難うございます<(_ _)>

せっかくなので、ムサシの近況も盛り込みつつ
みー君のお話は続けていきたいと思いますので
よろしくお願いしますniko


「かーちゃん、ボクを置いてどこに行ってたんだよー」



かーちゃんが帰って来たから、ャ`っとなok
にほんブログ村 猫ブログへ にほんブログ村 猫ブログ MIX模様猫へ


ミラとの出会い その5

2008-06-05 08:19:35 | みー君のこと
ほどなく、私は東京を離れ故郷の北海道に帰ることになった。
本当ははなちゃんの里親も見つけてあげたかったのだが
それは難しいことと思われたし
私には、はなちゃんも野良のままで
自由に暮らしたがってるように見えた。
もう大人だし、一人で生き延びてくれると信じて
知り合いの獣医さんに避妊手術をお願いした。




はなちゃんは子供達がいなくなっても
さほど寂しそうな様子はない。
以前のように、ひょっこりやって来てお泊まりして帰って行く。

いつもいつの間にか来て
いつの間にか私の目が届かない所へと帰って行くはなちゃん。

「もうすぐ私はいなくなるからね」
と声をかけるが、わかってくれているのかどうか・・・。


引っ越しの日がやって来た。
弟に手伝ってもらい、朝から準備をしながらふと物干し場に目をやると
はなちゃんがいる。
少し距離を置いて座り、じーっと私たちの作業を見ている。
今まで、彼女がそんな行動を取ったことはない。

「はなちゃんが来てるよ」と私。
「ほんとだ。お別れを言いに来たんだね」と弟。

結局、トラックに荷物を積み終わり
部屋を出て行くまで、はなちゃんはそこに座っていた。

「はなちゃん、今までありがとう。
 これからは、一人で頑張って生きていくんだよ」

はなちゃんは、ただただ座って遠くから私を見ていた。




生きていれば、彼女は14歳くらいだろう。
消息を知る術はない。
もしかしたら
今頃空の上でみー君と仲良く暮らしているかもしれないな。




引っ越しすんだら、ャ`っとな
にほんブログ村 猫ブログへ にほんブログ村 猫ブログ MIX模様猫へ




ミラとの出会い その4

2008-06-04 23:03:00 | みー君のこと
その後、はなちゃんの子育ては順調。
私も子猫用のキャットーフードやらミルクやらを買い込んで
俄かーさんしながら2匹の成長を見守っていた。

彼ら(2匹とも男の子)はとにかくよく遊ぶ。
2匹でじゃれあったり、かけっこしたりじっとしていない。
静かだな、と思うと同じ姿勢で眠っている。



シマシマの方は端正で綺麗な顔をしているのだが
シロクロの子は左目にいつも目やにをつけて、顔がぐちょぐちょ。
表情も何となくひょうきん。
兄弟だけど、模様も顔つきもこんなに違うもんなんだな。



猫と暮らす毎日は楽しいのだけれど
ずっとこのまま一緒にいるワケにはいかない。
野良に帰そうか・・・・
うーん・・・それもかわいそうだなぁ・・・

ということで、里親を捜すことにした。

まずは、動物好きの弟に電話。
「ネコ飼わない?」
「飼う飼う!!」
事情も何も聞かずに、あっという間に交渉成立。

数日後、とりあえずどんな子か見に行く
とのことでやって来た弟は
じーーーっと2匹の様子を見詰めている。
まぁ、これは聞くまでもないかと思いつつ
「どっちがいい?」と聞いてみた。

弟がすかさず指さす方をみると
彼の人差し指はシロクロに向いていた。
へ?まじ??
こっちのコはきちゃなくて、ぶっちゃいくだぞ!

「ホントにこっち?」
「うん、絶対こっち!」
と力強く答える弟。

いやなに、本人がいいというのだからいいのだろう。

シマシマの美男子君は
仕事先で里親捜しのャXターを貼らせてもらったところ
1週間も経たないうちに里親が決定。

シロクロ君は、数日後一緒に車で迎えに来た弟のお嫁さんに抱かれ
茨城へと旅立って行った。

そして、これが彼にとっての「第1回目」の引っ越しだったのである。


良い日旅立ち、ャ`っとな
にほんブログ村 猫ブログへ にほんブログ村 猫ブログ MIX模様猫へ



ミラとの出会い その3

2008-06-03 08:49:34 | みー君のこと
子ネコたちが生まれてからは
仕事から帰るとすぐに物干し場に直行し
彼等の無事を確認するのが日課になった。



ある日、いつものように段ボール部屋を覗くと
中がもぬけの殻になっている。
親子3匹が忽然と姿を消してしまったのだ。
数日過ぎても、戻ってきた気配はない。

「しょせんあの子達は野良。
 自由気ままな世界へと飛び出して行ったんだわ・・・」
「いずれにしても
 私があの子達を飼うことはできなかったんだから・・・」

そうやって自分に言い聞かせた。

数日後の休日。
縁側に座り、ぼーーっと周りの景色を眺めていたその時
私の目が視界の端にふわっとした物体が動くのを捉えた。
そこに視線を移すと
数十メートル離れたアパートの窓があり
そこから白っぽいものが小さなかたまりをくわえて
運び入れてるのが見える。

顔ははっきりとは見えないが
あれは間違いなくはなちゃんとその子供たちだ!

あぁ、私の元を離れ
別の飼い主が見つかったのね・・・
・・・私の何がいけなかったのかしら
・・・でもでも、あそこもアパートだし
ちゃんと飼えるのだろうか・・・・
・・・あーでもない、こーでもない
・・・・・・・・@#★→△*◎■¥※&・・・・・・

はっと気が付くと、私はそのアパートの部屋のドアの前に立ち
チャイムをピンャ唐ニ鳴らしていた。
出てきたのはまだ学生さん風の若い男性だった。

「つかぬことをお伺いしますが
 お宅でネコを飼っていますか?」
「(はっと顔色を変え)はい・・・いえ・・・あの・・・その・・・」

どうやら、動物飼育禁止を咎められたと勘違いしたようだ。

「いえいえ、そうではないんです。
 実は、あの子達は・・・・」

と事情を説明すると、彼はホッとしたような表情になり
「そうだったんですか。
 迷い込んできて、かわいいから部屋に入れたんですけど
 ボクもここでは飼えないし、どうしようかと思っていたんです」
とのこと。

「それでしたら、私が引き取っていいですか?」
「はい、お願いします」

ということで、親子3匹無事我が家に戻ってきた。
「我が家」といっても、ウチもアパートだ。
でもまぁ、何とかなるだろう。

はなちゃんとその子供たちは
その後は家出することなく
何事もなかったかのように
段ボール部屋で三身一体(?)になっていた。





あの時、私が縁側でぼーーっとしてなかったら
今頃この親子は、どこでどんな猫生を歩んでいたのだろう
と、ふと考えることがある。



お家に帰ってたら、ャ`っとな
にほんブログ村 猫ブログへ にほんブログ村 猫ブログ MIX模様猫へ