1分で読める小説シリーズ
夏野夏のおもしろい世界~ショートショート 幼い愛撫 禁断の恋
★~幼い愛撫~~~読みきり…作/夏野夏
かずみは
健一に夜の公園に誘われた。
まだ付き合い始めて間もないので
夜の公園はちょっと・・と思ったけど
健一が
どうしてもというので
でかけることにした。
駅前の比較的人通りの多い公園には
けっこうたくさんのカップルがいて
思ったより暗くもなくて・・・
よかった~とかずみが思ったときだった。
「かずみ、もう少し向こうに行こうか。」
健一は、公園の奥の池のほとりの方に誘った。
池のほとりは、木も多く
一つ一つのベンチが孤立してるので
座っているカップルは堂々と抱き合ったり
キスをしたりしてるようだった。
かずみは・・・どきどきした。
「夜の公園もけっこういいね~」
ベンチに座ったかずみは
沈黙で変なムードにならないようにと
わざと明るく大きな声で言った。
照明が暗いところで
健一の表情はよくわからなかったけど
健一はまわりを気にしてるように
かずみの耳に口を近づけ
そっと言った。
「かずみに触って欲しいものがあるんだ。
・・・いい?」
きゃ~、き、きた~!
いい?って聞かれても~
初体験のかずみはことばに詰まった。
「ん・・・ん・・・・」
少し身をひいたかずみの方に
健一はぐぐっと近づいてきて
かずみの手をとった。
かずみは
健一の手に導かれるままに
その手をのばした。
かずみと健一の周りは
薄暗かったので
初めてそれを見るのには
かえってよかったのかもしれない。
健一は
かずみにそれをそっと触らせた。
かずみの白い指は
まずそっと触れ
それから形や硬さを確かめるように
優しく撫で始めた。
「どう?」
健一がささやくように聞いた。
「すごい・・・」
かずみはつぶやいた。
「もっと強く握って・・・動かして・・・」
健一に言われるまま
かずみは力を入れてその指を動かした。
以前本で読んだことがある・・・
何回かこすっていると
この先っぽから白いものが・・・
かずみは
強く弱く
下の方から上の方
先の方まで・・・
健一がふっと息を吐き
「やっぱりだめかな」
と言った。
「自分でやってもだめだったんだ」
かずみも少しため息をついた。
二人はゲームセンターに行くことにし
そのペンチを後にした。
ゲームをしながらかずみは聞いた。
「健一、さっきのはどうしたの?」
「あぁ、偽物だと思って池に捨ててきた。」
その頃、池の底では
「イテテテ
最近の人間は気が短いな~。
もう少し待ってくれれば
ランプの先から白い煙とともに
ご主人様~なんでも願い事を~!
と言って、出て行くつもりで
シャワーも済ませ、身支度をして
出ていくばかりだったのに・・・・」
ひっくりかえった魔法のランプの中で
大男のランプの精が
おでこを押さえて痛がっていた。
★~禁断の恋…夏野夏~♪
大山千佳は新米教師である。
「お疲れ様~」
今日も1日が終った。
学校の駐車場で
自分の車に乗り込もうとしていたとき
大学時代の友人
さやかから電話がはいった。
「千佳を可愛がってくれてた
先輩の美奈子さん・・・
今年卒業した教え子と結婚するらしいよ。」
え~
美奈子先輩、やる~!
美奈子先輩は確かに可愛らしくて
サークルでも人気者だったもの。
でも
それにしても
ずいぶん歳下くんと・・・
でも、愛があれば年の差なんて・・だよね。
「担任をしてたときから
その子、あ、相手の子だけどね
悟君って美奈子さんにすごいアタックしてたらしいよ。」
「千佳にもクラスの中に
千佳に思いを寄せてくれてる子いたりして~?」
さやかは勝手なことを言って
笑いながら電話を切った。
でもすごいな~美奈子先輩
教え子と担任なんて・・・
一歩間違うと大変なことになる。
禁断の恋・・・だよね。
そういえばうちのクラスの健太・・・
何かと言えば私にちょっかいかけてくる。
もしかして
喧嘩っぱやいところはあるけど
さらさらヘアーのイケメン君だし
サッカーをやってて
クラスの女の子にも人気あるみたい。
そういえばこの前の放課後
「せ~んせ、な~にしてんの?」
って言いながら、私が一人っきりのとき
後ろから抱きしめられた。
相手が生徒とはいえ
ちょっとどきっとしちゃうよね。
そのとき少し胸を触られた気もする。
気のせいかな。
それからいつかの昼休み・・・
タレントで誰が好きかって話のとき
「タレントなんて・・ガキだな~おまえら。
おれはやっぱ・・千佳先生ひとすじだな。」
なんて言ってクラスのみんなをけむに巻いたらしい。
いけないいけない
なんだか、妄想にはまってる自分がいる。
私は教師よ。
しっかりしなくちゃ。
「おお千佳先生、お疲れ様。」
「あ、校長先生~お疲れ様です~。」
「どうですか、慣れましたか?」
「はい、毎日が楽しいです。」
「それはよかった。
新任で小学1年生を担任するのは
少し荷が重いかなと心配してたんですよ~。」
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