[ワシントン 4日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 世界中のほとんどの人の関心は、8日の米大統領選に集まっている。しかし民主党のクリントン候補と共和党のトランプ候補のどちらかが勝つかという問題のほかにも、企業や金融業界に影響する重要な投票が実施される。
Breakingviewsは5つの注目点をまとめた。
●ウォール街は何に注目しているか
今回の上院の改選議席は34で、うち共和党が24を占めている。もし民主党が過半数を制すれば、銀行都市住宅委員長は現在のリチャード・シェルビー氏からシェロッド・ブラウン氏に交代する。そうなれば投資銀行への監視は強まり、追加的な規制が導入される可能性もある。例えばブラウン氏は、大手行の資本基準を引き上げたい意向だ。同委員長は、提出法案の審議や公聴会における証人の人選などで権限を有する。つまりJPモルガン(JPM.N)のダイモン最高経営責任者(CEO)や米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は、風当たりが強まってもおかしくない。
●上院の支配権を左右するポイント
いくつかの改選議席では、共和党現職が苦戦している。その1つはペンシルベニア州のパトリック・トゥーミー議員で、議席を争う民主党のケイティ・マクギンティ氏はトゥーミー氏が過去に銀行業界で勤務し、ウォール街から支援されている点を批判している。
トゥーミー氏は、トランプ氏に投票するかどうかも明らかにしていない。
●下院はどうか
共和党のポール・ライアン下院議長は、党内保守派の大半との関係が思わしくない。保守派議員40人で構成する「フリーダム・コーカス」は、選挙直後に予定されている下院指導部の選任投票の延期をほのめかしている。下院議長をだれにするか決定する力はないにしても、ライアン氏の再任阻止は可能かもしれない。ライアン氏が再任した場合も、保守派からの反対によって法人税制やインフラ投資などの問題で次期大統領や上院との折衝能力が弱まりかねない。フリーダム・コーカスは昨年、党内有力者ケビン・マッカーシー氏を下院議長への立候補辞退に追い込んだ。
●ワシントン以外では
コロラド州では、医療保険改革(オバマケア)を廃止して、州独自の医療保険を導入する提案が住民投票に付される。州民は来年から平均で毎月20%の保険料引き上げに直面し、14の郡では取引所で保険を提供しているのが1社しかないという問題を抱えている。今回の投票で、公的保険が民間保険と全米レベルで競合する仕組みが存続可能かどうか1つの答えが示されるだろう。オバマケアに対してクリントン氏は支持、共和党員はおおむね反対の姿勢だ。
●大麻合法化めぐる議論
今回は過去最多となる9つの州で、何らかの形で大麻を合法化することの是非を問う住民投票が実施される。特に注目されるカリフォルニア州では既に医療用の大麻使用は認められており、娯楽用を合法化するかどうかが焦点。富豪のジョージ・ソロス氏や起業家ショーン・パーカー氏などは合法化推進運動に加わっている。合法化が可決されれば、大麻関連業界の拡大を後押ししそうだ。連邦政府は依然として大麻を禁止している。
●結局「クリントン対トランプ対決」が影響か
大統領選でクリントン氏とトランプ氏のどちらが当選するかが、上下両院の勢力図にある程度影響するのは確かだ。しかし具体的な影響度を明らかにするのは難しい。民主党の議員候補者は、クリントン氏が大勝して上院の過半数奪回につながる事態を期待している。一方で共和党議員候補者は、トランプ氏を支持するにしても否定するにしても、態度は煮え切らない。
各選挙において最も重大な要素となるのは投票率だ。その意味では、クリントン氏とトランプ氏の対決がやはりメーンイベントと言える。
以上、ロイターコラム
これまでのアメリカの政治家は支持しないというアメリカ国民の政治不信がトランプを押し上げている。
本根が言えない、綺麗ごとばかりだが、アメリカ中間層も貧乏人になっているため、不満が溜まっている感じだ。
この流れは止められないと思われ、もしクリントンになっても混乱が待っていると思う。
日本も同じです。すぐ、言葉狩りする傾向があり、国会でもTPPの中身の審議をもっとやるべきだが、表面的なことばかりで中身を国民に見せない傾向が強い。