東京日記
静岡県焼津市、藤枝市、北海道の札幌市にあるIT企業グループの経営者 松田敏孝の日記です。





昔、たくろうの歌で「ペニーレインでバーボン」って曲があったよね。今、調べたら1974年にリリースされた曲だから自分が高1のときか。確かに当時はたくろう、かぐや姫など、フォークシンガーの最盛期で、自分もかなり聞いていたし、影響を受けていた。今、歌詞の内容を見る限り、静岡の田舎の高校生が正確に理解できる内容ではないし、なんとなく曲全体が醸し出す反抗的な雰囲気に憧れていたのではないかと思われる。

Beatlesが大好きだったから「ペニーレイン」って曲のことはもちろん知っていて、そんなこともあって原宿に「ペニーレイン」ってお店があるのは知っていた。そこのお店でたくろうが飲んだくれている様子を歌ったのが「ペニーレインでバーボン」。

♪ どうせ力などないのなら
♪ 酒の力を借りてみるのいいさ
♪ こうして今夜も原宿ペニーレインで
♪ 原宿ペニーレインで飲んだくれている
♪ ペニーレインで バーボンを
♪ ペニーレインで バーボンを
♪ 今夜もしたたか酔っている

ペニーレインでバーボン
詞 曲 唄  よしだたくろう

今、聴いてもカッコいい。若いから尖っていて、パワーを感じる。なんだかとても懐かしい。いちばん上の写真は、多分1982年の1月2日じゃなかったかな。原宿駅前の交差点にて。表参道はホコ天になっているみたいですね。この頃になると「ペニーレインでバーボン」の詞で語られている風景をしっかりイメージできるようになっていたと思う。写真当時は東京で学生として1人暮らしをしていたけど、「お盆だから帰省する」とか「年末年始は帰省する」というような学生では自分はなかった。決してほめられたものではなくて、ひたすら「過ごしたいように過ごしていた」感じ。いわゆる自由とか若さを満喫していたような気がする。

今日は諸事情があって出かけられないのをいいことにYouTubeを見ていたら、たくろうの「ペニーレインへは行かない」って曲が流れてきて、さり気なく聴いていた。調べてみたら1984年リリースの曲。なんとワリとはやい時期にたくろうはペニーレインで飲んだくれるような世界観と決別していたこと知り、少し驚いた。「ペニーレインでバーボン」はその後、放送禁止になるんだけど、その方が先かと思っていたら、放送禁止になる前に「ペニーレインへは行かない」はリリースされていた。

♪ ぼくが知っている風景は 今はもう
♪ 原宿あたりにも心の中にもない
♪ だから だから ペニーレインへは
♪ もう行かないよ

ペニーレインへは行かない
詞 曲 唄 吉田拓郎

「バーボン」と比較すると「行かない」の曲調は穏やかに、真面目に「行かない理由」を説明している感じ。1979年〜85年くらいは、自分にとってはわりと大きな転換期だった気がする。考え方が変わった時期。1970年代はたくろう、かぐや姫が全盛期で、反戦とか、なんか社会の大人たちに反抗しているようなところがあって、学生は「貧しくあるべき」みたいな美学があった。実際、多くの学生たちは古いアパート住まいで、銭湯通いというのが当たり前だった。実際、自分もそうだった。それが1979年くらいから変わり始める。ユーミン、サザン、達郎、竹内まりやとかの勢いが強くなり、フォークソングはだんだんニューミュージックに主役の座を明け渡していく。自分の中でいちばん印象に残るのはユーミンの「中央フリーウェイ(1976年)」という曲。詞、メロディ、アレンジが絶妙で、素晴らしい完成度の1曲。 ♪ 中央フリーウェイをドライブするとその道路はまるで滑走路の様で、それは夜空に続いていく。そして「愛してる」って言っても風が強くて聞こえない って詞の内容は、もっともっと生活を楽しんでいいんだ!って、自分たちを古い美学から解放した。

自分たちの年代は、そういう意味では1度「転向」している人が多い世代だ。そんな人と時代が変化していくのをたくろう本人はいちばん強く感じていたんじゃないだろうか。「バーボン」から「行かない」への変化に、たくろうの時代への戸惑いを感じる。

少し大袈裟に聞こえるかもしれないけど、たくろうがぼくの人生観のベースを作り、「中央フリーウェイ」が当時の自分の人生観を転向させるきっかけになったってことは、これまでこのブログでも何回か書いているかもしれない。そのくらい自分の中でははっきりしていることのように思う。今日も、ふとしたことから、YouTubeで「ペニーレインでバーボン」を聴いたことから、そんなことに思いをはせていた。70年代〜80年代って、いい時代だったって、今日も思っていた。




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