喧騒の大通りから細い路地にまがる。
ぼんやりと店先のあかりが行く先をかろうじて照らすのみ。
意を決して踏み入れるとそこは建物にかこまれた中庭のような小さな空間になっていてベンチがひとつ。
予想外にひらけ空間に目を向けた先の猫🐈
チャトラの貫禄ある猫🐈
これからBarにいくというのにそのバーをみつける前に猫に出会ってしまったのだ。
にーと声をかけられ、こちらを振り返りつつ先導をゆく。
だから、バーにいくのだよと伝えれば目の前のある店の扉の前にもう一度に―と鳴くのであった。🐈
つまり扉を開けろと猫語で話しかけてきたわけだ。
タイ語はわからないけどネコ語はわかるんだなあたし。
あけろ、あけろと催促をされると視界の端に飛び込んできたのは目指していたバーの名前であった。
Lost in Thaislation
おっと思う。🐈🐈
扉をあければするりとチャトラが先に入店。
本日のお一人目いや1匹目の客である。🐈
カウンターには若いバーテン
おお来たのかといいつつ、🐈ニャゴニャゴ矢継ぎ早に注文する客に苦笑い。
さすが追い出されそうになるけど、初めての客であるこちらにもしっかりご挨拶する常連っぷりをみせつけられ、なでれー、なでてもいいでーとなればねえ、ええ、もう、招かざる客ではなく看板ネコであり、🐈招き猫ってなわけだ。
カウンターではチャトラが頼んだゴハンが用意され、うにゃうにゃいいながらのたぺっぷりをアテにこちらは酒をのめるという算段。
こんなサービスってある?!
ひーめんこい、ひーサワリタイ、ひーといいながらあっという間の1敗いや1杯。
🐈当のチャトラ氏は優雅に食事をしたあと、席を移動しあたしの右手が届くか届かないかという絶妙な位置でペランペランと毛づくろい。
さすが常連の貫禄である🐈
堂に入った態度、バーとはかくある愉しみ方をしたいものである。
そして一見の新参者への構いすぎない絶妙な距離感。
距離が近いと鬱陶し、遠すぎれば歓迎にならにとわきまえた🐈距離感(←マジ距離感)を保って接してくれる(さわらしてくれるともいう)配慮。
そして極めつけは長居することなくふいに🐈にーといってお帰りになられたのだ。
🐈個人的にはもうすこしもふりたかった・・・・のにだ。
さすがのチャトラ氏🐈である。
餌もしっかりもらい、ゆったりとくつろいで、そりゃ灼熱バンコクの気温よりしっかりクーラーがきいたバーの方が涼しくて快適だから長居するとばかりおもっていたんだけどふいっとお帰りになるといいだすではないか。
酒はのんでものまれるな。
スマートな愉しみ方はさっと飲んでさっと帰ること。
完璧なバーのお作法を実践し、酔っ払いさらに骨抜きに。
こんなスマートにバーを愉しむ人いやネコ🐈がいるとはね。
あまりに夢みたいな出来事に泣きの1杯を所望するダメ人間にはネコのツメアカでも煎じてのませてやれー🐈
ネコの話に終始してしまったけどカクテルはもちろん美味
カオマンガイやマンゴなどタイのエッセンスがはいったカクテルがシグネチャー。
やっぱり所望の1杯はツメアカ煎じより美味しいカクテルでお願いしたい。
こんなすてきなバーにさらりと案内できてスマートな立ち居振る舞いができるチャトラ氏はさぞやおもてになるんだろうとバーを後にすれば店の前のベンチで近所のお姉さま方とまたおいしいゴハンを食べていた。
みんなにかわいがられているのね🐈 やっぱモテ🐈猫の存在感たるや。