テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

リオ・ロボ

2009-06-30 | 時代劇・西部劇・歴史劇
(1970/ハワード・ホークス製作・監督/ジョン・ウェイン、ホルヘ・リヴェロ、クリストファー・ミッチャム、ジェニファー・オニール、ジャック・イーラム、マイク・ヘンリー/114分)


 この映画が公開された頃は映画雑誌「スクリーン」を毎月買っていて、紹介記事の写真でジェニファー・オニールを初めて見た。西部劇に似つかわしくないヨーロッパ系の美人顔が気になったが、映画はスルー。同じ年に公開された「おもいでの夏」で、ミシェル・ルグランのピアノ・テーマ曲と共に甘酸っぱい記憶の女(ひと)となった。

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 1896年に生まれ、1977年に亡くなったホークス監督の遺作で、ジョン・ウェインとのコンビの「リオ・ブラボー (1959)」、「エル・ドラド (1966)」と続いた三部作の最後の作品でもある。

 南北戦争の終結を挟んだ時代の西部劇で、序盤の30分が戦争中の話。
 ジョン・ウェインは北軍の大佐で、兵隊たちの給料を運んでいた列車を、ホルヘ・リヴェロやクリストファー・ミッチャムら南軍の一派に襲われ、お金と共に目をかけていた若い兵隊も失ってしまう。北軍の誰かが情報を流したのだ。大佐は襲った連中を追っている内に逆に掴まってしまうが、上手く切り抜けて、最後は彼らを捕虜にすることに成功する。
 やがて戦争は終わり、南軍の捕虜も解放され、大佐は元南軍の兵隊たちとも酒を酌み交わす。大佐は彼らに恨みはないが、密通者は裏切り者だから掴まえるまで許さないと言う。リヴェロは、密通者は二人で、顔を見ればわかるが名前は知らない、見かけたら知らせるという約束をして別れる。
 リヴェロから連絡があり、大佐は、友人が保安官をやっている町にやって来る。そこで、知人が“リオ・ロボ”の保安官に殺されたという若い女性(オニール)に会い、彼女を追ってきた“リオ・ロボ”の保安官代理を成り行きで射殺する。居合わせたリヴェロ曰く、その保安官代理こそ、密通者の片割れだった。
 “リオ・ロボ”は他からやって来た男に牛耳られて無法の町になっており、ミッチャムの牧場も乗っ取りにあおうとしているらしい。大佐はリヴェロとオニールを連れて、“リオ・ロボ”に乗り込むのだが・・・という話。

 暴力にモノを言わせて町を牛耳るというのは、マカロニ・ウェスタン擬き(もどき)の設定で、オープニングのタイトル・バックが演奏されているギターの大写しというものマカロニの臭いがする。
 敵味方がハッキリしていて、敵のアジトに乗り込んだり、人質の交換があったりと、黒澤映画などとも共通する痛快な男性映画の趣。ジェニファーさんも馬に乗ったり拳銃をぶっ放したりと、勇ましいところを見せ、乗馬姿もなかなかイカシテました。
 西部劇好きには充分楽しめる一編ですね。

 クリストファー・ミッチャムは、ご存じロバート・ミッチャムの息子で、映画でミッチャムの父親を演じていたのは、一度見たら忘れられない顔の持ち主ジャック・イーラム(↓)。
 頑固者の飲んべぇのオヤジさんは、手元も危なっかしいのに、肝心なところでショットガンをドカン!とやるのが面白い。



・お薦め度【★★=悪くはないけどネ】 テアトル十瑠

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