(2002/スティーヴン・ダルドリー監督/ニコール・キッドマン、ジュリアン・ムーア、メリル・ストリープ、エド・ハリス、クレア・デインズ)
ニコール・キッドマンがオスカーを獲った作品として気になっていた。原題は「THE HOURS」。最近珍しく、カタカナ名でない日本語タイトルです。
以前別の映画の予告編で、違う時間と場所のストーリーが平行して語られるような話と紹介されていたので、その辺もどんな風になっているか気になって見た。
ひとつは、1923年のイギリス、リッチモンドの女性作家の話。もう一つは1951年のロサンゼルス、小さな男の子と旦那のいる若い奥さんの話。三つ目は2001年のニューヨーク、女性編集者の話。
これら三つの話が切れ切れに語られるわけだが、元々せりふの少ない情緒的なシーンが多いので、序盤はとくにストーリーが見えにくい。マイケル・カニンガムという人が書いて、ピュリッツァー賞を受賞したベストセラー小説が原作。
1923年の主人公は女性作家で、演じるのはキッドマン。付け鼻をしているんでしょう、ちょっと雰囲気が違います。後で調べると、この作家は“ヴァージニア・ウルフ”だそうです。マイク・ニコルズ作品「バージニア・ウルフなんかこわくない(1966)」で名前は知ってるんですが、どんな本を書いていたのかは知りません。
で、この女性が初っぱなに川に入水自殺をするシーンがあるんですな。ここで、ちょっと暗そうな映画だなと分かります。神経質な彼女を気遣い、ご主人はロンドンからリッチモンドへ引っ越したんですが、この田舎でも彼女の神経は安らぐことが出来なかったようです。
そして、1951年の家庭の主婦を演じるのはジュリアン・ムーア。その日が誕生日の出勤する旦那を見送った後、可愛い息子と一緒に、ご主人の誕生日パーティーのケーキを作ったりするが、どこか思い詰めたような表情をしている。子宮の病気で入院する女友達が訪ねて来たりするが、この女性との関係も意味深でいまいち分からない。彼女が時々読んでいる本が、どうやら”ヴァージニア・ウルフ”の本らしい。ネットで調べると、『ダロウェイ夫人』という本。
1923年の話に出てくるキッドマンが書いているのがこの『ダロウェイ夫人』で、どうも死を扱っているらしい。
なんとなく、繋がってきましたな。
さて、最後のニューヨークの話の主人公は、メリル・ストリープが演じている。この女性編集者は、先の二人の女性ほどエキセントリックではないんだが、彼氏らしい詩人で作家(エド・ハリス)が、ちょっと病的。別のアパートに住んでいて、どうやら本当に病気らしい。その彼が何かの賞を獲ったというので、私的なお祝いパーティーを開こうと世話をやいている一日が描かれている。
三つの話を個別に観るとストーリーとしては割と単純な話なんですが、最終的には僕にはよく分からない作品でした。
「ペイ・フォワード」も二つの時間を持つ話が、最後に繋がっていくのがジワジワと分かってきて面白かったんですが、この作品はその面白さは稀薄です。ついでにいうと、村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」も面白かった。全然違う二つの話が、最後に意外な繋がり方をする。最後はドキドキします。
この映画も、話を二つくらいにしとけばもっと面白くなったかもネ。
人生をペシミスティックに捉えている人には、何かを感じさせる映画かも・・・。
ストリープの娘役にクレア・デインズ(ターミネーター3、レインメーカー)が出ています。
ニコール・キッドマンがオスカーを獲った作品として気になっていた。原題は「THE HOURS」。最近珍しく、カタカナ名でない日本語タイトルです。
以前別の映画の予告編で、違う時間と場所のストーリーが平行して語られるような話と紹介されていたので、その辺もどんな風になっているか気になって見た。
ひとつは、1923年のイギリス、リッチモンドの女性作家の話。もう一つは1951年のロサンゼルス、小さな男の子と旦那のいる若い奥さんの話。三つ目は2001年のニューヨーク、女性編集者の話。
これら三つの話が切れ切れに語られるわけだが、元々せりふの少ない情緒的なシーンが多いので、序盤はとくにストーリーが見えにくい。マイケル・カニンガムという人が書いて、ピュリッツァー賞を受賞したベストセラー小説が原作。
1923年の主人公は女性作家で、演じるのはキッドマン。付け鼻をしているんでしょう、ちょっと雰囲気が違います。後で調べると、この作家は“ヴァージニア・ウルフ”だそうです。マイク・ニコルズ作品「バージニア・ウルフなんかこわくない(1966)」で名前は知ってるんですが、どんな本を書いていたのかは知りません。
で、この女性が初っぱなに川に入水自殺をするシーンがあるんですな。ここで、ちょっと暗そうな映画だなと分かります。神経質な彼女を気遣い、ご主人はロンドンからリッチモンドへ引っ越したんですが、この田舎でも彼女の神経は安らぐことが出来なかったようです。
そして、1951年の家庭の主婦を演じるのはジュリアン・ムーア。その日が誕生日の出勤する旦那を見送った後、可愛い息子と一緒に、ご主人の誕生日パーティーのケーキを作ったりするが、どこか思い詰めたような表情をしている。子宮の病気で入院する女友達が訪ねて来たりするが、この女性との関係も意味深でいまいち分からない。彼女が時々読んでいる本が、どうやら”ヴァージニア・ウルフ”の本らしい。ネットで調べると、『ダロウェイ夫人』という本。
1923年の話に出てくるキッドマンが書いているのがこの『ダロウェイ夫人』で、どうも死を扱っているらしい。
なんとなく、繋がってきましたな。
さて、最後のニューヨークの話の主人公は、メリル・ストリープが演じている。この女性編集者は、先の二人の女性ほどエキセントリックではないんだが、彼氏らしい詩人で作家(エド・ハリス)が、ちょっと病的。別のアパートに住んでいて、どうやら本当に病気らしい。その彼が何かの賞を獲ったというので、私的なお祝いパーティーを開こうと世話をやいている一日が描かれている。
三つの話を個別に観るとストーリーとしては割と単純な話なんですが、最終的には僕にはよく分からない作品でした。
「ペイ・フォワード」も二つの時間を持つ話が、最後に繋がっていくのがジワジワと分かってきて面白かったんですが、この作品はその面白さは稀薄です。ついでにいうと、村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」も面白かった。全然違う二つの話が、最後に意外な繋がり方をする。最後はドキドキします。
この映画も、話を二つくらいにしとけばもっと面白くなったかもネ。
人生をペシミスティックに捉えている人には、何かを感じさせる映画かも・・・。
ストリープの娘役にクレア・デインズ(ターミネーター3、レインメーカー)が出ています。
・お薦め度【★★=悪くはないけどネ】
後半は「そういう事か・・」とは思ったけど、もう1回観ないと納得(?)できそうもありません。
私も『ペイ・フォワード』の方が面白く観れたような気がします。
最後に出てきたおばあちゃん(=”怪物”)の後悔する姿が、この作品の救いでしょうか。
なんとなく、作者の言いたいことが解ってきたような気がしました。