(1979/ジョージ・ロイ・ヒル監督/ダイアン・レイン、テロニアス・ベロナール、ローレンス・オリヴィエ、アーサー・ヒル、サリー・ケラーマン、ブロデリック・クロフォード、デヴィッド・デュークス、アンナ・マッセイ/109分)
封切りで観てから凡そ33年ぶり、多分、途中でTV吹き替え版も観たような気もするんですけど、残っている記憶は33年前のモノではないかと思ってます。内容は殆ど主役の3人のイメージだけですけどネ。
レンタルDVDの鑑賞。1週間前に余裕で借りてきたのに、その後忙しくなって、返却当日にようやく観れました。
ポートレイトクイズで、「可愛かったローレン」というタイトルで紹介したダイアン・レインの映画デビュー作にして初主演の作品であります。1965年生まれですから撮影当時13歳(or14歳)。きゃわいいなぁ。
オープニングがいきなり「明日に向って撃て!」のフランス語吹き替え版が映画館で流れているシーンで、これは主役のフレンチ少年ダニエル(ベロナール)が学校帰りに観ているという設定でした。つまりこの少年が映画が大好きという役で、それもアメリカ映画が好きらしくて、この後もタイトルバックにハンフリー・ボガードとローレン・バコールが共演しているモノクロ作品やジョン・ウェインの「勇気ある追跡」、ドヌーヴとバート・レイノルズ共演の「ハッスル」のシーンが少しずつ流れていきます。
終盤では、ベニスで日没を待つ間にもダニエルとローレンが映画館に入り、その時に上映されていたのが「スティング」と、なんだかヒル監督の手前味噌的な味付けがなされていました。
以前、主演のダイアン・レインに対する書簡形式で記事を書いた「トスカーナの休日」の中でこの映画にも触れたのですが、明らかにイタリアが舞台のお話との印象を持っていたらしく、これは中途半端な記憶でした。映画の後半でローレンとダニエル、そしてローレンス・オリヴィエ扮する老人ジュリアスがベローナやヴェニスに旅をしますが、ダニエルはパリのタクシー運転手の息子だし、ローレンもアメリカ人だけど三人目の父親の仕事の関係でパリに住んでいて、物語の舞台設定はとりあえずパリなのでした。
ローレンの母親で三回目の結婚生活をしているのがサリー・ケラーマン扮するケイ。
国際電話会社のヨーロッパ支社長をしている夫リチャードともうまくいっているのに、最近は若い映画監督のジョージ(デュークス)のパトロン的な活動に夢中で、その日もベルサイユ宮殿での新作映画の撮影見物にローレン同伴で出かけたところ、折りしも学校の課外授業で宮殿にやって来たダニエルが撮影現場に忍び込み、ひとり手持ち無沙汰にしているローレンに出逢った次第。最初は「ローレン」という名前に反応して僕はボギーだよと自己紹介するんだけど、ローレン・バコールとハンフリー・ボガードのロマンスを知らないローレンはきょとんとするというシーンもありました。
ローレンは母親がジョージに夢中なのが嫌なんですね。なにしろバツ2ですし、夫がいながら余所の男といちゃいちゃしてるのもみっともない。しかし彼女はIQ167の頭脳優秀な少女なので、母親を攻めたりはしない。但し娘なりに精神的な防御方法は心得ていて、今の父親を「パパ」とは呼ばないんです。何故なら彼女曰く、「パパ」でなくなった時に寂しくなるから。アーサー・ヒル扮するリチャードが継父としてとても出来た人物なのでローレンのいじらしさがより強く感じられるんですよね。
ベルサイユでの出逢いで次のデートを約束した二人は、徐々に互いが似たもの同士であることに気付くわけですが、ローレンの誕生日パーティーで、ダニエルとジョージとのちょっとしたトラブルがあり、ケイはローレンにダニエルとの付き合いを止めるように言います。全ての問題を解決する為に、リチャードは数週間前に会社から打診のあったヒューストン転勤に応じることにし、それを聞いたローレンが、イタリアを離れる前にダニエルとベニスに行こうと家出をするのが後半のメインストーリーになるわけです。
何故ベニスなのか?
それを説明するためには、もう一人の主要人物ローレンス・オリヴィエの役どころを紹介しなければなりません。
ローレンとダニエルの初デートの際に、公園を歩いていて突然飛んできたサッカーボールを転がってきた方向にダニエルが蹴り返し、そのボールが当たって倒れてしまう老人の役が彼でした。
亡き妻の月命日の墓参りに行くところだという老人は、平謝りする少年少女をこれも何かの縁だとカフェに誘います。外交官の補佐をしていたという彼の数々の外国の思い出話をダニエルは胡散臭そうに聞いていますが、好感を持ったらしいローレンは、特にベニスでの話に興味を持ちます。
ベニスのゴンドラに乗り、日没の瞬間、“ため息の橋”の下で教会の鐘の音を聴きながらキスをした恋人たちは永遠の愛を手にすることができるという《サンセット・キッス》の伝説。
ダニエルとの別れを意識したローレンが、この伝説を実行しようと思ったわけですネ。
パリからベニスに行くにはとりあえずはお金が必要。しかも、フランスからイタリアに行くのにビザは要らないけれど、子供だけでは国境を越えられない。お金はダニエルが得意な競馬で稼ぐにしても子供は馬券が買えない。ということで、彼等に協力してくれる大人が要るわけですが、そこで彼(か)の老人の再登場となるわけです。
ジュリアスを引き込むのにローレンは病気の母親がベニスにいると嘘をつき、両親にも友達の所に行くと言って家出をする。そしてダニエルにも《サンセット・キッス》の話はしていない。
ケイに嘘がばれ、しかも3人でイタリアに向かったことも知られる。ローレンが途中の駅から友達のナタリーに電話をかけ、彼女の勘違いから、家出だけではなく誘拐も視野に入れて警察が動き出す。それはローレンとダニエルにとっても勿論のこと、彼等以上にジュリアスにとって、極めてまずい想定外のトラブル発生となるのですが・・・。
双葉さんの「外国映画ぼくの500本」にも入っている名作(☆☆☆☆=80点)ですが、実は33年前に観た時にそれ程の感銘を受けなかった映画でした。
オスカーに脚色賞でノミネートされた本は、登場人物の設定も悪くないし、特に老人の扱いは後半のハラハラする展開を無理なく引き出しているし、なによりヒル監督の語り口が省略が効いて巧い。前半のベルサイユ宮殿や後半のベローナ、ベニスの美しい風景の取り入れ方も、観光映画としても成り立つような素晴らしさなのですが、テーマである思春期の“ロマンス”としての味わいはどうかというと、若干物足りなさを感じるんですね。
“リトル・ロマンス”として思い出す、「耳をすませば」、「小さな恋のメロディ」と比べても(ダニエルとローレンは年齢的にはこの2作の中間あたりか)、甘酸っぱい少年少女の恋心の表現が弱いと感じたのですが如何でしょうか? ストーリーが面白すぎてロマンス度が下がった?
オジサン的にはお薦め度は、限りなく★★★★に近い★★★。個人的に頭脳優秀な少年少女への共感力が弱いせいもあるかもしれないので、その辺が豊富な方には★★★★★にもなりうる作品ではありましょう。
う~ン、やっぱお話の面白さとダイアンの可愛さに★一つおまけだな!
「ベニスのゴンドラの上でサンセット・キッスをすると、恋人たちは永遠に結ばれるという言い伝えを信じて、水の都を駆け回る小さなカップル。そんな話でしたよね。なにせ30年近く前の事なので、それ以外のストーリーを忘れてしまって・・。是非とももう一度観たいと思っています。そして、それがDVDなら、大人になった貴女が当時を語っている特典映像があればとても嬉しいです。ロイ・ヒル監督やサー・ローレンス・オリヴィエについても語ってくれてたら、もっと嬉しい!」
「トスカーナの休日」の中でこんな事(↑)も書いてましたが、今回のDVDにちゃんとありました、ダイアンのインタビュー映像。かなり低めのトーンになった大人の声で彼女が当時の事を思い出しながら話をしてくれています。
NYで子役として舞台に立っていた彼女をヒル監督が認め、この映画に誘ってくれたこと。スクリーン・テストを受けるために初めて西海岸のマリブに行ったこと。当時は意識しなかったけど、この映画への出演によって自分の子供時代は終わり、役者人生が始まったのだと語っておりました。
オリヴィエは既に“サー”となっていたけれど、そのことによって周りとの壁が出来ることを嫌い、とてもフランクに接していたと語っていました。「ラリー」という愛称の彼を、ダイアンは「ラリー卿」と呼んでいたこと。オリヴィエは彼女を「グレース・ケリーの再来」だと人には紹介してくれたこと。オリヴィエとの別れは辛くて、ラストの別れのシーンでは私情を込めてハグをしたことなどを、当時を思い出したのかちょっぴり瞳を潤ませながら話していました。
1979年のアカデミー賞では、前述したように脚色賞(アラン・バーンズ)にノミネート、トリュフォー作品でもお馴染みのベテラン、ジョルジュ・ドルリューが作曲賞を受賞したそうです。<ヴィヴァルディのリュート協奏曲をモチーフ>としたスコアは、まさに思春期の子供たちを描くのにピッタリのBGMでした。尚、フランス人がオスカーを獲ったのはこの時が初めてだったらしいです。
「M★A★S★H マッシュ (1970)」のイメージが強いサリー・ケラーマンが、意外にもイメージ以上に美人だったことに驚いたのも記しておきましょう。今回も勘違い女の役でありましたな。
それとヒッチコックの「フレンジー (1972)」で途中で犯人に殺される(主人公の)恋人を演じたアンナ・マッセイが、美術館を案内する先生役で出ていました。
▼(ネタバレ注意)
ネタバレはジュリアスについて。
オリヴィエ扮するこの老人は、最初からダニエルが怪しいと睨んだ通り前科もんでありました。詐欺師でありスリの名人でもあり、よってイタリアへの旅が誘拐かもと疑われた時点で、非常に彼にとってはまずい事になったわけです。
「ロミオとジュリエット」の舞台となったベローナからベニスに向かう途中で彼の正体が子供たちにばれ、《サンセット・キッス》の話も嘘だったのかとローレンはガックリするわけですが、逆に伝説は実行することによって本物になると彼に言われ、再びベニスに向かう元気を与えられたのでした。
▲(解除)
封切りで観てから凡そ33年ぶり、多分、途中でTV吹き替え版も観たような気もするんですけど、残っている記憶は33年前のモノではないかと思ってます。内容は殆ど主役の3人のイメージだけですけどネ。
レンタルDVDの鑑賞。1週間前に余裕で借りてきたのに、その後忙しくなって、返却当日にようやく観れました。
ポートレイトクイズで、「可愛かったローレン」というタイトルで紹介したダイアン・レインの映画デビュー作にして初主演の作品であります。1965年生まれですから撮影当時13歳(or14歳)。きゃわいいなぁ。
オープニングがいきなり「明日に向って撃て!」のフランス語吹き替え版が映画館で流れているシーンで、これは主役のフレンチ少年ダニエル(ベロナール)が学校帰りに観ているという設定でした。つまりこの少年が映画が大好きという役で、それもアメリカ映画が好きらしくて、この後もタイトルバックにハンフリー・ボガードとローレン・バコールが共演しているモノクロ作品やジョン・ウェインの「勇気ある追跡」、ドヌーヴとバート・レイノルズ共演の「ハッスル」のシーンが少しずつ流れていきます。
終盤では、ベニスで日没を待つ間にもダニエルとローレンが映画館に入り、その時に上映されていたのが「スティング」と、なんだかヒル監督の手前味噌的な味付けがなされていました。
以前、主演のダイアン・レインに対する書簡形式で記事を書いた「トスカーナの休日」の中でこの映画にも触れたのですが、明らかにイタリアが舞台のお話との印象を持っていたらしく、これは中途半端な記憶でした。映画の後半でローレンとダニエル、そしてローレンス・オリヴィエ扮する老人ジュリアスがベローナやヴェニスに旅をしますが、ダニエルはパリのタクシー運転手の息子だし、ローレンもアメリカ人だけど三人目の父親の仕事の関係でパリに住んでいて、物語の舞台設定はとりあえずパリなのでした。
ローレンの母親で三回目の結婚生活をしているのがサリー・ケラーマン扮するケイ。
国際電話会社のヨーロッパ支社長をしている夫リチャードともうまくいっているのに、最近は若い映画監督のジョージ(デュークス)のパトロン的な活動に夢中で、その日もベルサイユ宮殿での新作映画の撮影見物にローレン同伴で出かけたところ、折りしも学校の課外授業で宮殿にやって来たダニエルが撮影現場に忍び込み、ひとり手持ち無沙汰にしているローレンに出逢った次第。最初は「ローレン」という名前に反応して僕はボギーだよと自己紹介するんだけど、ローレン・バコールとハンフリー・ボガードのロマンスを知らないローレンはきょとんとするというシーンもありました。
ローレンは母親がジョージに夢中なのが嫌なんですね。なにしろバツ2ですし、夫がいながら余所の男といちゃいちゃしてるのもみっともない。しかし彼女はIQ167の頭脳優秀な少女なので、母親を攻めたりはしない。但し娘なりに精神的な防御方法は心得ていて、今の父親を「パパ」とは呼ばないんです。何故なら彼女曰く、「パパ」でなくなった時に寂しくなるから。アーサー・ヒル扮するリチャードが継父としてとても出来た人物なのでローレンのいじらしさがより強く感じられるんですよね。
ベルサイユでの出逢いで次のデートを約束した二人は、徐々に互いが似たもの同士であることに気付くわけですが、ローレンの誕生日パーティーで、ダニエルとジョージとのちょっとしたトラブルがあり、ケイはローレンにダニエルとの付き合いを止めるように言います。全ての問題を解決する為に、リチャードは数週間前に会社から打診のあったヒューストン転勤に応じることにし、それを聞いたローレンが、イタリアを離れる前にダニエルとベニスに行こうと家出をするのが後半のメインストーリーになるわけです。
何故ベニスなのか?
それを説明するためには、もう一人の主要人物ローレンス・オリヴィエの役どころを紹介しなければなりません。
ローレンとダニエルの初デートの際に、公園を歩いていて突然飛んできたサッカーボールを転がってきた方向にダニエルが蹴り返し、そのボールが当たって倒れてしまう老人の役が彼でした。
亡き妻の月命日の墓参りに行くところだという老人は、平謝りする少年少女をこれも何かの縁だとカフェに誘います。外交官の補佐をしていたという彼の数々の外国の思い出話をダニエルは胡散臭そうに聞いていますが、好感を持ったらしいローレンは、特にベニスでの話に興味を持ちます。
ベニスのゴンドラに乗り、日没の瞬間、“ため息の橋”の下で教会の鐘の音を聴きながらキスをした恋人たちは永遠の愛を手にすることができるという《サンセット・キッス》の伝説。
ダニエルとの別れを意識したローレンが、この伝説を実行しようと思ったわけですネ。
パリからベニスに行くにはとりあえずはお金が必要。しかも、フランスからイタリアに行くのにビザは要らないけれど、子供だけでは国境を越えられない。お金はダニエルが得意な競馬で稼ぐにしても子供は馬券が買えない。ということで、彼等に協力してくれる大人が要るわけですが、そこで彼(か)の老人の再登場となるわけです。
ジュリアスを引き込むのにローレンは病気の母親がベニスにいると嘘をつき、両親にも友達の所に行くと言って家出をする。そしてダニエルにも《サンセット・キッス》の話はしていない。
ケイに嘘がばれ、しかも3人でイタリアに向かったことも知られる。ローレンが途中の駅から友達のナタリーに電話をかけ、彼女の勘違いから、家出だけではなく誘拐も視野に入れて警察が動き出す。それはローレンとダニエルにとっても勿論のこと、彼等以上にジュリアスにとって、極めてまずい想定外のトラブル発生となるのですが・・・。
双葉さんの「外国映画ぼくの500本」にも入っている名作(☆☆☆☆=80点)ですが、実は33年前に観た時にそれ程の感銘を受けなかった映画でした。
オスカーに脚色賞でノミネートされた本は、登場人物の設定も悪くないし、特に老人の扱いは後半のハラハラする展開を無理なく引き出しているし、なによりヒル監督の語り口が省略が効いて巧い。前半のベルサイユ宮殿や後半のベローナ、ベニスの美しい風景の取り入れ方も、観光映画としても成り立つような素晴らしさなのですが、テーマである思春期の“ロマンス”としての味わいはどうかというと、若干物足りなさを感じるんですね。
“リトル・ロマンス”として思い出す、「耳をすませば」、「小さな恋のメロディ」と比べても(ダニエルとローレンは年齢的にはこの2作の中間あたりか)、甘酸っぱい少年少女の恋心の表現が弱いと感じたのですが如何でしょうか? ストーリーが面白すぎてロマンス度が下がった?
オジサン的にはお薦め度は、限りなく★★★★に近い★★★。個人的に頭脳優秀な少年少女への共感力が弱いせいもあるかもしれないので、その辺が豊富な方には★★★★★にもなりうる作品ではありましょう。
う~ン、やっぱお話の面白さとダイアンの可愛さに★一つおまけだな!
「ベニスのゴンドラの上でサンセット・キッスをすると、恋人たちは永遠に結ばれるという言い伝えを信じて、水の都を駆け回る小さなカップル。そんな話でしたよね。なにせ30年近く前の事なので、それ以外のストーリーを忘れてしまって・・。是非とももう一度観たいと思っています。そして、それがDVDなら、大人になった貴女が当時を語っている特典映像があればとても嬉しいです。ロイ・ヒル監督やサー・ローレンス・オリヴィエについても語ってくれてたら、もっと嬉しい!」
「トスカーナの休日」の中でこんな事(↑)も書いてましたが、今回のDVDにちゃんとありました、ダイアンのインタビュー映像。かなり低めのトーンになった大人の声で彼女が当時の事を思い出しながら話をしてくれています。
NYで子役として舞台に立っていた彼女をヒル監督が認め、この映画に誘ってくれたこと。スクリーン・テストを受けるために初めて西海岸のマリブに行ったこと。当時は意識しなかったけど、この映画への出演によって自分の子供時代は終わり、役者人生が始まったのだと語っておりました。
オリヴィエは既に“サー”となっていたけれど、そのことによって周りとの壁が出来ることを嫌い、とてもフランクに接していたと語っていました。「ラリー」という愛称の彼を、ダイアンは「ラリー卿」と呼んでいたこと。オリヴィエは彼女を「グレース・ケリーの再来」だと人には紹介してくれたこと。オリヴィエとの別れは辛くて、ラストの別れのシーンでは私情を込めてハグをしたことなどを、当時を思い出したのかちょっぴり瞳を潤ませながら話していました。
1979年のアカデミー賞では、前述したように脚色賞(アラン・バーンズ)にノミネート、トリュフォー作品でもお馴染みのベテラン、ジョルジュ・ドルリューが作曲賞を受賞したそうです。<ヴィヴァルディのリュート協奏曲をモチーフ>としたスコアは、まさに思春期の子供たちを描くのにピッタリのBGMでした。尚、フランス人がオスカーを獲ったのはこの時が初めてだったらしいです。
「M★A★S★H マッシュ (1970)」のイメージが強いサリー・ケラーマンが、意外にもイメージ以上に美人だったことに驚いたのも記しておきましょう。今回も勘違い女の役でありましたな。
それとヒッチコックの「フレンジー (1972)」で途中で犯人に殺される(主人公の)恋人を演じたアンナ・マッセイが、美術館を案内する先生役で出ていました。
▼(ネタバレ注意)
ネタバレはジュリアスについて。
オリヴィエ扮するこの老人は、最初からダニエルが怪しいと睨んだ通り前科もんでありました。詐欺師でありスリの名人でもあり、よってイタリアへの旅が誘拐かもと疑われた時点で、非常に彼にとってはまずい事になったわけです。
「ロミオとジュリエット」の舞台となったベローナからベニスに向かう途中で彼の正体が子供たちにばれ、《サンセット・キッス》の話も嘘だったのかとローレンはガックリするわけですが、逆に伝説は実行することによって本物になると彼に言われ、再びベニスに向かう元気を与えられたのでした。
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・お薦め度【★★★★=友達にも薦めて】
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