(1969/ジョージ・ロイ・ヒル監督/ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、キャサリン・ロス)
思い出の作品から。
2002年12月に亡くなった(享年80歳)、ジョージ・ロイ・ヒル監督の大ヒット西部劇。ジョン・フォードやハワード・ホークスとはひと味もふた味も違う新感覚の西部劇で、アメリカン・ニューシネマの一作とされている。
途中で流れるB・J・トーマスの「雨にぬれても」は、ハル・デヴィットとバート・バカラックの作品で、この年のアカデミー賞の音楽部門を受賞し、こちらも大ヒットした。
「卒業」でファンとなったダスティン・ホフマンとキャサリン・ロスのうち、K・ロスの方を追っていて巡りあった作品だ。そして、ここでレッドフォードと出会い彼の作品を過去に遡ったりして観るようになった。
キャシーとボブは同じ年に「夕陽に向って走れ」でも共演したが、名前は似ていても全然違う作品で、二人が絡むシーンもほとんどない。
さて、「雨にぬれても」が流れるのは、P・ニューマンとK・ロスが自転車に乗って遊んでいるシーンである。詳しくは知らないが、自転車が出てくるくらいだから西部開拓時代も終わりの頃の話なんだろう。
原題は「BUTCH CASSIDY AND THE SUNDANCE KID=ブッチ・キャシディとサンダンス・キッド」。なんでも、西部史に名高い実在したアウトローということで、映画では、人を撃ったことのないガンマン、ブッチをニューマンが、早撃ち名人のキッドをレッドフォードが演じている。当時のパンフレットには本物の写真も載っていたが、ブッチはP・ニューマンとは似ても似つかぬ、ジャガイモのような顔の御仁で、キッドの方は鼻髭の似合ったいい男だった。エッタも出ていたが、忘れた。キャシーより丸顔だったような気がする。
二人は堅気の仕事がしたくないガンマンで、悪仲間と一緒に列車を襲い、運ばれている銀行のお金を盗む。計画を立てるのはいつもブッチだ。彼は、更にこの列車が折り返して帰るところも襲おうと言う。銀行側も、まさか同じ列車を二度も襲うギャングはいないだろうと思っているから、というのがブッチの考えだ。ところが、この帰りの列車には銀行が雇ったのか、大勢の追っ手が乗っていて、ブッチの仲間は散り散りに逃げることとなる。
追っ手の先頭で指揮を執っているのは、白いカンカン帽の男。キッドと二人になって逃げるブッチだったが、カンカン帽は的確に二人だけに照準を絞っているように追いつめてくる。
このシーンは、カンカン帽側からのショットはなく、常に追われている側からの映像しかないので、緊迫感が持続する。このシーンでのロング・ショットは当時の語り草となったし、崖の上に追いつめられた二人が川に飛び込むシーンでは、サンダンス・キッドの秘密が明かされる。
これに懲りた二人は、新天地を求めて南米ボリビアへ行く。サンダンスの彼女エッタは、なんと学校の教師をしていたらしいんだが、南米で言葉の通じない二人を心配して一緒に付いていく。ボリビアではまともな仕事をするつもりの二人だったのだが・・・。
これ以上書くとネタバレ全開となりますのでヤメときましょう。
音は流れてもストップ・モーションで終わったラストシーンが、ニューシネマらしいアイデアでした。good job!
髭の似合ったレッドフォードが髭を落とし、反対に髭をつけたニューマンが再びコンビを組んだのが、ロイ・ヒル監督の73年の作品「スティング」で、これも大好きな作品だが、これでロイ・ヒル監督はオスカーを獲った。
「明日に向って撃て!」は英国アカデミー賞では、1970年の作品賞、主演男優賞(ロバート・レッドフォード、ポール・ニューマン)、主演女優賞、監督賞、脚本賞、撮影賞、編集賞、音響賞など、総なめといっていいように受賞したらしい。
米国アカデミーでは、脚本賞(ウィリアム・ゴールドマン)と撮影賞(コンラッド・L・ホール)は獲ったものの、監督賞はノミネートに終わった。
そういえばこの映画の撮影後、キャシーはコンラッド・L・ホールと同棲を始めたとの噂があったなあ。ネットで調べると、なんと1984年にサム・エリオットと4度目の結婚をし、一児をもうけたとのことだ。 84年といえば41歳か。頑張るなあ。サム・エリオットはこの映画にも出ていたのに、その時はスルーしちゃったのねえ。
思い出の作品から。
2002年12月に亡くなった(享年80歳)、ジョージ・ロイ・ヒル監督の大ヒット西部劇。ジョン・フォードやハワード・ホークスとはひと味もふた味も違う新感覚の西部劇で、アメリカン・ニューシネマの一作とされている。
途中で流れるB・J・トーマスの「雨にぬれても」は、ハル・デヴィットとバート・バカラックの作品で、この年のアカデミー賞の音楽部門を受賞し、こちらも大ヒットした。
「卒業」でファンとなったダスティン・ホフマンとキャサリン・ロスのうち、K・ロスの方を追っていて巡りあった作品だ。そして、ここでレッドフォードと出会い彼の作品を過去に遡ったりして観るようになった。
キャシーとボブは同じ年に「夕陽に向って走れ」でも共演したが、名前は似ていても全然違う作品で、二人が絡むシーンもほとんどない。
さて、「雨にぬれても」が流れるのは、P・ニューマンとK・ロスが自転車に乗って遊んでいるシーンである。詳しくは知らないが、自転車が出てくるくらいだから西部開拓時代も終わりの頃の話なんだろう。
原題は「BUTCH CASSIDY AND THE SUNDANCE KID=ブッチ・キャシディとサンダンス・キッド」。なんでも、西部史に名高い実在したアウトローということで、映画では、人を撃ったことのないガンマン、ブッチをニューマンが、早撃ち名人のキッドをレッドフォードが演じている。当時のパンフレットには本物の写真も載っていたが、ブッチはP・ニューマンとは似ても似つかぬ、ジャガイモのような顔の御仁で、キッドの方は鼻髭の似合ったいい男だった。エッタも出ていたが、忘れた。キャシーより丸顔だったような気がする。
二人は堅気の仕事がしたくないガンマンで、悪仲間と一緒に列車を襲い、運ばれている銀行のお金を盗む。計画を立てるのはいつもブッチだ。彼は、更にこの列車が折り返して帰るところも襲おうと言う。銀行側も、まさか同じ列車を二度も襲うギャングはいないだろうと思っているから、というのがブッチの考えだ。ところが、この帰りの列車には銀行が雇ったのか、大勢の追っ手が乗っていて、ブッチの仲間は散り散りに逃げることとなる。
追っ手の先頭で指揮を執っているのは、白いカンカン帽の男。キッドと二人になって逃げるブッチだったが、カンカン帽は的確に二人だけに照準を絞っているように追いつめてくる。
このシーンは、カンカン帽側からのショットはなく、常に追われている側からの映像しかないので、緊迫感が持続する。このシーンでのロング・ショットは当時の語り草となったし、崖の上に追いつめられた二人が川に飛び込むシーンでは、サンダンス・キッドの秘密が明かされる。
これに懲りた二人は、新天地を求めて南米ボリビアへ行く。サンダンスの彼女エッタは、なんと学校の教師をしていたらしいんだが、南米で言葉の通じない二人を心配して一緒に付いていく。ボリビアではまともな仕事をするつもりの二人だったのだが・・・。
これ以上書くとネタバレ全開となりますのでヤメときましょう。
音は流れてもストップ・モーションで終わったラストシーンが、ニューシネマらしいアイデアでした。good job!
髭の似合ったレッドフォードが髭を落とし、反対に髭をつけたニューマンが再びコンビを組んだのが、ロイ・ヒル監督の73年の作品「スティング」で、これも大好きな作品だが、これでロイ・ヒル監督はオスカーを獲った。
「明日に向って撃て!」は英国アカデミー賞では、1970年の作品賞、主演男優賞(ロバート・レッドフォード、ポール・ニューマン)、主演女優賞、監督賞、脚本賞、撮影賞、編集賞、音響賞など、総なめといっていいように受賞したらしい。
米国アカデミーでは、脚本賞(ウィリアム・ゴールドマン)と撮影賞(コンラッド・L・ホール)は獲ったものの、監督賞はノミネートに終わった。
そういえばこの映画の撮影後、キャシーはコンラッド・L・ホールと同棲を始めたとの噂があったなあ。ネットで調べると、なんと1984年にサム・エリオットと4度目の結婚をし、一児をもうけたとのことだ。 84年といえば41歳か。頑張るなあ。サム・エリオットはこの映画にも出ていたのに、その時はスルーしちゃったのねえ。
・お薦め度【★★★★=友達にも薦めて】
<ブッチはP・ニューマンとは似ても似つかぬ、ジャガイモのような顔
私もネットで検索してその顔写真見ました^^;)。まさしくジャガイモのような…。P・ニューマン演じる知的でどこか紳士的な雰囲気は全然感じられない顔でした。P・ニューマンには粗野でアホなキャラは似合わないですねー。
<記事の訂正>
今回の録画分、少しだけ観直しましたが、列車に乗っていた銀行の追っ手は同じ列車でなく後からやって来たヤツに乗ってました。記憶で書くと、ちょっとした間違いがあるものです。
この映画では、早撃ちキッドのレッドフォードがとても格好良かったです。ちょっとだけ観直した部分でも、やはりレッドフォードの演技が細かいところにも気を使っているのが分かって、楽しかったですね。
「明日に向って撃て!」に2つTBさせていただきました。ひょっとしたら「ロバート・レッドフォード自らを語る」の方にもTBしてしまったかもしれない。すみません。削除ください(ペコリ)
最後は、このラストシーンを観たくって(勿論、初めから嵌ってますけど)、何度観たことか!
今見ても、何時見ても、初めて観たときの気持のまんまで観れる映画。私の青春映画です。
同じく。と言うことは同年代ということですかな。
60年代後半から70年代の前半が一番映画館に通った時代で、映画雑誌もよく読んでいました。
この頃に吸収したものはなかなか忘れないもんですね。
BS放送は勿論録画しましたが、先日は「スティング」もあってて、どちらも数回観直しました。
いやーっ!何度観ても面白い
ニューシネマの定義もあやふやで、これは又違う分け方をしなければいけないし、難しいです。
「荒野の決闘」も「シェーン」も好きですが、コレも好きです。
>カンカン帽側からのショットはなく・・・緊迫感
この感性が正解だと思うなあ。Allcinemaにあったカンカン帽はもっと怖く描かなければならない(つまり、こちら側からのショットも入れろ、ということでしょう)意見は逆ですよね。
>西部開拓時代の終わり
結局「ワイルド・バンチ」と似たテーマの作品ですね。奇しくもブッチ・キャシディとサンダンス・キッドはワイルド・バンチというグループを組んでいたらしいですが。
>ジャンル
当時はともかく、タランティーノの西部劇もどきを見た後には、すご~く西部劇らしく感じます(笑)。
Allcinemaに幾つか見られる「演出がない」というのはどういう意味なんでしょうかねえ。
午後遅く福岡市内への帰路に着こうとした時に、まさにバケツをひっくり返したような雨。
今日は雷はなりませんでしたが、福岡でも夏特有の雷雨が続いておりますね。かつては夕立と言ったもんですが・・・。
>こちら側からのショットも入れろ・・
追う側のショットよりは、追われる側のショットの方が緊迫感は増す。ヒッチコック作品を観れば良~く分かるんですがネ。
映画製作の真摯さが感じられて、とてもよかった。
レッドフォードが監督するようになったときジョージ・ロイ・ヒルの映画製作に対する姿勢を吸収していたんだろうなとも思いました。
十瑠さん情報ありがとう。
そうそう。レッドフォードのヒル監督に対するリスペクトは相当なものと思いましたね。
そして多分それは正解でした。