黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

武力による反撃(敵基地攻撃)の前に

2022年12月04日 23時44分03秒 | ファンタジー
 ウクライナの惨状を見て暗澹とした気持ちを抑えられない人々が、極東の紛争を恐れ、敵地への反撃を模索する動きをエスカレートさせている。これは適切な反応なのだろうか。
 先の大戦後、朝鮮動乱やベトナム戦争など、すぐ身近で、大国の思惑に引っ張られた戦乱に触れたとき、この国は、裏側では米国軍に多くの便宜を図ったが、専守防衛を盾に直接的な関与をしなかった。
 その一方で、悲惨な大戦を知っていた国民は、反戦、反帝(反帝国主義)、反米運動を支援した。それらの動きは、国際紛争に巻き込まれなかった大きな要因になったのだ。
 それから50年数年が経ち、現在の国民の反応は真逆のように見える。中国や北朝鮮に加え、鋭意戦争中のロシアにまで、堂々と攻撃(反撃?)をしかけることに多数が賛意を表しようというのだ。
 はたして敵地まで攻撃するのが得策なのか。ウクライナの場合、ロシア領内に向けた攻撃を避けている。明らかに侵略された側の反撃であっても、相手国への直接的な攻撃はきわめて危険だ。先の戦争で痛い目に遭ったのはどこの国だったっけ。
 ところで、この国の政治家は国際平和に貢献したことがあるのだろうか。頑丈な議事堂内で、戦争することを議論することだけで、自分の役割を果たしていると思っているわけではないだろう。今こそ、この国の政治家は、自身がよく使う常套句『国民の声を聞き、国のために身を粉にして働く』を票のために言っていないかどうか、自問しなくてはならない。ほんのちょっとでも心が痛むなら、本当にやるべきなのは何なのか、自分は何者なのか、という基本に立ち帰るべきだ。
 直接会ったことも議論したこともなく、どんな人々がいるのかさえ確認したことのない国に対し、挨拶代わりにミサイルを撃ち込むとはいったいどんな料簡なのか、考えてみる必要があるだろう。(2022.12.4)



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ありそでなさそな | トップ | はなは、2日前から »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿