NOTEBOOK

なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

ハピエスト・シーズン/私たちのカミングアウトを見た。

2021-03-07 | 備忘録
happiestseason



クリスティン・スチュアート主演、マッケンジー・デイヴィス共演のクリスマスコメディを観た。都会で暮らすレズビアンカップルが片方の実家でクリスマス休暇を過ごすドタバタコメディ。期待していたけれど、正直全体としてはヌルいコメディだったのだけれど、クリスティン演じるアビーのゲイの友人、ジョンが終盤アビーに話す話がとても興味深い話だった。その1点のみでこの映画は良い映画だと思える。

クリスティン演じるアビーは、マッケンジー・デイヴィス演じるハーパーの田舎の裕福な実家のクリスマスに誘われるが、ハーパーは自身ゲイであることを家族にカミングアウトしたとアビーに嘘を付いていた。そのため、実家には"友達"としてアビーを連れて行くが秘密にすることで生じるドタバタコメディ。アメリカではHuluでホリデーシーズンに公開されて大ヒットしたらしいけれど、日本では先日デジタル配信で。配信してくれるだけありがたい。。

全米大ヒットの期待値が高すぎたのか、正直コメディとしてはヌルめ。ただ、やはり本作の白眉はゲイカップルあるあるを盛り込んだ設定にあるのだろう。ゲイカップルのカミングアウトにまつわるあれこれが盛り込まれているらしい。ストレートでも思いつくのはカミングアウトできていなかったり、それをパートナーに共有できていなかったり、アウティングだったり、ストレートの自分が観ても辛いのでゲイの人が観るとより辛い描写があるのだろう。

また、ユルいコメディと嫌なシチュエーションが延々のでモヤモヤとしてくる。特にハーパーのアビーに対する煮え切らない態度に悲しみとイライラが募ってくるが、アビーの友人であるジョンが語るシーンにそのストレスが回収される。ジョンはアビーに彼女が両親にカミングアウトした時のことを尋ね、自らのカミングアウトした際の状況を語る。ゲイと言っても人それぞれで状況が異なるのだと彼は説く。このシーンこそこの映画の要であると感じた。こういうシーンが1シーンでもあればいい映画なんだと思う。

劇中のハーパーの地元での態度や言動を見ていると、果たして2人は幸せになれるのか?と疑問がわいてしまうが、人それぞれに事情があるのだと、そう思った。