八王子市のお散歩日記

自然豊かな八王子市内をお散歩しながら植物・昆虫・野鳥等を日記で綴る

2025年 秋川丘陵:シハイスミレ(紫背菫)等

2025-03-31 18:56:31 | 花・野鳥

毎年恒例のシハイスミレ(紫背菫)を見るため秋川丘陵を歩いてきました。シハイスミレは本州から九州の山間部の雑木林や森林の林縁などに見られます。葉は光沢を帯び背後が赤紫色で、花の色は淡紅色~濃紅紫色、側弁は無毛、唇弁には紫色の筋があり距は細長く後方に跳ね上がるというスミレです。八王子市内でこのスミレがあるところを私はこの秋川丘陵の林道しか知りませんので毎年見に来てしまいます。しかし、イノシシが林道の縁等を掘り返すので無くならないか心配してしまいます。

      

他にあった菫は

タチツボスミレ(立壺菫)あちこちに沢山咲いています。

曇り空で寒かったせいか半開きですがニオイタチツボスミレ(匂立壺菫)が1株ありました。

丘陵入り口にコスミレ(小菫)も1株。

丘陵の麓の里には種々の花が咲いていました。

満開のヤマザクラ(山桜)

ミツバツツジ(三葉躑躅):よく似たトウゴクミツバツツジの雄蕊は10個だが、ミツバツツジの雄蕊は5個。

 

セリバヒエンソウ(芹葉飛燕草:中国原産でキンポウゲ科ルフィリューム属の1年草):この花は色が薄かった。

菜の花

他にスミレやナズナ、ホトケノザ等が咲いていました。

今日はアオジの雌に出会いました。

以上

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2025年 絹の道~上柚木公園等:コケリンドウ(苔竜胆)、ハナイバナ(葉内花)等

2025-03-29 13:12:06 | 花と昆虫

3月28日。今日は石橋入緑地~絹の道~上柚木公園~西柚木~中山地区と歩いてきました。

石橋入緑地では

フッキソウ(富貴草:ツゲ科フッキソウ属の常緑亜低木)が咲いていました。この写真では先が焦げ茶色の雄花(萼と雄蕊だけ)は茎の上部に多く付き、雌花(萼と白い雌蕊だけ)が雄花の下に3個見えています。雄花の雄蕊は4本で雌花の花柱は2個です。常緑であることから繁栄につながる富貴という名が付いたといわれる。

国道16号バイパスの側道に入ると

フラサバソウが咲いており花も果実も出来ていました。昨年まではここにあるとは気付きませんでした。あちこちで繁殖しているようです。

 

小さなヒメスミレ(姫菫)がありました。スミレ(菫)とよく似ているのですが、小さいのと基部の葉の形と葉柄に翼がないのでヒメスミレとしました。

基部の葉

以前に生えていて雑草に隠れて消えていたスズメノエンドウ、カラスノエンドウとカスマグサが雑草が刈られたため復活していました。

カスマグサ

 

大塚山の中腹にあるナツグミ(夏茱萸:グミ科・属の落葉小高木)はまだ蕾でした。

しかし、この後行った西柚木にあるものは咲き始めていました。果実は5~7月に熟し食べられます。

絹の道では

ヤマザクラ(山桜)が満開です。

スプリングエフェメラルの一つであるビロードツリアブがここにも多く飛んでいました。

シャクガ科ナミシャク亜科の蛾の1種モンキキナミシャク(紋黄黄波尺)が飛び出して枯葉に止まりました。これも春にのみ出現する蛾でナカモンキナミシャクに(中紋黄波尺)酷似します。

スミレとコスミレがお互いすぐ近くに咲いていました。スミレの類の判定は難しいので苦手ですが葉や距の形、葉柄の翼の有無等で判別しましたものの間違っていればご指摘ください。花の色は写真にすると感じがずいぶん変わります。

スミレ(菫):葉柄に翼あり。葉の形が細長い。

コスミレ(小菫):葉の形が卵形。左側の花につく距が長い。

芝地にコケリンドウ(苔竜胆)が咲いていました。なお、中山地区の芝地でも咲いていました。この花は雄蕊が先熟で花粉を出し終わってから雌蕊の柱頭が開きます。2枚目の写真の右の花では黄色い雄蕊が付いていますが、左の花では雄蕊がなくなり、雌蕊の柱頭が開いています。3枚目の写真の花は雄蕊がなく柱頭だけの雌性期なのが明確にわかります。また、花冠は5裂しますが裂片よりわずかに小さい副片があり10裂に見えます。

  

先日、裏高尾でカツラの林が赤くなっているのを見て、上柚木公園にあるカツラの花が咲いていないか見に行きました。

その途中の道路の並木のトキワマンサク(マンサク科の常緑樹で垣根などに利用される)の1本が早くも咲いていました。

カツラ(桂:カツラ科・属の落葉高木で雌雄異株)の雄株に雄花が咲き始めていました。葉が出るより先に葉腋に花を咲かせ花弁も萼もなく、多数の雄蕊の基部が苞に包まれるという面白い花です。

 

他には花影がなく、ウラシマソウが葉を出していましたが蕾もまだ出ていませんでした。

西柚木では

ハナイバナ(葉内花:ムラサキ科ハナイバナ属の1~越年草)が少しだけ咲いていました。花は小さいですが淡青色の綺麗な花の中心部に副花冠もあり、ヤマルリソウ(山瑠璃草)の花に似ています。

中山地区では

ナガバノスミレサイシン(長葉の菫細辛)が多く咲いていました。

ミツバアケビ(三葉木通:アケビ科・属の落葉つる性木本)に花が付いていました。花茎の下方にある3個の大きい花が雌花で先の小さな花の塊が雄花です。

道路脇の生垣になっているヒュウガミズキ(日向水木:マンサク科トサミズキ属の落葉低木)の花にベニシジミが吸蜜していました。

道路の歩道の隙間にオランダミミナグサ(阿蘭陀耳葉菜草:ナデシコ科ミミナグサ属の越年草)が咲いていました。ヨーロッパ原産の帰化植物でいわば雑草です。在来種のミミナグサ(耳菜草:ナデシコ科ミミナグサ属の越年草)に酷似していますが、オランダミミナグサは閉じた花の花弁が萼より長くてはみ出すが、ミミナグサの花弁は萼の中に隠れてほとんど出ない等の見分け方がある。

 

以上

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2025年 片倉城跡公園近辺:サギゴケ(鷺苔)、シロバナタチツボスミレ(白花立壺菫)等

2025-03-27 19:15:30 | 花と昆虫

ソメイヨシノが開花してから、この暖かさというか暑さのためでしょうか、種々の花が急激に咲き始めたり満開になったりしました。

ソメイヨシノの小さな木は既に満開になっていますし、大木も花数はぐっと増えました。

コブシや桜の陽光などはすでに満開になっています。

陽光:華やかな桜ですね。

 

草花もヒメリュウキンカ、カタクリはほぼ満開です。

公園の隣家のカタクリ:園内のカタクリもほぼ満開でしょうか。訪れる人が多くなりました。

カタクリとヤブツバキの落花

写りが悪いですがカタクリとカイコバイモのツーショット

他にも種々の花が咲き始めました。

ヒトリシズカ(一人静:センリョウ科チャラン属の多年草)

ネコノメソウ(猫の目草:ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草):先般出会ったヨゴレネコノメソウと同じ仲間で湿地に生える。ヤマネコノメソウとよく似るがヤマネコノメソウの葉は互生で、ネコノメソウの葉は対生。この写真では分かりませんが、もう少し伸びるとわかります。

セントウソウ(仙洞草:セリ科セントウソウ属の多年草):林内や林縁に生える。

 

サギゴケ(鷺苔:サギゴケ科・属の多年草):別名ムラサキサギゴケ(紫鷺苔)。湿地の脇に生えていました。

シロバナサギゴケ(白花鷺苔:サギゴケ科・属の多年草):別名サギシバでサギゴケの白花品種。サギゴケの傍にありました。

オランダガラシ(阿蘭辛子:アブラナ科オランダガラシ属の多年草):別名クレソン。ユーラシア大陸原産の帰化植物で水辺または水中に群生する。片倉沢にありました。湯殿川にも群生します。

 

ミズバショウにも花が咲いていました。

奥の沢の園路にタカオスミレ(高尾菫)が三輪咲いていました。ここのは閉鎖花が多く開放花は少ないのですが、今年は珍しく開放花として咲いています。高尾ではなくてこんな公園にもあるのはうれしいですね。

アマナが咲いている空堀の近くにタチツボスミレが多く咲いていましたがその中に1輪シロバナタチツボスミレが咲いていました。タチツボスミレの白花変種で花の後に付く距も白い。なお、白花で距に紫色が残るものはオトメスミレ(乙女菫)という。

花の後に付き出たものが距です。

公園の上の雑木林にクサボケ(草木瓜:バラ科ボケ属の落葉低木)が咲いていました。枝が横に広がって草のように立ち上がるため。

蕾が出ているものもありました。

フデリンドウ(筆竜胆:リンドウ科・属の越年草。

センボンヤリ(千本槍:キク科センボンヤリ属の多年草)

フタバアオイ(二葉葵:ウマノスズクサ科カンアオイ属の多年草):徳川家の家紋はこの葉をもとにデザインされたという。

帰り道に出会ったスズメノエンドウ(雀の豌豆)です。

ご参考までに傍に咲いていたヤハズエンドウ(カラスノエンドウ)の大きさと比べると大分小さいですね。

今日出会った昆虫は

モンシロチョウ:なかなか撮影させてくれませんでしたので証拠写真になりました。ソメイヨシノの開花日同様、この蝶の初見日が春の便りとなります。

湯殿川で吸水中のアゲハチョウ(ナミアゲハ)

シャクガ科エダシャク亜科の蛾ですが、ヨトウガに似た変わった蛾です。開帳30~40mmぐらいで3~4月のみに出現する春の蛾です。しかし、スプリングエフェメラルとは言われないのが可愛そうです。

以上

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2025年 小仏川~木下沢~ザリクボの花巡り(その3 昆虫編)

2025-03-26 14:25:59 | 昆虫

3月25日の花巡り中に蝶を中心とした種々の春の昆虫に出会いました。

蝶では越冬明けの蝶が多い。

特に沢沿いの林道にテングチョウ(天狗蝶)が多く互いに縄張り争いをしていました。口のあたりが長く前に天狗の鼻のように伸びているのが名前のいわれです。前翅の先が下方に飛び出ているのも特徴です。成虫で越冬し最初に発生するのは6~7月。

ウラギンシジミ(裏銀小灰蝶)の雌:翅の裏面が銀白色であるのが名前のいわれ。雄の翅の中の色は赤色。成虫で越冬し最初に発生するのは5月頃。

キタキチョウ(北黄蝶):従来、キチョウとされていたものが、キチョウ(南西諸島に生育)とキタキチョウの2種に分けられました。本州にいるのはキタキチョウです。成虫で越冬しますが、早いものは3月頃から出てきますので越冬蝶かどうかは不明。

キタテハ(黄立翅):成虫で越冬するが、これも3月頃から出現する。

ムラサキシジミ(紫小灰蝶):成虫で越冬し、最初出てくるのは6月頃。

ベニシジミ(紅小灰蝶):幼虫で越冬し早いものは3月頃から出現する。花を好む。

コツバメ(小燕):シジミチョウの1種。早春のみに出現するスプリングエフェメラルの一つ。雄の翅表は綺麗な青色ですが敏捷に飛びなかなか翅を開かないので見るのが難しい。幼虫はツツジ類の花や蕾を食べる。小仏川沿いの伐採地で見られました。久し振りです。

スギタニルリシジミ(杉谷瑠璃小灰蝶):これも春(3~5月)のみに出現するスプリングエフェメラルの一つ。山地の渓流沿いの地面で給水していることが多い。これもザリクボの道で給水していました。ルリシジミとの違いはルリシジミより少なく、後翅裏面の黒点がルリシジミのそれより大きくその周りに白色輪状紋があること。また裏面の色がルリシジミは白っぽいがスギタニルリシジミの色はくすんだ灰色。

蛾では

イカリモンガ(碇紋蛾):イカリモンガ科の蛾。3月頃から出現し渓流沿いに多い。日中から飛び、翅をたたんで止まり、触角が細く、花の蜜を好む等蝶と似た性質を持つ。翅の表面にオレンジ色の碇型の模様があり綺麗。

そのほか

ビロードツリアブ(天鵞絨吊虻):これも3~5月に出現するスプリングエフェメラルの一つ。ツリアブ科の虻で長い口吻を持ちホバリングしながら種々の花に吸蜜する。モフモフ感が可愛い。

ハナネコノメソウに吸蜜していた虻の1種。ムナキハナアブ(胸黄花虻)でしょうか?それとも二ホンヒゲナガハナバチかスジボソフトハナバチ?ご存じの方教えてください。

以上

追加

本日(3月26日)。我が家の近くの公園のソメイヨシノがこの写真では2輪ですが今は5輪開花しました。東京の開花とそう違わないのは初めてのことでしょう。

以上

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2025年 小仏川~木下沢~ザリクボの花巡り(その2木下沢~ザリクボ編)

2025-03-26 13:05:50 | 

3月25日。木下沢梅林も残念ながら閉鎖されていて内部に入れません。

木下沢梅林はご覧の通り大変綺麗でした。

その縁にヒメウズ(姫烏頭:キンポウゲ科ヒメウズ属の多年草)が数株咲いていました。白い萼が長くて黄色い花弁がその中に隠れるようにある可愛い花です。

 

木下沢を進むと

ハシリドコロ(走野老:ナス科ハシリドコロ属の多年草)が咲いています。美味しそうに見える葉は毒草で松本清張氏の小説にも出てきて有名になりました。食べると走り出すそうです。花の中には雄蕊が5個、雌蕊が1個あります。

エイザンスミレ(叡山菫)が一株咲いていました。名前は比叡山に生育する菫ということ。葉に大きな切れ込みがあることが特徴で白色からピンク色~赤紫色のものがある。ヒゴスミレは葉の切れ込みがもっと細かい。

ナガバノスミレサイシン(長葉の菫細辛):あっちこちで多く咲いていました。このスミレも花の色が白色、ピンク色、青紫色と変化が多い。

ヤマルリソウ(山瑠璃草:ムラサキ科ルリソウ属の多年草):片倉城跡公園でも咲き始めていましたが、ここでも咲き始めていました。

ニリンソウもあちこちで咲き始めています。

ここではハナネコノメソウ(花猫の目草:ユキノシタ科・ネコノメソウ属多年草)が多く咲いており見ごろでした。この花は早春を彩る花で毎年見たくなります。また、花の色が薄紅色、紅色、緑色のものも、たまにはあり沢筋を念入りに探している方もいます。私は薄紅色のものしか見ていませんが、ご参考に挙げておきます。

 

ザリクボ沢では

ここでもハナネコノメソウが咲いています。

ご参考:薄紅色のハナネコノメソウ

ツルネコノメソウ(蔓猫の目草:ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草)も毎年見に来ています。名前は走出枝(匍匐枝)を伸ばして繁殖するため。

  

ヤマエンゴサクがここでも咲いていました。ここのヤマエンゴサクは別名ササバエンゴサク(笹葉延胡索)と呼ばれ、変異の多い葉のうち、葉の裂片が細い線状楕円形になっているものです。苞はご覧の通り苞の縁に切れ込みがあります。

 

昆虫編に進む

以上

 

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