3月28日。今日は石橋入緑地~絹の道~上柚木公園~西柚木~中山地区と歩いてきました。
石橋入緑地では
フッキソウ(富貴草:ツゲ科フッキソウ属の常緑亜低木)が咲いていました。この写真では先が焦げ茶色の雄花(萼と雄蕊だけ)は茎の上部に多く付き、雌花(萼と白い雌蕊だけ)が雄花の下に3個見えています。雄花の雄蕊は4本で雌花の花柱は2個です。常緑であることから繁栄につながる富貴という名が付いたといわれる。

国道16号バイパスの側道に入ると
フラサバソウが咲いており花も果実も出来ていました。昨年まではここにあるとは気付きませんでした。あちこちで繁殖しているようです。

小さなヒメスミレ(姫菫)がありました。スミレ(菫)とよく似ているのですが、小さいのと基部の葉の形と葉柄に翼がないのでヒメスミレとしました。

基部の葉

以前に生えていて雑草に隠れて消えていたスズメノエンドウ、カラスノエンドウとカスマグサが雑草が刈られたため復活していました。
カスマグサ

大塚山の中腹にあるナツグミ(夏茱萸:グミ科・属の落葉小高木)はまだ蕾でした。

しかし、この後行った西柚木にあるものは咲き始めていました。果実は5~7月に熟し食べられます。

絹の道では
ヤマザクラ(山桜)が満開です。

スプリングエフェメラルの一つであるビロードツリアブがここにも多く飛んでいました。

シャクガ科ナミシャク亜科の蛾の1種モンキキナミシャク(紋黄黄波尺)が飛び出して枯葉に止まりました。これも春にのみ出現する蛾でナカモンキナミシャクに(中紋黄波尺)酷似します。

スミレとコスミレがお互いすぐ近くに咲いていました。スミレの類の判定は難しいので苦手ですが葉や距の形、葉柄の翼の有無等で判別しましたものの間違っていればご指摘ください。花の色は写真にすると感じがずいぶん変わります。
スミレ(菫):葉柄に翼あり。葉の形が細長い。

コスミレ(小菫):葉の形が卵形。左側の花につく距が長い。

芝地にコケリンドウ(苔竜胆)が咲いていました。なお、中山地区の芝地でも咲いていました。この花は雄蕊が先熟で花粉を出し終わってから雌蕊の柱頭が開きます。2枚目の写真の右の花では黄色い雄蕊が付いていますが、左の花では雄蕊がなくなり、雌蕊の柱頭が開いています。3枚目の写真の花は雄蕊がなく柱頭だけの雌性期なのが明確にわかります。また、花冠は5裂しますが裂片よりわずかに小さい副片があり10裂に見えます。

先日、裏高尾でカツラの林が赤くなっているのを見て、上柚木公園にあるカツラの花が咲いていないか見に行きました。
その途中の道路の並木のトキワマンサク(マンサク科の常緑樹で垣根などに利用される)の1本が早くも咲いていました。

カツラ(桂:カツラ科・属の落葉高木で雌雄異株)の雄株に雄花が咲き始めていました。葉が出るより先に葉腋に花を咲かせ花弁も萼もなく、多数の雄蕊の基部が苞に包まれるという面白い花です。

他には花影がなく、ウラシマソウが葉を出していましたが蕾もまだ出ていませんでした。
西柚木では
ハナイバナ(葉内花:ムラサキ科ハナイバナ属の1~越年草)が少しだけ咲いていました。花は小さいですが淡青色の綺麗な花の中心部に副花冠もあり、ヤマルリソウ(山瑠璃草)の花に似ています。

中山地区では
ナガバノスミレサイシン(長葉の菫細辛)が多く咲いていました。

ミツバアケビ(三葉木通:アケビ科・属の落葉つる性木本)に花が付いていました。花茎の下方にある3個の大きい花が雌花で先の小さな花の塊が雄花です。

道路脇の生垣になっているヒュウガミズキ(日向水木:マンサク科トサミズキ属の落葉低木)の花にベニシジミが吸蜜していました。

道路の歩道の隙間にオランダミミナグサ(阿蘭陀耳葉菜草:ナデシコ科ミミナグサ属の越年草)が咲いていました。ヨーロッパ原産の帰化植物でいわば雑草です。在来種のミミナグサ(耳菜草:ナデシコ科ミミナグサ属の越年草)に酷似していますが、オランダミミナグサは閉じた花の花弁が萼より長くてはみ出すが、ミミナグサの花弁は萼の中に隠れてほとんど出ない等の見分け方がある。

以上