心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

原本にも間違いもあり?

2011-07-22 | 書の話

                          (半紙)

 

 

千字文の一節「丙舎傍啓」 へいしゃぼうけい

第三の殿舎は傍らに啓いており、の意。

 

木簡集字千字文を参考に書いていたのですが・・またまた原本が間違い・・かも。

(↓)四文字目が、「創」かな?って思って、そのつもりで書いてしまい。。

う~ん・・やっぱり「啓」には見えないような。いかがでっしゃろ。。

 

 

 

 

沙月という細い羊毛長鋒で。書きやすくてお気に入りの筆のひとつ。

墨量の多い所、かすれ、空間のバランスを、自分なりに確かめながら。

 

「丙」は思いっきり縦長にしたくて。

墨がついたまま固まってしまった筆で、そのままに書いたので

「舎」など極細の線に。 縦長の「丙」に対して横に広げて。

 

「傍」は右下に向かって、だんだんだんと下がって右に流れたので

「創」の最終角は、思い切り長くしてみたなり。

 

それにしても、原本も意外と間違いがあったりするのね・・

 

この「丙」って文字、私、好きなんです・・って言ったら、教室でEさん曰く

「私達が子供の頃の成績表では、丙は三番目だったから、私は好きじゃないわ~」に

皆さん大笑いでした 

 

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久々に金文

2011-07-21 | 書の話

                         (半紙)

 

 

今日午前中は書道教室。

Kさんが取り組んでおられる、金文の一節をば。

臨書ではなくて、創作ですが。。

 

釈文には「余爾」と。 右が「余」、左が「爾」 原本はこれ↓ 

 

 

 

一番左のは、「爾」の文字の解説として載っていたもの。

 

う~ん、よく見えないですねぇ・・って言いながら書いたのですが。

帰ってきてから、スキャンして拡大したら、まずは下のくもの巣みたいなところの

縦角が足りなかったか・・・ 

 

で、「爾」ってことは・・・(↓)こうでないの?と。

うん、きっとそうだと思うんだけど。。

 

 

 

 

 原本を色反転してみたら(↓)・・ね?

 

 

 

・・ということで、Kさん、いかがでせう 

 

 

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文字と私、もちつもたれつ

2011-07-01 | 書の話

                       「楽」 (はがき)

 

 

 

スーッと何かが下りてくる日と、全然来てくれない日と。

 

何も浮かばない時には、なぜかいつもこの字を書く。

文字には、それぞれ意味があるわけで。

 

文字本来が持つその意味が、何かオーラのようなものでもって

時になぐさめに来てくれたり、楽しい気持ちにしてくれたり 

 

でも、たとえば「悲」の文字ばかり書いていたら、

「悲」が持つオーラ=力にやられちゃうこともあったりするかもしれなくて。

 

あ、でもそんな時は、逆に「悲」の文字にチャンスをあげるの。

ぶっとく書いたり、あったかい線で書いてみたりして。

 

そうやって、文字と私、もちつもたれつ 

 

今日から7月。既に猛暑。夜は昨日よりはちょっと涼しいけど。

まだまだこれからが夏本番 

 

文字(書)でも「涼」を届けられるかな・・

明日は、涼しくなるような書を書いてみよ~っと。

・・って、自分にプレッシャー与えてるじゃん。。

 

 東日本大震災 子どもの学び支援ポータルサイト

 

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情がある作品

2011-06-20 | 書の話

    金文「厚多」(半紙)

 

 

羊毛の長鋒は、思いがけない線を生んでくれるのでして。

 

筆の弾力を確かめながら、味わいながら、沈めたり浮かしたり。

紙をえぐったり、くすぐったりしながらじっくりと書く。

 

じっくり書くというのは、心に描くものがあるということで。

そしてじっくり書くと、それだけ情も湧くというもので。

 

情がない作品は、ただのお習字。

情がある作品が書きたいなぁ 

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書の心地よさの理由

2011-06-02 | 書の話

                      (半紙)

 

 

山頭火の句 「寝ておれば花瓶の花ひらき」 

 

今日も雨降り、肌寒い一日。午前中は書道教室。

 

母組は蘭亭、顔真卿、かな等、それぞれの臨書を、

沙於里組は、木簡、金文、曹全碑の臨書のお稽古を終えてから、

宿題の山頭火を、皆さんと鑑賞会。

 

だんだん名前が書いていなくても、どなたの作品かわかるようになってきて 

今日はK野さんの作品(これ↓)をお借りして、書いてみたなり。

 

 

 

私はどうも筆を持つと、左から右へと流れるのが苦手。

書の横書きは、本来右から左への流れなんだけど、

K野さんは、いつも構図を工夫、試行錯誤されていらはるのでして 

 

で、私が思う「書の心地よさ」の理由のひとつは「流れが自然であること」かな、と 

 

本来、書は縦書きで、上の文字から次の文字へ受け渡す時の間合い、呼吸が

その作品の個性だったり、魅力のひとつにもなる・・と思ったり。

 

横書きにした場合も同じで、ま、今日のは完全な横書きではないけど

奇をてらうのではなくて、自然な流れを意識するだけで、

自ずと空間も生きてくるような 

 

な~んて、偉そうに。 

でも、空間の意味というか、味というか、温度、やわらかさみたいなのが

伝わるといいなぁと思いますが、いかがでせう 

それぞれの作品からヒントを頂きながら、勉強になりますです

 

 で、先週の教室で、写真を撮り損ねたK地さんの素敵な作品、今日お持ち下さり。

素敵でしょ♪ K地さん、ありがとうございました~。 

 

 

 

今日は曇り空で部屋が暗くて、画像がどれも暗いなぁ・・すんません。

あ、カメラを使いこなせてないだけです

 

Nikon COOLPIX なんだけどなぁ・・

みのりさんがご近所だったら教わりに行きたいでありんす

 

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思いを綴る

2011-03-21 | 書の話

               今日もぷくぷくにご指南をお願いし・・

 

 

こんな時に・・と思う方もいるやもしれないけれど、

この週末は、ご飯を食べるのも忘れて、4月の書展の作品を書いていた。

 

作品は、数枚書けてはいたのだけど、その題材が、

なんだかしらじらしく思えてきて、別なものを書いていたのでして。

 

自分の中で、書きたいものが見つからないのは、あるいはしっくりこないのは、

ある意味、平和で枯渇しているものがないということなのかもね。

まぁそれはそれで、全然いいんだけど 

 

書は、造形としてのゲイジュツでもあり、

意味を持つ漢字や、ことばを書くという意味で、

思いを綴り、伝えることもできるわけで。

 

自分が『書』という表現を借りて、何を表現したいのか、

この週末に、手繰り寄せることができたような気がする。

 

思いが馳せるばかりで、造形としてのゲイジュツは未熟であるけれど

岡本太郎のことばに駆り立てられて、ただただ書いていたなり。

 

 

『今すぐに、鉛筆と紙を手にすればいい。それだけだ。』

『壁を破る言葉』 イースト・プレス

 

 

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志は高く

2011-03-06 | 書の話

                    (部分・色反転)

 

毎日なんだか雑用が多いものでして 

でもって、根が横着で、時間の使い方が下手なものでして 

 

昨日夕方から、ようやく4月の蘭秀会展の作品制作スタート。

毎年もっと早くから構想を・・と思いつつ、今年も時間がな~いと焦る 

 

部屋中、墨の香りと紙だらけ。

何を書くかに迷ってばかりで、まとまらず 

 

久々に抽象を書きたいなと思ったりしてるけど、

あれは、アドレナリンが満ちてこないと書けないので、

まずは、五感のウェオーミングアップから。

 

かっこつけないで、いい子にならず、

常識を疑いながら、心のバーを上げ続けたいなり 

 

な~んて、志は高く・・ね。

 

今日は母と、日本書道学院の 代表作家展 にお邪魔してきま~す。

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手紙は自分の舞台

2011-02-22 | 書の話
             

昨年12月の 2010 書TEN でご一緒させて頂いた
岡村雞守齋氏より素敵なお便り(↓)が届き 


かわいい兎さんの絵も。

お手頃な価格で良質の青墨が手に入ったのだけど、もののためしに手紙なぞ、と。
半切半分を2枚分の巻紙風の長いお手紙。ありがたや。
では私も拙いながらも、なが~い紙でお礼状をば、と 

手紙は、自分の舞台でもあるような。

紙の大きさ、色や質、文字の構成、構図、墨の色、そして文言。
何を選び、どう表現するのか、あれこれ考えたりするのは楽しや 

手紙は苦手だから書かない、とよく聞くけれど、
書かなければいつまでたっても書けないわけで。
上手く書こう、恥かしくないように書かなきゃと思うから書けないわけで 

だからね、「下手」にも応えて下さる相手を見つけるのがよろし 

おっし、書けた~と写真を撮ろうと広げていたら、
ぷくぷく師匠がどれどれ・・とお座りになり。
このあたり・・ちょっと乱れておる・・と、右手で指南。

手紙なんだから、硬いこと言わないでね 

あ・・岡村さん、見てたら・・勝手に載せてごめんなさ~い 
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笑顔と向上心と

2011-02-19 | 書の話
                     2×3尺「大室才九月<圖象銘>」

昨日の金文の全様はこんな感じでした~。
これ↓が原本。3行目の上から3つ目~最後までを書いてみたなり。



実物だと、いいかも~って思っても、こうして画面を通すと・・
う~ん、パラパラしてるか・・。墨量の変化もあんまりないし 

あれこれ粗が見えると、1枚、また1枚と書きたくなる。

さらけ出すことで、成長できるのであるからに 

できない、書けない・・と思って隠れていては、
いつまでたっても、震えるような感激には出会えないってもんさね 

素直さと、謙虚さと、笑顔と、向上心を持って、生こうぞよ 

今日は、父母とランチをしてから、母と 現日選抜展 へ。
午後3時からは講演会があるそうです♪

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黄庭堅を眺めつつ

2011-02-10 | 書の話
                          黄庭堅 「寒山子龐居士詩」


以前、師のお宅へお稽古に行っていた頃、
この黄庭堅(こうていけん)を勉強されている先輩がいらして。

その頃私は造像にはまっていて、黄庭堅の良さがわかっていなかったのでして。
なんだか普通じゃんとか、ただきれいなだけとしか、見る目も心も持っていなく。

今思うに、それは自分には持っていない、できない、カナワナイものだから
どこかで否定というか、避けようとしていたのかもなぁ・・なんて。

たとえば、人と人の関係でも、そんな場面あるよなぁ・・と、ふと 

相手が自分にないものを持っていたり、正しすぎたりした時に、
自分が傷つくのが怖くて、相手を否定してみたり。

でも結局、それで傷つくのは自分なのにね 

素敵だなって思った時、
素直に、裸の心で、謙虚な気持ちを持てたら
世界はもっと広がるのかも・・なんて 

この「黄庭堅」、今見ると、ずっと眺めていても飽きないし
いいなぁ・・とため息をつきつつ、心がすーっとほぐれていくなり 
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