札幌でワインを飲もう スープカレーを食べよう

時々、ワインにまつわるお話,
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旧校舎  3

2009年02月17日 | 書いたもの

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 6月1日は藻岩山の山開きがある。
大学も開学記念日で休みなので、前夜から大騒ぎをして、山に登るという毎年の恒例行事があった。
誰も来ないかもしれないけれど、とにかく行ってみようと、僕らは約束した。
 1987年5月31日、日曜日の夕方。
 旧校舎のローンは、卒業生と大学生であふれていた。
僕らはただただ、大勢の人に圧倒され立ちつくしていた。
旧校舎が、ここを最後の場面と決めて、はりきっているようだった。
 ようやく気を取り直して、元々の計画通りに、僕らはポケットにある、
校舎からはずした窓の留め金を握りしめて校舎の中へ入ろうと試みた。
もう遅いかもしれないけれど、そうせずにはいられなかった。
もちろん扉は鍵がかかっていたが、ぼくらが一番よく使っていた西側の入り口だけが
偶然に(あるいは必然を伴って)開いていた。
中は思っていたより暖かく、清潔だった。天井の高さが懐かしかった。
 どうせすぐに取り壊されてしまうだろうと、タカをくくっていた窓は、
割れもせずそのままの姿でそこにあった。
だが、(もちろん僕らが留め金を外してしまったせいで)窓枠の下は、
雨が入り込んで濡れていた。隣の窓も同じだった。
じっと眺めていた女の子の一人は、目にいっぱいの涙を浮かべている。
僕にもじわじわと、彼女の気持ちが伝染してきた。
外からは「ペガサスの朝」を歌う酔っぱらいの声がかすかに聞こえた。
 涙につられないようにしながら、一人を土台にしてその背中に乗り、留め金を元に戻した。
カチリという、いい音がして、留め金は元に収まった。
全ての留め金を元に戻し終えたとき、外の大合唱は「北酒場」に変わっていた。

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旧校舎 2

2009年02月16日 | 書いたもの

                                        2
 新校舎を訪れたのは、87年の5月のことだった。
後輩たちをからかいながら、社会人を気取った僕らは、
整然とした、天井の低い、真新しい校舎を歩きながら、
「なんだか病院みたいだな」などと話していた。
ピカピカの校舎を歩きながら突然、本当に突然
自分が旧校舎を好きだったこと(少なくとも嫌いじゃなかったこと)を悟った。
大学時代の4年間を過ごしたそのオンボロ校舎を、
慈しむような気持ちが、初めて湧いたのだった
 「大学時代を過ごした校舎はもうないんだな」と、
遅まきながら少し哀しい気持ちになる。ぼんやり生きている僕は、
いつだって肝心なことに気づくのが遅い。
 大切なものが大切だったと気づくのは、もう決して、戻ってこないとわかった時だ。
 
                                        3
 誰が言い出したわけでもなく、新校舎からの帰り道に僕らは旧校舎を目指した。
旧校舎の跡地がどうなるのかを誰も知らなかったし、
工事のフェンスで囲われていたらどうしよう、などと騒いでいた僕らの目の前に、
旧校舎は以前のままの姿で現れた。目をぱちくりとさせながら、
僕らはローン(中庭をそう呼んでいた)の、水のない噴水のへりに腰掛けた。
なんだ、あるじゃないか。急速に拍子抜けした僕らは、そのまま大学の近所の、
今も変わらずにあるギョウザ屋で、おばちゃんのギョウザを食べたのだった。

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旧校舎

2009年02月15日 | 書いたもの

「書いたもの」を読みました。
感動はしませんでしたが、悪くない感じです。

そんなふうに励ましてくださる方がいたので、
また、「書いたもの」を載せます。
いいんですね。

 

                                        0
 さて、これから僕は、ある体験を語ろうと思う。あまりいい話ではないかもしれないし、
この話が君にどう響いていくかも、正直言って自信のないところだ。でもまあ、話を始めよう。

 

                                        1
 1987年、僕らは大学を卒業した。社会の状況や景気も良くて、
多くの仲間がすんなりと就職することができた。
(現在の学生さんたちの苦労を思うと、本当に申し訳ない気持ちになる。)
 僕らの目の前には、明るい未来が待っているはずだ、という楽観的な勘違いがあった。
実際会社に入ってみると、(当たり前のことだが)そこには社会人としての厳しい現実が待っていた。
大学時代や大学のことを振り返ったり、思いやったりする余裕はないし、
毎日の勤務が早く終わることを祈ることが精いっぱいだった。
 大学が移転になることは知っていた。
 木造の校舎はこれ以上のことを想像できないくらいに老朽化していた。
まるで校舎そのものが老いて、眠っているかのように。
 すきま風は吹いたし、雨漏りもあった。天井が高く、冬はなかなか部屋が暖まらなかった。
 ある時、最上階のコンピューターが故障して、修理の人がやってきた。
業者の人が本体を持ち上げたら、中からコーヒー二杯分の雨水が流れ出た、なんて話も聞こえてきた。
隣接する男子寮にいたっては、建物の中を新聞配達の自転車が走っているくらいに、
外部にオープンな建物だった。
 移転、新築の話は、誰の目にも不可避な、どうやっても避けられないものに映っていた。
 卒業目前、もうあと三日で校舎が使われなくなるというときに、
僕らは思い出に、窓の留め金(真鍮でできた、なかなか素敵なものだった)を一つずつ失敬した。
(つまり、力ずくではずして持ち帰った。)
校舎はすぐに取り壊されるさ、というのが、当時の僕らが用意した言い訳だ。

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シャトー・ル・トレフォン

2009年02月14日 | 札幌ワイン


1989のワインをいただきました。
秀逸な年ですね。いい色になっている感じです。
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sama本店 宮の森

2009年02月13日 | スープカレー


レギュラーのスウプは、トマトがしっかり。 
私は和風のスウプが好きです。
最近納豆が止まらない。ナットの8番。次は10番か。

札幌市中央区宮の森1条11丁目2-11   
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そういえば、去年もこの取り壊しを

2009年02月12日 | 札幌 風景



見ていたような気がします。

 








ついでに大通の5丁目に、花畑牧場発見。

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久しぶりにアターブルへ

2009年02月11日 | 札幌ワイン

五十路さんは本当に歳をとらない。



久しぶりに地下へ通していただいたので、
階段を撮ってみました。

ブログを見てくださっているという話を聞き、
なんだか、とっても嬉しかったです。がんばります。

同じビルにあるハル彦(バトーの早川さんの)が閉店していました。
びっくり。

あたーぶる ATABLE
南7条西4丁目 五條ビル DEUX 1F ワインバー ア・ターブル 

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EN 初ワイン会。

2009年02月10日 | 札幌ワイン

山根さんのワイン会が、エンで再開しました。
今回のテーマは、ワインとチョコレート。



マリアージュはなかなかに難しそうです。




チョコレートのソースのお肉。
これはこれでとてもおいしい。





小麦粉の量を極力抑えたというデザートもおいしい。
では、ワインとチョコの組み合わせはどうかいうと……。
別々の方がおいしいかなあ。

エンは狸小路5丁目。美松ビルです。

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路地裏カレーサムライ

2009年02月09日 | スープカレー




大繁盛でした。大混雑。
お店を出るときには「close」になっていました。




鶏と14種類の野菜の8番。
粘度があって結構辛い。そして美味しい。

豊平区美園4条2丁目  みどり小そば。
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デストロイヤー 裏参道

2009年02月08日 | スープカレー


挽肉と納豆30番。40番まではいけないかも。
スープカレーに納豆を投入したのは、村上さんがはじめなのかなあ。
村上さんを見ると、ついつい、路上のアクセサリー売り、
今は亡き「こまめちゃん」を思い出す。

南4条西21丁目 
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