ふくろう日記・別室

日々の備忘録です。

風立ちぬ

2013-07-31 16:19:05 | Movie
風立ちぬ 劇場予告編4分


「風立ちぬ・公式サイト」

実在の人物2人がモデルとなるのはスタジオジブリの長編作品では初めてのこと。
「零戦」を完成させた飛行機の設計技師の堀越二郎をベースに、
同時代を生きた文学者の堀辰雄の私小説「風立ちぬ」の恋人たちを融合させた物語となっている。
「零戦」という死の飛行機を作ることと、新しい技術開発への夢の狭間で設計技師の心の葛藤が描かれている。
さらに、その時代には不治の病とされた「結核」に侵された恋人、そして妻へ。そして死。
関東大震災(1923年・大正12年9月1日11時58分32秒)で恋人と出会い、そして第二次世界大戦の時代を共に生きて、宮崎作品としては珍しく、約30年(二郎の半生)を描いた作品である。

少年時代から憧れた、イタリアのカプロー二(飛行機設計技師)が、時折夢のなかに現れて
彼の行く末を予知した通り、憧れの飛行機設計技師の仕事は、その生きた時代のなかでは
「死の飛行機」である「零戦」が、彼の仕事の最初の成功であったという悲劇の時代であった。


堀越二郎(1903年・明治36年6月22日~1982年・昭和57年1月11日)

堀辰雄(1904年・明治37年12月28日~1953年・昭和28年5月28日)



海辺の墓地  ポール・ヴァレリー


風 吹き起こる…… 生きねばならぬ。一面に
吹き立つ息吹は 本を開き また本を閉ぢ、
浪は 粉々になって 巌から迸り出る。
飛べ 飛べ、目の眩(くるめ)いた本の頁よ。
打ち砕け、浪よ。欣び躍る水で 打ち砕け、
三角の帆の群の漁ってゐたこの静かな屋根を。

  (海辺の墓地・24連より・鈴木信太郎訳)

 
 《付記》

◆N33.風 (♪誰が風を見たでしょう).mp4